117話)南天門自然植物園の変遷(5)

今回にかぎらず、太行山の山中で驚くのは、わずかでも平地があって、水があれば、そこに人が住み、村ができていることです。どういう経緯でこんなところに村ができたのか、そのたびにふしぎに思います。

じつは植物園の建設を決めた場所にも、村があったのです。水があり、苗を育てられる平地があるのですから当然です。でも、私たちが訪れる10年近く前に全戸が離村したそうで、低い石垣のあととわずかな果樹が残っているだけでした。

村の名を流黄水(リュウファンシュイ)といい、6~7戸の農家からなる自然村だったそう。でも、水の湧き口はもちろん、それが貯まっている直径10mほどの池の水も透明に澄みきっています(写真)。どうして黄色なの?

旧住民の答えは、「もとの名は龍喝水(龍が水を飲む、ロンホーシュイ)だったんだ。村の貧乏さを笑って別の村の連中が流黄水と呼んでいるうちに、それが正式の名になってしまった」というものでした。名前というものは、たいてい別の人によってつけられるのです。
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