615話)ヤナギハグミ(沙棘)

 南天門自然植物園の池のすぐうえ、ここのいわば心臓部に、ヤナギハグミ(沙棘・サージ)が生え、オレンジ色の実をつけています。この木はなかなかおもしろい木なんですね。根に放線菌が共生するおかげで、チッソを固定することができ、痩せ地でもちゃんと育ちます。

 乾燥のきつい黄土丘陵ではせいぜい1m前後の灌木ですが、水条件がよければ6~7mも育ち、小喬木です。適応性がつよいのです。

 そして、実は食べることができます。霜にあたれば甘くなるといいますが、ここのものはそれでも酸っぱかった。これを搾ったジュースが商品になっています。栄養価が豊富だそう。とんでもない値段(現地の価格からすると信じられないくらい高い)で、日本で売られたこともあります。白酒(バイヂュウ)でカクテルをつくると、なかなかいけます。

 小鳥ももちろん食べます。小鳥を呼び集めることができれば、この種をほかに蒔いてくれますし、ほかで食べた種をここに持ち込んでくれます。

 いいことばっかり書いたんですけど、ほんとはここには生えてほしくない。ここは湧き水から池までの途中で、湿地のようになっており、ウメバチソウなどが生えます。なんども切ったんですけど、そのたびに数をふやして再生します。
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