はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

最大公約数

2006-12-04 18:53:18 | 音楽
 A君と喧嘩した。
 何せ骨の髄まで文系の僕たちのことだから、爆発するような激しいものではない。
 静かな概念の対峙。そういうものだ。
 A君はこの世の善意を信じていて、僕は信じていない。
 A君は死後の世界を信じていて、僕は信じていない。
 A君は生まれもって在る宿命を信じていて、僕は信じていない。
 いつもは尊重しあえる互いの信念を、僕の舌鋒が突き崩した。もともとディスカッションが好きだということもあるのだが、その日はひたすらに機嫌が悪かったから、とことんまでいってしまった。
 A君は怒った。
 何せ骨の髄まで文系の僕たちのことだから、爆発するような激しいものではない。
 拗ねてしまったAと、僕は長い長い会話をした。逃げたくなかった。逃げてほしくなかった。対話の中で生まれるもの。その中には信頼だって当然ある。

「RADWIMPS3」RADWIMPS

 二人の関係を修復してくれたのは、たった1曲の歌だった。今風の若者が作った、青くさい愛の歌。

 何を与えるでもなく 無理に寄り添うわけでもなく
 つまりは探しにいこう 二人の最大公約数を

 その考え方は、見事に僕のそれと合致する。A君はA君、僕は僕。無理にひとつになる必要はない。互いのことを好ましく思っているのなら、二人の最大公約数を探せばよい。時間をかけて、ゆっくりと年老いながら。そうありたい。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