103)上北泉村の橋

 霊丘県上北泉村のすぐ前を唐河が流れており、河向こうは国道108号線です。というと交通便利な村のようですが、数年前までは橋がありませんでした。はだしになり、ズボンをからげて、私も何度か歩いて渡ったものです。
 村は基本的には自力で、一部は寄付に頼って橋をかけました。交通が便利になることで2つの可能性があったと思います。若ものを中心にいっそう多くの人が村をでて、空洞化がすすむこと。もう1つは村が活性化して出稼ぎにでていた若ものも帰ってくること。
 いまのところ目につくのは後者の動きです。多くの村は出稼ぎで若ものの姿がないのに、この村は若いうち出稼ぎにでても結婚を機に村に帰る人が多い。村内の道路もコンクリートで鋪装され、最近は村の中心部にりっぱな舞台が建ちました。
 こうしたことが可能になったのは果樹栽培のおかげです。1980年代、村起こしを夢みた若ものグループが他に先駆けて果樹を植え、それが成長して村の裏手の荒れ山がりっぱな果樹園に変わりました。10年前から私たちもそれを支援しています。協力した果樹園は60ヘクタール、5万本になり、半分は収穫期を迎えています。果樹による年収は1人あたり5百元になるそう。
 村の人たちは私たちの協力をたいへん喜んでくれます。私たちも貴重な成功を経験できました。双方の積極面の結合は、あの橋の役割に似ています。
 (2006年4月25日号)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 102)山火事 104)風砂 »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。