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はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

2008/3/15 DREAM1

2008-03-16 22:07:38 | 格闘技
2008/3/15 DREAM ライト級GP1回戦

 ヨアキム・ハンセンVS朴光哲
 ミノワマンVSイ・グァンボム
 川尻達也VSブラック・マンバ
 桜井・マッハ・速人VS門馬秀貴
 エディ・アルバレスVSアンドレ・ジダ
 石田光洋VSチョン・ブギョン
 宮田和幸VSルイス・ブスカペ
 永田克彦VSアルトゥール・ウマハノフ
 青木真也VSJ.Z.カルヴァン
 ミルコ・クロコップVS水野達也
 ライト級8戦プラスワンマッチ2戦の計10戦。いずれ劣らぬ強豪を出し惜しみなく取り揃えた新格闘技イベントDREAM旗揚げ戦。
 10分5分の2R制。延長なしのマストシステム。序盤を見逃した為詳細なルールは不明。頭部への肘は禁止らしいことは試合中にわかった。
 解説はおなじみの高阪に加えて須藤元気とKID。元気はともかくKIDは不要だった。高阪はさすが。

○ヨアキム・ハンセンVS朴光哲× 判定3-0
 強面の外見とは裏腹の冷静な試合運びに定評のある北欧の処刑人対KIDの弟子。
1R 左へ回り込みながら左フックをひっかけ時折ワンツーを放っていく朴。けっこうパンチが重いな、と思ってる側からハンセンの激重な一撃。大振りの左右でダウンをとられる。グラウンドへ移行。
 寝技もできるハンセンのプレッシャーに耐えながら腕をとりにいく朴。狙い通りスタンドへ復帰したものの、裏投げをくらう。
 ハンセン朴の後ろをとり、そのまま前転するようにグラウンドへ。背後から胴締め。チョーク狙いから腕ひしぎへとスムーズな変化。
 なんとかスタンドに逃れた朴。鋭いパンチを上下に散らすが、ハンセンの左ストレート一発で崩される。打ち合いの末、コーナーに押し込まれ投げをくらってグラウンドへ。サイドから攻められたがマウントまではとられなかった。
 立ち上がり際を狙ってパンチを放つハンセン。不発も、勢いのまま組みつき裏投げ。上手い。後ろをとり胴締め、パンチ打ちながら首狙い。崩れてガードポジションへ移行するも、構わずパウンド落としていく。
 スタンド。ハンセン攻め疲れが見える。残り1分。打撃を避け組みつきテイクダウンして時間稼ぎ。
2R 激しい打撃の応酬。ボディを効かせて優勢に運ぶ朴。
 ハンセン首相撲から朴の足を刈りテイクダウン。長いグラウンド。
 残り1分ハンセン左ストレート直撃させてダウン奪う。追い込みは成就せず。そのまま終了。
  
○ミノワマンVSイ・グァンボム× 1R一本(膝十字固め)
 超人対元韓国プロ野球選手。
1R 前転して間合いを詰めてくるミノワマンに困惑する総合デビュー戦のイ。パンチから組みつかれ、グラウンドへ。サイドから移行した膝十字を防げなかった。相手が悪い。

○川尻達也VSブラック・マンバ× 判定3-0
1R 曲者ブラック・マンバ。ライト級にして183センチという身長は反則だろう。打撃は上手いし、飛び込んだところで迎え撃つ膝も怖い。
 川尻スタンドを嫌い片足タックル。マンバ粘るもしつこく食い下がりテイクダウン。ガードポジションからハーフガード、サイドポジションと徐々に移行してようやく攻めの体勢整うも、やたらリーチのあるマンバの膝が側頭部に直撃。逆にピンチに。耐えて後ろをとり、胴締めチョーク狙うも崩れて上に乗られる。ラバーガードでしのぎ、スタンドへ。
 石田が乗り移りでもしたかのような川尻。執念のタックルを成就させテイクダウン。ガードポジションからなんとかサイドまでもっていくものの、スタンドへ……しかし逃さずバックとる。チョーク入りかけるがダメ。肩固めへ移行もダメ。これが一番のチャンスだった。
2R 似たような展開。マンバの腰の強さにスタミナを奪われ大きく口を開けるシーンが目立つ川尻に、解説陣口を揃えてスタンドに切り替えたほうがいいのではとコメント。実際打撃から崩したほうがグラウンドへ入りやすいと思うのだが、今日の川尻は意固地になってタックルを繰り返していた。グラウンドになっても体勢をよくすることしか考えていないかのようにパウンドを落とさないし、得意の膝も出ていなかった。判定勝利も不安を残す結果となった。

 以下3試合はハイライトのみ。
○石田光洋VSチョン・ブギョン× 判定3-0
○ルイス・ブスカペVS宮田和幸× 1R一本(チョークスリーパー)
○永田克彦VSアルトゥール・ウマハノフ 判定3-0 

○エディ・アルバレスVSアンドレ・ジダ× 1RTKO
 ストライカー対決。ジダの名前の由来がadidasのスニーカーからきていたとは知らなかった(貧しい時代にもらった母からのプレゼントをaとsの文字が擦り切れるまで使っていたらしい)。
1R 早く激しい殴り合い。ジダの右フックでダウンしたエディだが、立ち直りは早く、気がつけばグラウンドで上になっていた。関節など知らぬかのようにハーフガードからパウンドを落としまくる。
 スタンドへ移行し再び激しい打ち合い。雑なパンチと当て勘を頼りに戦うジダを、エディの的確なパンチが制した。いや、どっちも大振りのフックが主武器なんだけど、エディのほうがコントロールがきいていた。
 崩れたジダの上に乗る形でグラウンドへ。ガードポジションから委細かまわぬパウンドの嵐。膝も交え、勢いでマウントまでとる。その後も一方的に、ジダが動かなくなるまで休まず殴り続けた。

○桜井・マッハ・速人VS門馬秀貴× 1RTKO
 和術慧舟會対マッハ道場をアピールする門馬。和術慧舟會ってそもそも強い人いないじゃんという気がするが。とりあえず表情はふてぶてしい。
1R ゆっくりとした立ち上がり。桜井のローが良い。門馬の出足を表裏丹念に蹴っていく。
 スタンドを嫌った門馬。打撃の応酬から引き込むようにグラウンドへ。マッハの首を狙って足を絡めていくが、これは不発。
 スタンド。門馬はジャブで距離をとりたいところだが、百も承知のマッハにカウンターのローを合わせられる。左ボディを打ちにいったところでカウンター気味に左フックをもらいダウン。追撃のパウンドのさ中レフェリーが止めに入った。 

