草枕

都立中高一貫校・都立高校トップ校 受験指導塾「竹の会」塾長のブログ
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新しい試み(1)

2007年07月31日 21時21分50秒 | 
 都立中高一貫校指導及び私立中入試指導に共通の悩み, それは「読み取り」のできない子たちをいかに指導するかということであった。先週は過去問を流してみて, ほとんど無駄だとわかった。当分は方向転換で様々な基礎事項を学ばせていく。指導のポイントは, 煩瑣な知識に方向を見失わないように, 理解すべきポイントを指示して特定してやることだ。要となる原理をのみ学ぶことに集中させる。
 新しく, 都立過去問から作成したレジュメを指導に使い始めた。読み取りをさせる。ここは時間を使う。ヒントを与える。考えさせる。ひとりひとり呼んで細かい指導をする。ほとんど「読み取り」ができない。書かれてある日本語が意味あるものとして頭の中にイメージできない。「高さ24cmの水そうの3分の2まで水を入れるのに4分かかった」という文章をみて, 3分の2だから16cmまで水を入れたのだということまでは認識できそうだが, 現実はそういうこともまるで考えていない。1分間に4cm水かさが増えているのだということまではとてもいかない。読み取りができない子というのは, 問題文から何か意味あるものを読みとることができない。何も考えないのだ。思考がないといってもいい。問題文から何か意味を見つけるように仕向ける。実際の指導は, 子どもたちに意味ある何かを見つけるように導く。私は常々「1あたり」こそが, 思考の基本だと説いている。1あたりの思考でかなりの問題を意味あるものとして構成できる。しかし, それはそれとして子どもたちは, 一般的に, 問題文の意味するところをまるで理解しない。あまりにも思考未熟で物を顕微鏡的に1面しかみない。何も考えていないに等しいくらい無心である。ただ「かける」とか「わる」とかの操作だけが独り歩きする。作文を書かせても, ある1面のみからものごとを決めつける。これは読み取りがある程度できる子でも同じだ。
 これからの指導は常に「読み取り」を疑うことから読み取りを通して, 思考すること, 意味あるものを探求することを悟らせることである。竹の会では, 夕方ころからこの読み取りの指導が始まる。私の読み取り指導がどんなものかは, 実際に指導を受けた子どもに感想を聞いてみてほしい。
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