780話）ヤギ

　こちらはヤギです。山の羊と書くくらいで、どんな岩場でも登っていきます。さらに前足を木の枝にかけて、かなり上のほうの葉っぱもかじります。南天門自然植物園の李向東は、「100人が植えた木を、100頭のヤギがだいなしにする」といっていますが、ひょっとすると、それ以上かもしれません。

　このヤギは、毛の長い、小型のヤギです。毛を刈って毛糸の材料にし、また肉を食べるようです。「ヤギの肉はヒツジよりずっとおいしい」という人がいるかと思うと、「ヤギの肉はへんな臭いがして、おいしくない」という人もいます。私は中国では、ヤギの肉を食べた記憶がありません。

　この写真、霊丘県の空中草原にいく途中です。このあたりは、ルリタマアザミ、マツムシソウ、レイジンソウ、アスター、ヒナゲシ、ヤナギランなどなどの草花がほんとうにきれいなんですね。でも、ここがそのような草地になっているのは、放牧のおかげ、という側面もあるのです。完全に放牧がなくなったら、おそらくはシラカンバなどの林になります。それもちょっと寂しいこと。