青木真也VSJ.Z.カルヴァン ノーコンテスト
 スラムで育った家族愛の男、強豪カルヴァンに対するは早稲田から警察という誰もがうらやむ磐石路線を蹴ってサブミッションワールドに踏みこんだバカサバイバー青木。打極の頂上対決に、嫌でも会場内のボルテージは上がる。
1R 立ち上がり、中間距離で互いの出方を探る両者。一挙一動に息が詰まる。
 意外とガンガンいかないカルヴァン。よほど青木のサブミッションを警戒しているらしい。
 なんとかきっかけを見つけてグラウンドに引き込もうとするも、全力で逃げられて困る青木。猪木アリ状態が目立つ。
 コーナーで組み付いた青木の首にカルヴァンが肘を落とし、これがきっかけで青木戦闘不能。残念ながら無効試合となった。

○ミルコ・クロコップVS水野達也× 1RTKO
 秒殺。公開処刑。それ以外に言い様なし。

2008/3/5 戦極

2008-03-11 23:11:02 | 格闘技
2008/3/5 戦極
 プライド亡き後の日本の総合格闘技コンテンツを支える資格があるかどうかの試金石となる戦極旗揚げ戦。開催は国立代々木体育館。15000人入場の満員御礼と、興業的にはひとまず成功となったが、間が空く構成やPRIDEに影響受けすぎの煽りに不満の残る内容となった。
 5分3R。目潰し金的への打撃の禁止。頭部顔面への肘打ち禁止。グラウンド状態の相手への膝蹴り踏み付けは有効。3点ポジションの相手の頭部顔面への脛または足の甲を使った打撃の禁止。など、ルールは当世風の禁止条項を含んだ5か条。
 解説は高阪、菊田、途中参加の郷野の3人。煽りVの声はシャア・アズナブル。

○ニック・トンプソンVSファブリシオ・ピットブル・モンテイロ× 判定3-0
 彼女に葉っぱをかけられ一念発起した、格闘技経験5年のBodogFightチャンプ・ニック対幼少の頃より柔術を学び、昨年他界したハイアン・グレイシーを師と仰ぐ、柔術世界選手権ムンジアルを2度制覇したファブリシオ。動機はともかく戦歴には遜色のない対照的な2人の対決は、対柔術のディフェンスを知るストライカーが着実に打撃でポイントを稼いで判定勝利という、まことに当世風な結末となった。
1R 180超というウェルター級にあるまじき身長とリーチの長さを生かしたいニック。遠距離からのリードジャブで間合いを制し、ワンツーやボディストレートでダメージを与えていく。
 スタンドには付き合いたくないファブリシオは3度テイクダウンをとるも、きっちりとディフェンスのできるニックを攻めあぐねる。1R終了間際マウントとるも惜しくも時間切れ。
 高阪いわく、クロスガードの足をとるふりをしてパウンド落とすのは流行りらしい。
2R スタミナ切れか、ニック動きに精彩欠く。
 チャンスと見たファブリシオは打撃を掻い潜ってカウンター気味にタックルを決めテイクダウン。ほぼ2R一杯に使って攻めまくるも、対柔術のディフェンスを知り尽くしたニックの長い手足に阻まれ今一歩攻めきれない。それどころかたびたび上になられ、パウンドを落とされる。
3R グラウンドでの一本負けはないと踏んだニックがスタンドで押す展開。グラウンドになっても上からパウンドを落とし、ポイントを稼いでいく。
 結果は3-0でニックの圧勝。見た目ではそれほど差はないものの、何度やっても多分ニックが勝つだろう。

○川村亮VSアントニオ・ブラガ・ネト× 判定3-0
 長谷川健太(サッカー)似のパンクラシスト対これまたハイアングレイシーを師と仰ぐムンジアル王者。ここまで来ると大安売りだな。ムンジアル王者。
1R 早々にテイクダウンをとるブラガ。マウントやバックマウントからネチネチと攻める。
 川村なんとか逃げ切り、スタンドで鋭いパンチを打つ。
2R 打撃攻防からカウンターをもらってぐらつく川村。テイクダウンをとられあげくバックマウントとられるもなんとか逃げる。
 ブラガの慎重な攻めに慣れてきた川村。終了間際逆にサイドをとりパウンド。
3R 川村上になられている時間多いがスタミナ切れずよく動く。スタンドはもちろん優勢。グラウンドになってもサイドから頭に膝を打ち込んだり、上になってパウンド落とす。
 結果は3-0。

○エヴァンゲリスタ・サイボーグVS瀧本誠× 1R一本勝ち(アキレス腱固め)
 一応断っておくが誤植ではない。シュートボクセアカデミー対吉田道場の有望株対決は、意外な形でシュートボクセに軍配が上がった。
1R サイボーグ鋭く回転の速い打撃。かわしつつ隙を窺う瀧本にローを効かせてダウン気味にグラウンドへ。
 サイボーグ立ち上がり、猪木アリ状態の瀧本の足をとると、何を思ったかプロレスのようにヒールホールドへ移行。これが意外にがっちり極まりそうになり、さらに変化させてアキレス腱を狙い、成功。解説陣と会場がどよめく中、エヴァンゲリスタ・サイボーグ、まさかの一本勝ちとなった。

○藤田和之VSピーター・グラハム× 1R一本勝ち(肩固め)
 ジェフ・モンソンに敗れ傷心のままアメリカに渡っていた藤田対、記者会見場でバダ・ハリに決めた鮮やかなタックルが印象深いグラハムの出来試合。いや、結果わかりきってるだろこれ。

○三崎和雄VSシアー・バハドゥルザダ× 2R一本勝ち(フロントチョーク)
 秋山戦からわずか2ヶ月のPRIDE王者・三崎対アフガニスタンの戦場帰り・修斗王者・シアー。
1R いきなりいい右ストレートとラッシュもらう三崎。両腕さして逃げるようにテイクダウン。
 三崎アームバー外される。返されガードポジション。下から三角、オモプラッタなど狙う。
2R スタンドは不利。というかそもそも打撃が見えていない模様。テイクダウンからフロントチョークで勝利するも、味気ないし全体的に動きに精彩欠いていた。試合間隔短すぎか? 勝っただけ、という郷野の冷静なコメントが印象深い。
 試合後のマイクアピールはいつもよりマシ。しかし大晦日の秋山戦に対する捉えかたには納得。無効試合? 僕らはしっかり覚えている。

