200話)植生調査

 ことしの9月、霊丘自然植物園で植生調査を実施しました。これには日本の名だたる研究者にたくさん参加していただきました。
 それに先立って、ことしの春から20m×20mの調査区をロープで囲い、そのなかの樹木1本1本について、樹高と胸高直径とを測定し、記録しています。日陰斜面(陰坡)と日向斜面(陽坡)とでは植生が根本的にちがいますから、それぞれに1つずつ調査区をつくりました。これから長期に毎年、継続していく計画です。
 9月の調査では、陰坡の代表的な樹木、リョウトウナラ(遼東櫟)と、陽坡の代表、トネリコ(小葉白蝋樹)の各種サイズのものを数本ずつ切り、年輪をはじめ基本的な測定を行いました。ところがその過程で、これまでリョウトウナラと思っていたもののなかに、モンゴリナラ(蒙櫟)が混じっていることがわかったのです。うれしい誤算。
 切ってきた樹木を、幹、枝、葉に分けて、それぞれの重量を測定しました。現場ではナマですので、その一部を標本として持ち帰り、乾燥させたのちに重量を測定して、それぞれの部位について全体の推定値をだしました。
 それによって、それぞれの樹木がどれくらいの炭素を固定しているか、基本となるデータがえられました。調査区における毎木調査と組み合わせると、あの区域内にどれだけの炭素が固定されているかわかりますし、今後の調査によって、1年にどれくらい増えていくかも推定できます。
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