135)生態移民村

 大同市最南部の霊丘県は太行山脈のなかです。奥深い山中にも人が住み村があります。ヤギ、ヒツジの放牧や柴刈りのために環境が破壊されます。小さな村でも道路や電気を維持する必要がありますが、そのためのコストもばかにならないでしょう。
 大同市政府は、関係者の同意を前提に、2百人未満の村を大きな豊かな村に吸収することを決めました。生態移民といいます。それができれば、人手をかけて植えなくても、森林が再生するのはたしかなことです。
 霊丘県の県城に受け入れのための移民村ができました。中央に大通りがあり、その両側が商店の造りですが、営業しているのはまだ数軒。周囲には同一規格のレンガ建て住宅が政府の資金でたくさん建てられました。小学校もでき、こどもたちの元気な声がきこえてきました。
 新しく移ってきた住民の話では5百戸はあるそう。建設中のものもありますので、もっと大きな村になるでしょう。その人たちがきたのは招柏村からで、私もいったことのある山間の村です。
 「しごとは?」ときくと「しごとなんてない。打工(出稼ぎ)にいくだけだ」という答えが返ってきます。以前に比べて家はりっぱになったでしょうが、畑はなく、生活環境はすっかり変わります。ヒツジやヤギを飼うこともできません。年配の人が多いので、しごとをさがすのも、新しい環境に慣れるのも、苦労するでしょうね。
 【写真】県城に建設中の移民村。山中の村から移ってくるが、しごとをみつけるのがたいへんなよう。
 (2007年5月5日号)
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