○五味隆典VSドゥエイン・ラドウィック× 1RTKO
 今日初のストライカー対決。復活の五味対UFCでジェンス・パルヴァーやチャールズ・クレイジーホース・ベネットや須藤元気を倒した実力者ラドウィック。
1R いわく「総合の打撃の完成形」ラドウィックはさすがに本格的なパンチを打つ。蹴りも早く、軸が全然ぶれない。
 五味久しぶりの実戦かつラドウィックの打撃に大いに戸惑う。しかしガードの間をすり抜ける右ストレートで崩し、返しの左フックで鼻をカットし、大出血を誘ってあっさりTKO。
 試合後涙を浮かべながらのマイクアピールは好印象。

○ジョシュ・バーネットVS吉田秀彦× 3R一本勝ち(ヒールホールド)
 どちらもひさしぶりの登場。柔道対キャッチレスリング、珠玉のグラウンド対決。
 ちなみに吉田は柔道着着用。
1R 打撃攻防から吉田が投げにきたところを返してまさかのバックドロップを決めるジョシュに会場が沸く。
 一連のグラウンドの攻防の後、再度の吉田の投げもジョシュ踏ん張る。しかし吉田はめげず、ジョシュの腕をとり回転するようにグラウンドへ。
 高阪の指摘通り、ジョシュは同時に吉田の足首を狙っていた。膝で押さえこみ逆に曲げるキャッチレスリングの技だとか。
 二転三転するグラウンドの攻防に会場のボルテージが上がる。ジョシュも笑顔。ものすごい楽しそう。
2R 吉田の雑な打撃をうっかりもらうジョシュ。グラウンドに逃げながら吉田の柔道着の裾をとりアキレス腱固めからヒールホールドを狙う。が、これは外れる。
 亀になった吉田をジャーマンで引き抜こうとしたり、脇に膝を打ち込んだり、マウントからパウンド落としたり腕ひしぎ狙ったりとやりたい放題のジョシュ。吉田劣勢。
3R 完全にスタミナ切れの吉田。大きく口を開ける。勝ち目がないことを悟ってか、防戦一方。グラウンドでも亀になるのが目立つ。
 伝家の宝刀ヒールホールドが決まり手。1、2Rの攻防が面白すぎただけにあっさりとした終わりには拍子抜けした感がある。しかしジョシュ対ノゲイラ戦以来ひさしぶりの面白いグラップラー対決だった。堪能した。この一戦に八百長疑惑が浮上しているらしいが、無粋な話だ。男と男の戦いに口を挟むな。

K-1DYNAMITE+PRIDEやれんのか

2008-01-04 00:39:13 | 格闘技
 K-1DYNAMITE+PRIDEやれんのか

 2大格闘特番大晦日夢の合体……というわりには地味なカードの目立った大会。テレビ放映分雑感。

 K-1甲子園(U-18)
○HIROYA(15歳)VS才賀紀左衛門(18歳)X 判定3-0
 単身タイへ留学し、本場のムエタイを勉強中のHIROYAに対するは、若き空手家才賀。年齢に似合わぬ技術でHIROYAの圧勝かと思われたが、才賀大善戦で判定までもつれこんだ。
 オープニングいきなり後ろ回し蹴りから入る才賀。飛び蹴りや胴回し回転蹴りなどアクロバティックな大技の連発に会場が沸く。足技が得意というフレコミ通り、才賀はその後も蹴りを多用する。かかと落とし、飛び膝、ブラジリアンキック……かかとが垂直に降ってくる胴回しひとつとってもわかるように、身体能力はおそろしく高い。ただしパンチがないのでそこが付け目。
 最初間合いを測れず戸惑っていたHIROYAだが、前蹴りでむりやりペースを掴むと、パンチとロー、ミドルでシンプルに崩していく。安定した重心から繰り出される鋭い打撃がじわりじわりと才賀を追い詰めていく。不意に飛んでくるハイなどへの対処も完璧。堂々の判定勝利。

○雄大(16歳)VS久保賢司(18歳)× 判定3-0
 16歳にしてジムへ住み込みバイト生活。というハングリーな雄大と、幸せいっぱいの高校生活を送る久保。プロの実戦経験から久保有利かと思われたこのカードも、意外な展開となった。
 雄大の攻めがとても特徴的。ワンツースリーと連続する鋭いパンチに加え、二種類の前蹴りを多用する。ひとつは出足での中段前蹴り。もうひとつが同じく出足で相手の顎を狙う上段前蹴りだ。ただでさえ防ぎにくい前蹴りを、出足でかつ顎を狙われるのはかなり厳しい。二択というのもいやらしく、この試合の流れを決定付けたのもそれであった。
 久保も上下に打ち分け抵抗を試みるが、抱きつきがちになりうまくいかない。ローと左フックには見るべきものがあったが、雄大を止めることはできなかった。

○雄大VSHIROYA× 延長の末判定2-1
 15歳と16歳の決勝は、離れてローを打ち合う地味……もとい静かな出だし。互いに相手の出方を探るように試合を進める。
 積極的に間合いを詰めてパンチを狙うHIROYAに対し、二種類の前蹴りで応戦する雄大。テクニシャン同士の対決は、有効打をとり雄大に軍配。しかしこの男、この歳からこんなに地味でいいのだろうか。武田幸三に憧れているとはいうが……将来が楽しみなような不安なような、微妙な気持ちにさせられた。

○田村潔司VS所英男× 1本アームバー
 U的対決。試合開始前に田村の頬を張った所、闘争心むき出しなのはいいが、肩に力が入りすぎているようだ。
 立ち技では田村。体重差もあるが、一撃一撃が鋭く重い。レガースを装着した足から繰り出される左のミドルには、ガードごと所の腕を叩き折りそうなほどの威力がある。はっきりいって打撃ではお話にならない。
 ではグラウンドではどうかというと、これも田村の圧勝。様々な方法でテイクダウンを試みる所をがぶり、上から潰すように有利に試合を運ぶ。最後はサイドポジションからのアームバーで一本。完全なワンサイドゲーム。

○武蔵VSベルナール・アッカ× 3RKO
 のっけからアッカ全開。激しいパンチのラッシュで武蔵をコーナーに追い込む。
 でもすぐに打ちつかれるアッカ。足をあげるのもおっくうなようで、テコンドー仕込みの足技も精彩を欠く。
 そうなるを想定して、相手に打たせた武蔵。うっかりいいのをもらっちゃうあたりがだめな武蔵。そのいやらしい発想が僕は好きだ。
 アッカ疲れているところを攻める武蔵。まずはローと石橋を叩くような試合運びがつまらない武蔵。地味に3Rまでもつれこんでしまった。
 がんばるアッカに武蔵猛攻。ワンツー、ミドル、ハイと完全にKO狙い。でも力みすぎかなーと思っていたら、左右のフックがいきなり直撃し、アッカ前のめりに轟沈。

