1303話)しり取りゲーム的展開(2)

張家口市蔚県では、玉壺湿地公園の下流で、もう一つ蔚県壺流河国家湿地公園の計画がすすんでいます。「国家」とつくくらいで、面積なんと1740ha、壺流河とその支流の流れにそって延長58.4kmもある広大な公園です。

壺流河は西隣りの山西省大同市広霊県に水源をもち、東進して蔚県にはいり、蔚県のほぼ中央から北に向かい、陽原県にはいってから桑干河に合流します。河川といえば日本人が思い浮かべるのは、両側に堤防をもち、一定の幅で、ほぼまっすぐに流れるイメージでしょうね。

ところが壺流河はそれとはまったく異なります。本流すらはっきりせず、途中で消えてなくなることもある、水たまりの連なり。その両側にかなり広い(場所によっては1km以上)草地があり、6~8月の雨期や春の雪解け期にはそこに水がたまって湿地になる。草地が乾いているときには羊その他の放牧がなされ、草丈は低く、もとはあったはずのヤナギやギョリュウといった木本もほとんどみられない。そして、河または河川敷と呼ぶべきところとそれ以外の場所との区別も判然としない。

その湿地のある場所では水田や畑があって農耕に使われています。やたら地形に凹凸があるのは川砂の採取が無秩序におこなわれた結果だそう。

この壺流河と洋河が桑干河に合流したあと名称が永定河と変わり、これは北京のたいせつな水源なんです。ですので、これらの湿地を公園化し、農耕や放牧を制限するのは、北京の水源を守る意味も大きいのです。
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