938話)南北の水資源のアンバランス

地球儀か世界地図があれば、グルッと回してもらいたいところです。とりあえず北半球でいきますけど、低緯度のところは一般的には降水量が多いのです。そして、高緯度のところは気温が低く、蒸発量が少ないこともあって、水に困ることは少ないようです。

水不足が問題になるのは、たいてい中緯度のところで、大阪、東京あたりと同緯度の北緯35度付近は世界的にどこも砂漠もしくは砂漠化地域なんですね。じゃあ、ヨーロッパで北緯35度のところはどこですか? そう尋ねても、正解があることは珍しいのです。これは引っかけ質問で、ヨーロッパには北緯35度のところはありません。アフリカになってしまうのです。でも、たいていの日本人の頭にある世界地図はちょっと傾いています。

横道にそれましたが、中国では長江水域以南に雨が多く、それより北には降水が少ないのです。細かいことは抜きにして、ザーッとこの図をみてください。1997年とデータが古いんですけど、中国の1人あたり水資源量は2220m3で世界153の国と地域のなかで121位でした。参考のために日本をみると4344m3です。この数字だけでも、中国が水資源に恵まれていないことはわかるんですけど、それ以上に深刻なのは地域間のアンバランスが大きいことです。長江水系以南に水資源量の80%以上が存在し、それより北には20%未満しか存在しないのです。
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