1334話)私のこどものころ 芋飴

 芋飴
しょっぱいものの次は甘味です。さすがに砂糖までは自分ちでつくっていませんでした。そのかわりが芋飴です。原料はサツマイモ。直径1m以上もある鉄の大鍋があって、それで芋を煮ます。

それに先立って麦を発芽させます。麦芽ですね。どんな種類の麦だったか記憶にないんですけど、とにかく麦です。その酵素をつかってサツマイモの澱粉を糖に換えるわけです。それを先ほどの鉄鍋でぐつぐつと煮詰めます。

どろっとした、茶色の飴になります。あれが飴色なんでしょうか。私はあの飴はあまりすきでなく、透明な飴にあこがれたんですけど、その芋飴は調味料として、さまざまな料理に利用されました。私の母親は農作業でとても忙しかったんですけど、料理にも力を注ぎ、いろんなものをつくっていました。

でも、たいていはばっかり食です。材料はすべて自分ちでつくったものか、隣近所からのお裾分け、一度に大量につくっておき、三度三度、あるいはその次の日もそれを食べることになります。

台所の楝のそばに1×2×1mほどのコンクリートづくりの沈澱槽があり、そこでサツマイモをすり潰したものから澱粉をつくっていたんですけど、それをどのように利用したか、記憶にありません。
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