782話）こどもが大好き

　私がこどものころは、「貧乏人の子沢山」という言葉が、日本でも現実でした。大同の山間や丘陵の農村では、それがいまでもつづいています。貧乏な村ほど、こどもの数が多いんですね。

　というと、中国のことをちょっと知っている人は、「えっ、中国は1人っ子じゃないの？」といいます。農村でも計画生育が実施され、事実上は2人っ子政策なんですね。3人目からは罰金が課せられるし、さまざまな圧力があるようです。

　それでも、こどもの数がふえるのは、なんといっても、こどもが好きだからでしょうね。まさに子宝。

　ずっと以前のことですが、農家に上がり込んで、親父たちと乾杯しているときに、「こどもを産むことを、日本でも政府が管理するのか？」ときかれました。「いや、日本では政府はもっと生んでほしいんだけど、こどもは減る一方だ」と私が答えると、みんな、ほんとにふしぎそうにしていました。経済が発展し、お金だってあるはずなのに、なぜ生まないんだ、といって。

　こどもをほんとに大事にしますね。もちろん、例外はありますけど。にっくき日本人が残した子を育てるなんてことも、それがなかったら、ありえなかったでしょう。