○魔裟斗VSチェ・ヨンス× 2RTKO
 元WBA王者7度防衛の韓国の英雄。
 パンチがいい。いや当たり前なんだけど、異様にのびるパンチに加えフットワークと若干の足技を合わせて、キックルールへの対応を見せてくれたのが興味深い。
 ダッキングの癖が抜けないチェ。頭が下がって危ないなーと思っていたらいきなり左ハイをもらってダウン。すぐさま立ち上がるも、足にきてフットワークが死んでしまった。
 もちろんそんな隙を見逃す魔裟斗ではない。ローとミドルでチェの動きを止め、パンチで果敢に切り込む。至近距離からさらに上下左右に打ち分け、有効打の嵐。あまりの実力差に戦意喪失したチェ。タオル投入で決着。魔裟斗強し。

○山本KID徳郁VSハニ・ヤヒーラ× 2RKO
 KIDの苦手な柔術使い。しかもアブダビ王者でこの階級屈指の使い手ヤヒーラ。減量失敗するも、恐ろしい強敵だ。
1R テイクダウンしないとお話にならないヤヒーラは、積極果敢に攻め込むも、逆にカウンターでパンチを合わせられぐらつくシーンが目立つ。無事組みつけてもKIDのアマレス仕込みの腰の強さからなかなかテイクダウンできないし、ひきこもうとするもつきあってくれない。
2R 1Rで滅茶苦茶に振り回したパンチが何発か当たったので打撃偏向にシフトチェンジしたヤヒーラ。さすがに打ち合いでは負けるも、アッパーはなかなかよいものがある。
 対するKIDは、インローから崩してパンチを狙う。最後は右左とフックを当ててKO。

○ボブ・サップVSボビー・オロゴン× 1RKO
 コメントの要なし。

○ズールVSミノワマン× 判定
 コメントの要なし。

○ニコラス・ペタスVSキム・ヨンヒョン× 2RKO
 身長217cmのシルム王者。打ち下ろすパンチと膝でペタスを追い込み、このまま圧勝かと思われたのだが、打撃には慣れていない模様。ペタスのローでいきなり動きが止まった。
 巨人の苦悶の表情に気づいたペタス。左の出足に集中砲火。裏表丹念に蹴りこむ空手家らしい攻め。このまま地味に下段で勝利かと思われた矢先、ペタス相手の下がった顔面へパンチ。気持ちよくKOで決めてくれた。

○メルヴィン・マヌーフVS西島洋介× 1RKO
 マヌーフ左右のフック。コーナーに追い込み、テイクダウンし、死ぬまでパウンド。それだけ。

○エメリヤーエンコ・ヒョードルVSチェ・ホンマン× 1R腕ひしぎ逆十字固め
 ひさしぶりの皇帝ヒョードル。打撃で真っ向から打ち砕いてほしかったのだがさすがにそれは無理か。組み付いてのテイクダウン狙い。
 2度テイクダウンし2度とも上になられ、2度とも下から腕ひしぎ逆十字を狙い、2度目で成功。

○三崎和雄VS秋山成勲× 1RKO
 デニス・カーンをKOし、勢いに乗る秋山。どうしても秋山を認めたくない三崎。会場のボルテージも変な意味でマックスになっている。
 テイクダウンを一切狙わない、男らしい打撃戦。互いにローを打ち合いながら、時折一撃必倒のパンチを交差させる。熱い。
 6分過ぎ。ワンツーがヒットし、三崎ダウン。秋山上になりラッシュかけるも、三崎しのいで立ち上がる。
 8分過ぎ。左フックがヒットし、秋山ダウン。立ち上がりかけたところへ顔面に蹴り。これがもろにヒットし試合終了。
 ……が、決まり手が4点ポジションへの顔面蹴りだったかどうかで現在揉めている。昨年の大晦日のあれとは異なる事情なので問題ないとは思うが。 

○立川隆史VS井上由久× 1RKO
 立川練習の成果。ジャブも様になってるし、ローも威力ある。
 決まり手はロー。1R3回のダウン奪った。

○桜庭和志VS船木誠勝× 1R1本チキンウイングアームロック
 引退から7年経ってもいまだにリングの上を彷徨い続ける亡霊・船木。打撃にいったところをテイクダウンされ、あっさり極められる。もういいだろ、船木。

○ヨアキム・ハンセンVS宮田和幸× 2R1本胴締めチョークスリーパー
 宮田打撃成長してる。1R終わり際にいいのもらってダウンするも、あのハンセンと互角に打ち合っている。
 しかし肝心のグラウンドがうまくない。テイクダウンはとれるもののあとが続かない。下からでも攻守きくハンセンがうまいのだという説もあるが、なんの工夫もなくパスガードしようとするのが問題。
 んで、結局グラウンドのもつれ合いからハンセンの胴締めチョークスリーパーで試合終了。要修行。

 テレビ放映はなかったが、茨城チームは勝ったらしい。ギルバート・メレンデスに勝った石田の試合が見たかった。

2007/12/8 K-1 GP

2007-12-21 17:02:29 | 格闘技
「2007/12/8 K-1 GP」

 先頃行われたK-1のテレビ放映分をいまさらになって視聴。最初のGP王者「鉄の拳」フランコ・シカティックから実に15年もの月日が流れていることに感慨を覚えた。ナチュラル・パワー隆盛のご時世に、せめて年末くらいは血沸くような試合を見せてくれよと願いつつ、でもすでに結果はわかっているのであまり気は乗らない。

○ジェロム・レ・バンナVSチェ・ホンマン× 判定3-0
 左腕に入っていた大量のボルトが抜け、ようやく本調子の出つつあるバンナ。今年3月の澤屋敷戦の敗戦の記憶など吹き飛ばすが如く、「俺様最強」、「俺様ロックンロール」な煽りV。最強はともかく、ロックンロールを標榜しすぎてくどい感もあるが、パワフルなバンナの復活に会場の期待は高まる。鍛え上げられた肉体に羨望。
1R 左のボディからバンナが先制。ホンマンの出足へローを飛ばし、痛いミドル。飛び込みざまのボディフックでペースを掴む。足技が出てるのはバンナ冷静な証。
 ホンマンの抵抗は弱く、動きが遅い。
2R ホンマン逆襲。パンチで前へ出る。
 バンナは右へ回って圧力に真正面から挑まないようにしつつ、時折パンチにカウンターで左のミドルを合わせる。が、後半ガス欠で精彩欠く。左いいのもらってぐらつくシーンも。
3R 互いに打ち合う。有効打でバンナ。
 判定3-0で勝者バンナ。もうホンマン相手は楽勝か。致命打をもらわずに相手に確実なダメージを与えることができる。

