1024話)大同の市場(5)

切り刻んだモツ(内蔵)を売っています。私は羊のモツ(雑)だろうと思ったのですが、べつのものかもしれません。

大同の名物料理が「羊雑」です。羊の内蔵を煮込んで、辛く味をつけたもので、ジャガイモでんぷんでつくった細めの麺といっしょに食べます。薬味として香菜(コリアンダー)やネギの刻んだものをつかいます。

最初に大同の農村を歩いたころ、私はこれが食べられませんでした。懐仁県ではいちばんの名物で、大きなどんぶりによそって食べています。その横で私が手を振って断ると、青年団の幹部が「気にするな、気にするな。地元の人間にも食べられない人はいる」といって慰めてくれたものです。

それがいまや好物になったんですね。ホテルの朝食のバイキングでほぼ毎回、食べています。人にもすすめます。初めての人もおいしいといいますので、味が変わってきたのでしょうか。

退任直前に大同にやってきた江沢民が、これをおかわりしたそうです。で、大同賓館は夜中にもかかわらず、生きたヒツジを手配し、つぎの予定地の太原までコックを派遣しました。
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