なつかしもん(移ってきました)

70年代から昨日まで人によっては懐かしいと思えるものを置いていきます。
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犬神家の三種

2006-01-01 02:03:37 | ⇔同じ映画なのに比較
1976年「犬神家の一族」 私に邦画もおもしろいんだな~と教えてくれた作品です。

初めはTVで見ました。その後LDが出て購入。
LDの仕様はニューマスター、そして“劇場公開サイズ初収録”!1×1.5というサイズです。
説明ではこれがオリジナルサイズで劇場ではスタンダードサイズでも上映可能なように撮影され、監督の意向によりオリジナルサイズで収録した。ということです。

DVDが発売され見てみるとスタンダードサイズ。ああ、また左右を切ったのだなとと思い比較してみたら、違いました!オリジナルとされていたものが上下を切っていたのです!
なんだか複雑な気持ちです。どちらがオリジナル?正解なの?

DVDになると色合いが変わるのは普通ですがここまで変わるのは珍しいのではないでしょうか?
写真右がLD版です。LDだけを見ていると色のりが良く、隅々までよく見えていていいなあと見ていました。
そしてDVDを見たらLD版は全体的に緑のフィルターをかけた様に見えてしまうくらい色が抑えられた画作りになっています。

あまり好きになれない画作りです。たいがいDVDになったものを見ると、「こんなにきれいだったのか!」と思うのですが、それがありませんでした。

画作りの話では市川監督作品の好きなところは、まずライティングが良いですね。コントラストが強く光の射している方向がひとつ。例えば時代劇で日本家屋の中にいたら光は障子などから入る横からだけ。上からとか人物の顔の全体がはっきり見えるなんてことはありません。らしくみせるんですよねー。(昔の家の中は暗いものです)
あとカット割り、編集が細かいのも特長ですね。このタイミング、リズムが好きです。

個人的に昔から思っていたのですが、この「犬神家の一族」の観終わった後の感じと「ルパン三世カリオストロの城」を見終わった後の感じは似ているなと思っているのです。
どちらも音楽が大野雄二さんであるというのもあると思うのですが、すごい物語がすべて解決して流れるさわやかな風のようなものがどちらの作品にも感じられるのです。いかがでしょう?






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3 コメント

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Unknown (kleiber)
2010-02-02 23:25:45
色調の違いは、単にテレシネの担当者の好みだと思います。小生も映像関係の仕事をしておりましたが、色調の基準について同業の技術者達と議論を交わした事が在りますが、正直言って基準は、思想の違いみたいなもので明確な答えを出すのは難しいのが本当の処でした。フィルムに限って言わせて頂ければ、フィルムの特性本位で判断するか、実際の天然色を基準にするかで異なります。例えば緑の色調に特色の在るフィルムの場合、その緑掛かった色をフィルムの特色と判断するか、欠点と看做して補正するかです。この場合は、当然、補正をした色調だと何かすっきりし過ぎてしまい、味が薄くなった印象になります。この場合は、フィルムの特色を生かしてこそ味が在ります。過去の映画で言わせて貰えば「2001年宇宙の旅」は、公開当時、メトロカラーと言う方式でしたが、再公開時やDVD化した時には、技術者の善意ではっきりとした色鮮やかな色調に変貌を遂げてましたが、これは実は不正解で、何故、メトロカラーを採用した意図が全く無視されてしまいました。あれは難解な作品です。その為、観客に対して精神的な不安を煽らない様に宇宙空間の闇をわざとに真っ黒にしないでマゼンタを基調として目が疲れないゆるいコンコラストでプリントをしました。何故かと言うと只でさえ難解な作品の色調を鮮やかにした場合、目が疲れて、とても観賞処じゃ無くなります。つまり色調で配慮しました。つまり、そんな事です。ですから製作者やラボの意図は大切です。
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Unknown (kleiber)
2010-02-02 23:31:15
追伸
誤字がありました。コントラストです。一応、報告しておきます。
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Unknown (take3d)
2010-02-07 15:35:54
kleiber様。
とても勉強になります。ありがとうございます。
これからブルーレイ化等で同じ問題がもっと多くなって行くのでしょうね。
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