066)「第2の青春」

私たちのカウンターパート・緑色地球網絡大同事務所の技術顧問に侯喜さんがいます。大同市林業局で40年以上働いたベテラン技術者で、定年退職後に協力プロジェクトに加わりました。
 現場に精通していて、まさに生き字引。あるとき調査のために木を伐っていて村の人に見咎められました。彼が前にでて「あんたはなんて名前だ? じゃあオヤジは○○で、オッカアは△△村から嫁にきただろ」。相手はそれで引き下がります。そういうことが1度や2度ではありません。
 とにかく仕事に熱心で、実験林場でも、いまの新苗圃建設でも、セメント生乾きの管理棟のスチール製2段ベッドで寝起きして、陣頭指揮をとります。8歳のかわいい曾孫までいる70歳のおじいちゃんなんですけどね。
 技術者としては、新しいプロジェクトを自分で設計し立ち上げることは、それ以上に熱中できることはないと思うんですよ。彼を主人公にした大同テレビの特集でも「すきだからやっているんだ」という言葉が何度もでてくる。ちょっと照れながら。その番組は「40年以上も大同の緑化に貢献した古参技術者が、日本との協力の前面に立って第2の青春を生きている」といったタッチ。
 日中戦争に際して、大同はものすごい被害を受けました。それなのに地元の人たちと私たちの関係がいいことに、訪れた人みなが驚きます。それにはこういう人の存在が大きいんですね。
  (2005年2月25日号)
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