091)内因と外因

 中国の農村を旅すると、なれない人はよく下痢をします。ひどい時はメンバーの半分以上がそうなる。日本だと集団食中毒だといって大騒ぎでしょう。
 病院での点滴治療の即効性にはびっくり。お医者さんが解説してくれました。「原因は疲れです。暑いのに無理をして汗をかき、そのうえ冷たいところに座ったのがよくなかった」などと。納得にほど遠い私の顔をみて「ものごとには内因と外因があります。外因も重要ですが、より根本的なのは内因です。外因は内因を通じて作用するのですから」といった補足がありました。
 以前よく耳にした政治の言葉をお医者さんからきこうとは思わなかった。と私は思いましたけど、中国ではもともと医学の言葉なのかもしれませんね。
 日本の衛生観は徹底した外因主義で、1個の細菌の存在も許さないかのよう。抗菌グッズの氾濫がその象徴です。それにたいして漢方は内因を重んじて体質改善といったことを重視しますから。
 それにしても、日本人は急速に弱くなっているように思えます。10年前、私たちの協力ツアーは10日以上も現地に滞在しましたけど、体調を崩す人がこんなにはいなかった。いまは半分の日程でもダウンする。
 日本国内では無菌に近い状態を作り出せますし、外国でも首都のホテルまでは可能でしょう。でもその先は無理。もうちょっと鍛えたほうがいいんじゃないかな。
 (2005年11月25日号)
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