○セーム・シュルトVSグラウベ・フェイトーザ× 判定3-0
1R グラウベが左へ回りたそうな動きを見せるも、シュルトそうはさせない。長い左で突っつき、プレッシャーかけつつ右のローでグラウベの行く手を遮る。クレバーな対応。
 グラウベはワンツー+ロー。プラスαで多彩な蹴り技を披露する。しかしシュルト得意のパンチから膝のコンビネーションがどうにもならない。一方的におされながらも必死のガードで有効打だけは避けている。
2R 半ば、グラウベ必殺左のブラジリアン・キックがシュルトの顔面を直撃。出足での、ミドルからハイへの急激な変化にシュルトの目が追いつかない。完全な死角からの一撃。巨人がぐらつくのに会場のボルテージがいきなりヒートアップする。
 しかし、なんだかんだいってもそこはGP2連覇の王者シュルト。パワープレイで押し返し、逆に前蹴りとミドルでグラウベのボディにダメージを与える。膝での猛攻が止まらず、一気にペースはシュルトサイドに。
3R ガードが固いグラウベになかなかとどめさせないシュルトは少々ガス欠気味。だが両者の力の差を埋めるには至らず、そのまま何事もなく試合は終了。

○レミー・ボンヤスキーVSバダ・ハリ× 判定2-0
 GP2度の覇者対悪童。因縁の(?)一戦。
1R 両者ローの打ち合いから開始。共に動き早く、面白い試合になりそう。
 先にペース掴んだのはバダ・ハリ。早いワンツーから左のボディフックor右ローの二択に膝やミドルを練りこんだいやらしい攻め。 
 レミーは独特のフック気味のワンツーからローを返すが、バダ・ハリのローでダメージを受けたのか動きが鈍い。
2R レミー、ガード固めてローで攻める。魔裟斗いわく、レミーのローはオランダ特有の脛の硬い部分をぶつけるローなんだとかで、なるほど面白いようにバダ・ハリの動きが止まる。
3R 足止まったバダ・ハリにレミーが襲い掛かる。フック気味のパンチ連打からロー、という得意のスタイル。
 バダ・ハリ果敢に打ち返すも、攻撃に腰が入ってない。あれでは何発打ってもきかないだろう。
 引き分けを含めた判定2-0。レミーの試合巧者ぶりが光った一戦。

○ピーター・アーツVS澤屋敷純一× 1R29秒KO
「あの頃」の強さが戻りつつあるアーツに対するは、バンナを破った日本の新星・澤屋敷。パワー、テクニック、経験に身体能力とどれをとっても勝る相手にどう戦うのか、会場中の期待が集まる。
1R アーツの強烈な右ローでぐらつく澤屋敷。一気にペースを握られ、アーツのラッシュを浴びる。20秒弱でアーツの右ハイ……を防ぐも、ガードの上から薙ぎ倒されダウン。
 攻めどころを知っているアーツ。ローをまったくカットできない澤屋敷を滅茶苦茶に攻め立て、1分29秒に右ストレートを直撃させKO。
 相手にならない。試合後は泣いていたが、若い澤屋敷これを発奮材料に這い上がれるか。

○セーム・シュルトVSジェロム・レ・バンナ× 2Rセコンドがタオル投入
1R ホンマン戦で見せたように、右へ右へと回るバンナ。プレッシャーかけつつ、シュルトの前蹴りに右のジャブをひっかけ、左フックでカウンター気味に飛び込む。
 考えられた戦法がうまくいき、バンナ優勢。だがそこで調子に乗りすぎてしまうのがバンナ。回らずにまっすぐ詰め寄る場面が増え、危険だなと思っていたら、案の定、終わり際にシュルトの右膝の直撃を受ける。
2R 足引きずり精彩欠くバンナ。まったく何も出来ずに攻められ、右ローで出足を払わダウン。すかさずセコンドがタオル投入。
 敗れはしたものの、バンナが巨人退治の道筋を作った。あとに続く者はいるか?

○ピーター・アーツVSレミー・ボンヤスキー× 判定3-0
 スパーリングパートナーを務めたこともある両者。これが初対決。
1R 一回戦目を瞬殺で切り抜け、まったく疲れていないアーツ。左右フックにローのコンビネーションが有効。打撃が重く素早く積極的。
 レミー応戦するもアーツの一撃一撃が重く前に出れない。しかたなくガード固めるも、そうしたらそうしたでアーツは上下に打撃を散らして確実にヒットさせる。うまい。 
2R アーツさらに前へ。有効なボディフック中心の攻めの組み立て。
 スタミナを奪われジリ貧のレミー。しかし後半突如豹変したように怒涛のパンチラッシュで攻守逆転。アーツに何発も有効打を当てる。
3R 地力はアーツが上。じわりじわりとレミーを押しきり、判定ながらも磐石の勝利。
 
○武蔵VSデビッド・ダンクレイド× 1R終盤KO
 謎の男ダンクレイドと武蔵のスーパーファイト。
1R ダンクレイド足技はそれなりに早いが、手が出ない。故に単発。武蔵はガードを下げる余裕すら見せ、ラウンド終了際に左ミドル一閃。ひさしぶりのKO勝利だが、あまりのかませ犬ぶりに会場の反応は薄い。 

○セーム・シュルトVSピーター・アーツ× 1R1:40KO
 今一番シュルトに近い男アーツ。かつて判定ながらもシュルトに勝利した実績があり、また距離が合うというナチュラルな利点も含めて期待がかかる。願わくば面白いK-1を。
1R シュルトのストレート気味の左ジャブをもらったアーツ。そこで変に踏ん張ってしまったのが原因か、右膝を痛めて倒れこむ。
 あっさりと勝利。祝福もブーイングもない3連覇のGP王者。今のK-1を象徴するようなつまらない一戦。

プロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助VS亀田大毅

2007-10-12 17:05:42 | 格闘技
 ガードを固めて前に出た。牽制のジャブも幻惑するフェイントも気にせず、プレッシャーをかけ続けてフックを振るう。手数の少なさは一撃の重さでカバーする。判定にもつれこむことなど想定しない、いつも通りの強気の戦法。
 だが、大毅は盛んに首を捻った。今日の相手はいつもと勝手が違う。ロープ際に追い詰めてもするりとかわされ、何より相手の打ち終わりに合わせた得意の左フックが空を切る。
 スピードが速いとかフットワークが軽いとかそういう次元の問題ではない。いるはずのところにいないし、来るはずのないところから手が出てくる。創意工夫を重ねたパンチと体さばきの前に、始終ペースは狂わされっぱなしだ。
 4Rと8Rで公開されるマストシステムで、相手に大差のポイントで負けていることを知った大毅。セコンドの父親・史郎の指示で顔を上げた。このままずるずるいってしまえば判定で勝ち目はない。ガードの綻びには目を瞑って、遮二無二前に出た。
 だけど、それはつまり相手のボクシングに合わせるということでもある。変幻自在の王者のボクシングに付き合うということでもあるわけで、当然被弾は増す。こちらのパンチも当たるが、王者は手数で勝る。
 大毅は焦った。12Rのゴングは刻一刻と近づいているのに王者を捉えきれない。カットさせた右のまぶたも傷は浅く、TKOが狙えない。
 この試合に負ければすべてを失う。無敗記録も、人を食ったパフォーマンスも、ビッグマウスのすべてが自分に返ってくる。そしておそらく親父の愛も……。

「プロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助VS亀田」

 正直アンチだ。強けりゃなんでもいいとは思うが、この男は強くない。裏づけのない自信と功名心があるだけで、挫折も苦境も知らない。振り絞れる精神力の底が浅い。
 対する王者・内藤にはドラマがある。誰にも必要とされたことのないいじめられっ子がボクシングを通して人との繋がりを得、最強王者ポンサクレック・ウォンジョンカムに瞬殺されて「日本人の恥」といわれる恥辱に耐え、這い上がって掴んだ血みどろのベルト。拳の重みが違う。
 試合も大方予想通りの展開だった。亀田側の完全な戦略ミス。内藤をなめすぎていた。突き上げるアッパー、飛び込んでのボディ、視線とは逆の方向からくるフックなどトリッキーなパンチに悩まされた。追い込んでもかわされ、クリンチされて逃げられて、大毅の拳は届かない。空を切った距離は、そのまま世界との差だ。100年早い。
 サミング等は常套手段だからかまわないと思う。すくなくともゴキブリ相手にとる作戦ではないが、王者のベルトは自分を曲げてでも狙う価値がある。終盤のキレ方、試合の投げ方は論外。
 相変わらずだが、解説陣のフォローもアホらしい。浅いカットごときでTKOの心配。亀田手が出ないのに「王者やりづらそう」。挙句の果てには「ごまかしがうまい」? 鬼塚だか佐藤だか知らないが、恥を知れ。

K-1ワールドMAX世界一決定トーナメント決勝

2007-10-03 23:37:15 | 格闘技
 K-1ワールドMAX世界一決定トーナメント決勝

○魔裟斗VSブアカーオ・ポー・プラムック× 3R判定3-0
 ダントツの優勝候補ブアカーオとの3年ぶりの激突に真剣な表情の魔裟斗。
 1R。コンディション良好の両者。パンチもキックも届く手ごろな距離でのバチバチの打ち合い。
 ローが走るブアカーオ。パンチに活路を見出す魔裟斗は、左ジャブとフックに右アッパーを混ぜたコンビネーションがかなり有効。縦軸と横軸の絡み合う攻めでブアカーオのガードに隙を作り、2:35左アッパーから右ストレートを当て、ダウンを奪う。
 2R。アッパーを多用する魔裟斗。ブアカーオはローに狙いを絞り、魔裟斗が嫌がる場面も。
 3R。金星の予感に沸く場内。スタミナある魔裟斗は最後まで休むことなく攻め続け、何発かは有効打も奪った。判定だが完全勝利。

○アルトゥール・キシェンコVSマイク・ザンビディス× 3R判定3-0
 テレビ放映では3Rからの開始。
 3R。回転の速い横軸での攻めが特徴的なザンビディス。対するキシェンコはリーチ差を生かしてミドルレンジで蹴る。時折あるザンビディスの飛び込みはガードを固めて凌ぎ、打ち終わりにきっちりパンチやキックを合わせる。
 EXR。3Rでは決着つかずの延長戦。どちらも運動量は落ちない。キシェンコ膝を有効に使いそのまま判定勝利。

○アルバート・クラウスVS佐藤嘉洋× 3R判定3-0
 1R。佐藤いつも通りのリーチ差を生かしたミドルレンジでの眠たい試合……にはしない。インファイトで果敢に打ち合う。ガードが甘く、クラウスのパンチを何発も被弾するも、膝とローを効かせ優勢。
 2R。クラウスはパンチに出足へのローを加える。
 佐藤は方針変更なしだが、上下に散らされた攻撃に幻惑されパンチ被弾量増える。後半左フックもらいぐらつく場面も。
 3R。クラウス上下の打ち分けがうまい。何度もラッシュをかけ佐藤を追い込む。
 佐藤はいつもと違う。最後まで引かずに打ち合った。判定破れはしたが、根性見せた意義ある敗戦。

○アンディ・サワーVSドラゴ× 2RKO
 スロースターター……というよりは変速機を搭載しているサワーに対し、変則強打のドラゴという面白い組み合わせ。
 1R。サワーがローブローをくらった他はおとなしい展開。とはいってもさすが実力者同士で、動きひとつひとつの速さ重さが違う。
 2R。ギアを上げて優勢に進めていたサワー。1:40電光迸るライトクロス。実力者ドラゴを一撃で切って落とした。

○魔裟斗VSアルトゥール・キシェンコ× 2RKO
 1R。ザンビディス戦で痛めたキシェンコの出足を狙う魔裟斗。ローの連打がめちゃめちゃ効いている。しかし意識が下に集中しすぎてパンチをもらいぐらつくお茶目なシーンも。
 2R。8人の中では見劣りするとはいえ十分に強いキシェンコだが、今日の魔裟斗はものともしない。打ち合いのさ中カウンター気味の左フックを直撃させて00:41KO勝利。

○アンディ・サワーVSアルバート・クラウス× 3R判定2-1
 1R。クラウス、パンチで前に出る。ボディがいい味を出しているが、出足へのローを効かせられ今後のラウンドに不安を残した。
 2R。まだまだギアを上げられる絶好調のサワー。全力を出すとクラウスクラスでも手が出せない。パンチキック膝も含めた全方位のコンビネーションにローを折りこみ、完全に圧倒する。
 3R。劣勢のクラウス。一歩も引かない意地の打ち合い。判定までもつれ込む根性を見せた。

○HIROYAVSクオン・オルチャン× 3R判定3-0
 この試合はハイライトのみ。

○アンディ・サワーVS魔裟斗× 3RTKO
 1R。サワーへのローブローで始まった決勝。互いにローを打ち合う両者。パンチでは手数の多い魔裟斗が若干有利か? だがこれまでの試合での足のダメージそのものの累積を考えると微妙なところ。
 2R。さらにスピードアップの全力サワー。魔裟斗果敢に打ち合うもローの被弾が積み重なり苦悶の表情。
 3R……はなし。魔裟斗立てずセコンドタオル投入。
 確実に強くなっている魔裟斗。ブアカーオ倒したところまではよかったが、ほとんどダメージの残っていないサワー相手では勝てなかった。残念。

