443話)落ち葉

 ナラが育ってくるにつれて、枯れ葉や枯れ枝の量がふえてきます。それが分解されて土が肥えますから、樹木はいっそうよく育ちます。すると枯れ葉や枯れ枝の量もふえて……。ということで、あるところまでくると、良性の循環がはじまるんですね。

 それにしても、落ち葉の層が、日本でもなかなかみないくらい厚いんですよ。樹林はまだ若いのに。私は、低温と乾燥のために分解が遅いためにそうなのだろうと、かってに考えていました。そしたら、昨年の9月、小川眞顧問が、落ち葉の層を子細に観察しながら、「腐生菌の種類と数が急にふえてきていますね。これから先はずっとよくなりますよ」とのこと。

 そういうことですか。これまでは枯れ葉や枯れ枝を分解する微生物があまりいなかったんですね。そりゃそうでしょう。彼らにとって食物となる枯れ葉や枯れ枝がほとんどなかったんですから。奥は深いですねえ。
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コメント
 
 
 
 (mikan)
2010-02-22 21:41:21
先生は、かれ葉を見ただけで菌の状態がわかるのですね!見てわかるには、どんな手がかりがありますか?
寒いし怠けてたら、うちの堆肥箱が分解しなくなった…。底に少しはできてる感じなんですけど。あたたかくなったら、また働き手の菌がでてきてくれるかなぁ。
 
 
 
菌糸をみておられるようです (高見)
2010-02-23 13:42:17
小川眞先生はもともとキノコの専門家なのです。枯れ葉や枯れ枝を分解するキノコの菌糸の状態をみておられるようですね。それから実際に生えてきているキノコの種類や。
堆肥づくりをしておられるのですね。私もプラスチック製のコンポスト容器を2つおき、生ゴミをそれに投入しています。そして発酵促進剤を月に2~3回くらいのわりでかけています。
1年に1回、1つの容器をあけて、堆肥をとりだして菜園の空いているところに積んでおきます。このあいだの土曜日、それをやりました。最低でもまる1年たっていますから、大部分が黒い土に変わっています。臭いはすでにありません。
ただ、冬は分解が遅くなります。で、どんどんたまっていきますので、この時期にとりだして、1つを空にする必要があるのです。
 
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