はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

K-1 WORLD GP 2006 12/2

2006-12-03 00:16:44 | 格闘技
セーム・シュルト
身長212㌢
体重130㌔
巨体を生かした重い打ち下ろしの打撃と、長い手足を生かした間合いの攻防で、現在他を寄せ付けない圧倒的強さでもってK-1を席巻している。とくに空手ベースの前蹴りと、顔面まで届く膝蹴りは脅威で、正直今の立ち技シーンでその制空権を侵せる選手は見当たらない。




……だからどうした?




誰もがそう思っていた。
ジェロム・レ・バンナ
アーネスト・ホースト
ピーター・アーツ
K-1レジェンド総がかりの完璧な布陣。ことにリザーブファイトを勝ち上がってきたピーター・アーツの仕上がりは完全に近く、観客の誰もがドラマの始まりを予感していた。
みんな、信じていたのだ。
人より身長が高いとか。
人より手足が長いとか。
ただそれだけの、もって生まれた素質だけで勝ちあがれるほどK-1は甘くないと。才能だけですべてがうまくいくなんて、そんな理不尽なことなどこの世にはないんだって。努力すればできないことはないんだって。そう信じたかったのだ。
でも、かなわなかった。
ローが効いて試合を優勢に進めていたアーツの身体に異変が起きたのは2ラウンド目。シュルトのボディ攻撃が実り、アーツの勢いは完全に殺された。
その後は、無残なものだった。ダウンを奪われ、何発も何発も有効打を被弾し、アーツの敗勢は決定的と見られた。
俺自身は、対戦中1度もアーツが左ハイを打ってないことから、最後に隠し玉としてとっているのだと祈るように思っていた。それしかすがるものがなかった。今のアーツを築いたもの。これからも、きっと目の前に立ちはだかる敵をなぎ倒していくもの。伝家の宝刀。その出番はついに訪れなかった。ボディが効いてしまっていて、とても打てる状態ではなかった。
試合後の空白を、俺はぞっとした気分で迎えた。ひさしぶりに盛り上がったK-1の会場が、一斉に引いていた。才能、素質、そんな、どうしようもないものの存在が、空白を支配していた。

その他の試合
<K-1 WORLD GP 2006 準々決勝 3分3R延長1R> 
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
×ジェロム・レ・バンナ(フランス/レ・バンナエクストリームチーム) 
判定3-0

<K-1 WORLD GP 2006 準々決勝 3分3R延長1R> 
○アーネスト・ホースト(オランダ/チームミスターパーフェクト)
×ハリッド“ディ・ファウスト”(ドイツ/ゴールデングローリー) 
延長判定3-0

<K-1 WORLD GP 2006 準々決勝 3分3R延長1R> 
○グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真空手) 
×ルスラン・カラエフ(ロシア/マルプロジム)
1ラウンドKO

<K-1 WORLD GP 2006 準々決勝 3分3R延長1R> 
○レミー・ボンヤスキー(オランダ/チームボンヤスキー)
×ステファン“ブリッツ”レコ(ドイツ/ゴールデングローリージム)
判定3-0するも、ローブローが効いてしまい、準決勝欠場。

<K-1 WORLD GP 2006 準決勝 3分3R延長1R> 
×アーネスト・ホースト(オランダ/チームミスターパーフェクト)
○セーム・シュルト(オランダ/正道会館)
判定3-0

<K-1 WORLD GP 2006 準決勝 3分3R延長1R> 
×グラウベ・フェイトーザ(ブラジル/極真空手)
○ピーター・アーツオランダ/チーム アーツ)
2ラウンドKO

<スーパーファイト(リザーブファイト1)3分3R延長1R>
○ピーター・アーツオランダ/チーム アーツ)
×武 蔵(日本/正道会館)
1ラウンドKO

<スーパーファイト(リザーブファイト2) K-1ルール3分3R延長1R>
○レイ・セフォー(ニュージーランド/レイ・セフォーファイトアカデミー)
×メルヴィン・マヌーフ(オランダ/ショータイム)
1ラウンドKO

<スーパーファイト K-1ルール3分3R延長1R>
○バダ・ハリ(オランダ/ショータイム)
×ポール・スロウィンスキー(オーストラリア/ファインダーズ ユニ ムエタイジム)
 判定3-0

<オープニングファイト>
○堀 啓(日本/チーム・ドラゴン)
×キム・ギョンソック(韓国/Team Lazenca)
判定3-0

<オープニングファイト>
×野田 貢(日本/シルバーアックス)
○澤屋敷 純一(日本)
判定2-1

<オープニングファイト>
○佐藤 匠(日本/極真会館)
×高荻 勉(日本/チーム・ドラゴン)
2ラウンドKO

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