K-1 WORLD GP 開幕戦inKOREA

2007-09-30 14:41:37 | 格闘技
K-1 WORLD GP 開幕戦inKOREA

 12月の決勝トーナメントに向けた初戦。

○セーム・シュルトVSポール・スロウィンスキー× 1R2:12KO
ホースト直伝のコンビネーションで攻め立てるスロウィンスキー。ブレギーを倒すなど成長著しい彼だが、今回は相手が悪かった。
 ロー、前蹴り、ミドル、膝etc……足技の弾幕に阻まれ前進の止まったスロウィンスキーを、シュルトの岩のような左ジャブが痛めつける。とどめは間合いを詰めての左膝。危なげなくつまらない圧勝。

○グラウベ・フェイトーザVSハリッド・ディ・ファウスト× 判定3-0
 極真戦士対道楽ファイター。グラウベの完勝かと思いきや、ファウスト善戦。今日一の良い試合となった。
 ファウスト足技はほぼないものの、パンチがいい。フックにストレートを混ぜ、連打連打でグラウベを追い詰める。藤本なんかと違って狙いが的確で、ぶん回してる感がないのも好印象。
 対するグラウベも悪くはない。ガード一辺倒に追い込まれる危険な局面は何度もあったが、一発の膝で流れを取り戻すことができるのが強み。1Rで2度奪ったダウンは、カウンターの膝とガード状態から最短距離を走る正拳突きによるもの。空手が見に染み付いた彼らしいアドバンテージ。
 2R。劣勢も、離れれば地獄が待っていることを知るファウストは下がらずインファイト。ダメージの名残も見せず元気に殴りまくる。会場からも拍手。アッパーやボディなど打ち分けが欲しいところ。
 グラウベはガードを固めてミドル、ハイ、ブラジリアンキックに膝。意外とよいのが顎を狙う右の蹴り上げで、この速さにはファウストも面食らっていた。
 3R。明らかに有効打を被弾しているのに倒れないファウスト。あげくパンチを返したりする様に会場熱狂。判定グラウベ勝利は順当だが、ファウストの株は下がらなかった。

○レミー・ボンヤスキーVSステファン・ブリッツ・レコ× 1R2:39KO
因縁の対決は、開始から火花がバチバチ飛び散るような熱戦。ストレート系のパンチで押すレコを迎え撃つレミーは、フック系のパンチや回し蹴りを多様する。流れの中から例の飛び膝が出る展開が、調子のよさを物語る。
 互いにテクニシャン同士プライドの高い者同士だからさぞや面白い試合になるだろうと思いきや、最後は寒い終わり方。レミーの飛び膝でダウンを喫したレコが、10カウント以内にファイティングポーズをとらなかったとしてレミーの勝利。俺も含めて多くの人間には間に合ったように見えた。それは場内一斉のブーイングからも明らか。しかしジャッジは覆らず、谷川EP必死のフォローも空転。藤原紀香も思わずびっくり。

○ジェロム・レ・バンナVSパク・ヨンス× 1R0:41KO
交通事故で欠場したカラエフの代打は韓国のテコンドーチャンプ。
 距離をとって蹴りたいパクだが、尋常でないバンナのプレッシャーに圧され、いいところが出せない。ガードが下がり気味でこれは危ないな……と思っていたら、案の定の右フック一閃。公開処刑。

○バダ・ハリVSダグ・ウィニー× 2R1:23KO
 ダグ・ウィニーはニュージーランドのボクシング元五輪代表だとか。なるほどパンチがいい。出入りも激しくバダ・ハリやりにくそう。しかしキックのほうはいまいちで、2R早々飛ばしたローにカウンターのストレートを合わせられKO。まだまだ青い。

○澤屋敷純一VS藤本祐介× 3R1:30KO
日本人プロテクト、なんて騒いでる人も多いけど、みんな見たくないのか? 日本最強に魅せられた人間と、そんなもの屁とも思ってない人間のプライドを賭けた試合だぞ、めちゃめちゃ面白いじゃないか。負けたほうは恥ずかしくて表歩けないんだぞ。
 1R。ロー主体の藤本の攻勢。適当に捌くも、澤屋敷動きがぎこちない。1分経過したところでアクシデント。藤本の頭突きをもらった澤屋敷が鼻が折れてるんじゃないかってほどの大流血。呼吸も苦しそうだが、さすが冷静。セコンド前田憲作の声もしっかり聞こえ、藤本のストレートにミドルを合わせる余裕がある。
 2R。盛んに打ち合う両者。一進一退の攻防のさ中、澤屋敷の膝が突破口を切り開く。ダウンを奪い、右目蓋をカットさせ……なにより藤本の足腰から粘りを奪った。この後もう一度ダウンを奪い最終ラウンドへ。
 3R。相変わらずぶんぶかパンチを振り回す藤本。だが軸足が安定せず体が流れ、何度もスリップを繰り返す。七転八倒の醜態。その後も澤屋敷の攻撃が当たるたびにころころ倒れ、結局このラウンド3回のダウンを奪われ敗北。

○ピーター・アーツVSレイ・セフォー× 1RTKO
 K-1レジェンド同士の対戦も、セフォーの体の締りがやたらと悪い。ぶくぶく太って動きも鈍く防戦一方。1Rで2度のダウンを奪われ、2R以降続行不可能でセコンド陣からタオル投入。病気か?

