056)通信事情の変遷

 交通網の整備が急であることを前々号で書きましたが、それ以上に急ピッチで進んでいるのが通信網の整備。
 十数年前、国際電話はおおごとでした。県城のホテルに部屋をとり、フロントで申し込んで、通じるのは2~3時間後、大声で呼ばれフロントへ走りました。でも通信状態がよくないと、受話器の声はスーッと消えていきます。また一からやり直し。日本からの電話を受けるのは、移動の多い私は不可能でした。
 変化をもたらしたのは携帯電話の普及です。最初のころカバーされたのは市内と県城だけ。私たちは農村の活動が多いので、実用になりませんでした。電波が途切れるとその探索にバッテリーを消耗し、肝心なときに使えません。
 ところがこの3~4年、あちこちの農村にアンテナが立ちました。中国移動と中国聯通の2つがシェアを競いあい、アンテナも2本セットが多いんです。私も携帯をもつようになりました。
 山に入って植生調査をしていると、呼び出し音が鳴ります。大阪の事務所からで「原稿の依頼です。○千字で締切りは2週間後。写真も必要」といった調子。原稿はEメールで送れますし、写真も添付できます。この連載の入稿もそうしてますけど。
 中国滞在中もものすごく忙しくなって、生命を削っているようです。それだけ成果があがるかというと、そうともかぎらない。不便な時代になったものです。
  (2004年10月15日号)
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