○チェ・ホンマンVSマイティ・モー× 3R判定2-1
モーのインファイトを恐れたホンマン、前蹴りで間合いをとり膝で迎え撃つ、正解だけどクソつまらない戦法。凡戦の中、飛び込んでのフック連打で何度か場を盛り上げるモーだが、ローブローをダウンと見なすミスジャッジのせいでやる気を喪失。そりゃああのまま延長してもホンマンの勝ちだとは思うけど……。

9/17 HERO'S

2007-09-19 00:40:19 | 格闘技
 9/17 HERO'S

 PRIDEのテレビ放映が無くなって以降唯一といっていい総合の全国放送HERO'S。パチンコメーカー・オリンピアの名前を冠した生々しい開催となった。

○桜庭和志VS柴田勝頼× 1R6:20腕ひしぎ逆十字
 対話型の煽りVTRでは感情捨てるといっていたくせに、花道を全力疾走で入場する柴田。対する桜庭はいつもの派手派手しい演出もなくおとなしい雰囲気。
 桜庭も柴田も好きじゃないけど、共にプロレスをベースにする者同士が総合のリング場で相見えるというのはなかなかに感慨深い。ホームグラウンドを失った者同士が総合のリングでどのように生きてきたのか、生きていくのか、生き様のぶつかり合う激しいバトル……にはむろんならない。
 序盤静かなジャブの応酬から桜庭誘いの大振りフックに乗った柴田。見事片足タックルを成功させた桜庭は、柴田の下からのテンプルパンチを散々浴びながらも耐えに耐えてサイドをとる。パウンドを落としながら地味に腕ひしぎを極めた桜庭は、しかしパンチをくらいすぎではないだろうか。パンチドランク街道一直線の彼の行く末に一抹の不安が残った。

○メルヴィン・マヌーフVSファビオ・シウバ× 1R1:00TKO
 ストライカー同士の息詰まる熱戦……になる暇もなかった。立ち上がり互いの距離が掴めずに、しかし戦意だけは旺盛でクリンチの応酬をしていた両者。ローブローでのインターバル後、怒ったマヌーフのフックが往復でヒット。1分ジャストの電撃的勝利だった。

○ミノワマンVSケビン・ケーシー× 2R 0:43TKO
 怪獣狩りに明け暮れていた超人ミノワマン。ひさしぶりの人間は、グレイシーを学んだ本格派。
 本当にこの人にこんな普通の相手を当てていいのか……? と独特のミスマッチ感に悩んでいると、試合も相応に地味なものになってしまった。
 膝キックからテイクダウン→グラウンド。
 スタンドでの差し合いから足をとってのテイクダウン→グラウンド。
 地味かつ芸のない、そのくせ適度にこなれたグレイシー的攻めを延々と繰り返すケビン。対するはノゲイラらとグラウンドの技術を磨きあったこともあるうえに身体の強いミノワマン。いつ終わるともしれない体力の削りあいは、唐突に訪れた。
 2R開始直後、焦れたケビンがいきなり殴り合いを挑むと、ミノワマンは応戦。右フックを当ててあっさりと勝利をものにした。

○山本"KID"徳郁VSビビアーノ・フェルナンデス× 3R判定3-0
 解説陣のホメ殺しは差し引いても、たしかにレスリングで身体が強靭に鍛え上げられている山本KID。なんだかよくわからない相手とのイージーな復活戦、かと思いきや、これが意外なことにビビアーノはかなりの実力者。当初の予想より面白い試合になった。
 引き込み、飛びつき、タックルと多彩なテイクダウンの技に加え、グラウンドでの執拗さと技のキレ、それなりの打撃をも兼ね備えた強豪ビビアーノ。1Rから2R中盤にかけて何度も決定的な場面を作った。
 対する山本KIDも負けてはいない。2R後半から完全に間合いを掴み、3Rにはタックルをほぼ切れるようになった。加えてインローや嫌らしいタイミングのボディで点数を稼ぎ、判定勝利。3-0というのは疑わしいが、ホームタウンデシジョンも考えれば妥当な結末か。

○J.Z.カルヴァンVSビトー・シャオリン・ヒベイロ× 1R0:35TKO
 猛獣対柔術皇帝。ミドル級最高の実力者同士の激突。事実上の決勝戦ともいわれていた戦いは、当初シャオリンの勝利が有力視されていた。機動力と勢いを備えたカルヴァンでも打倒は難しい。それほどに彼の柔術の実力は圧倒的であった。
 1R開始早々、会場にどよめきが起こった。取っ組み合いからシャオリンを投げ捨てたカルヴァンが、パウンドの嵐で一気にこれを制圧したのだ。防御も何もあったものではない。完全なる暴力が、技術と経験をねじ伏せた。
 
○アンドレ・ジダVS宇野薫× 2R判定3-0
 ブラック・マンバの代打はシュートボクセアカデミーの殴り屋ジダ。立ち上がり早々アッパーや膝を宇野に当て、速攻を仕掛ける。あまりの勢いに、宇野持ち前のディフェンス能力……ではなんともならない。左目カットのインターバルでなんとか体勢を建て直したが、トーナメント唯一の日本人は早くも形勢悪し。
 2Rに入ってなんとかペースを掴んだ宇野。グラウンドに引き込みたいが、ジダの腰が強くてなかなかうまくいかない。執念でテイクダウンし、マウントをとるも逃がしてしまいジ・エンド。終盤2度目のテイクダウンをとるも時間が足りない。打撃の有効点を取り戻すには至らなかった。

○J.Z.カルヴァンVSアンドレ・ジダ× 1R4:49腕ひしぎ逆十字
 アメリカントップチーム対シュートボクセアカデミー。しかし実力には差のある両者。下馬評は圧倒的にカルヴァン優勢。
 リーチの長さを生かしたジャブや、カウンターの右でぐらつかせるなどいいところを見せるジダ。だがこれがかえって悪かった。
 冷静になったカルヴァンに穴はない。慎重にタイミングを計り、右ストレートに合わせてタックル。テイクダウン後もじわじわと良いポジションをとり、肩固めで一本を狙うがだめ。それなら、とマウントをとり、腕ひしぎ逆十字に切って落として再びの王座に輝いた。

2007/8/13 K-1GPinラスベガス

2007-08-13 14:43:09 | 格闘技
2007/8/13 K-1GPinラスベガス

 9/29の本大会に向けての出場者を選出する最後のチャンス……だったか? ワンデイトーナメントとスーパーファイト3回戦が放送された。
 
○ビヨン・ブレギーVSレイ・セフォー×(判定2-1)
 3月の大会で王者シュルトをあと一歩というところまで追い詰めながら、カウンターパンチの前にK-1初のKOの苦汁をなめた「南海の黒豹」。対するは身長202センチの「アルペンタワー」ビヨン・ブレギー。その差22センチプラス重量というハンデを背負うも、百戦錬磨のセフォーの勝ちを誰も疑わなかったこの一戦。いきなりの番狂わせが起きた。
 今までは恵まれた体躯を誇りながらももてあまし気味に見えたブレギー。K-1レジェンドの一人との対決ということもあり、勝てばGP出場の推薦枠に滑り込めるかもしれないという可能性もあって気合いが入っている。
 しかしセフォーのインファイトのうまさを警戒してか、力でごつごつ押していくのではない徹底的なアウトボクシング。ジャブでこつこつ突き、ローを飛ばす。でかい図体のくせにものすごいコンパクトな戦い方。ガードも堅い。セフォー得意のフック系のパンチの連打で追い詰められても、不意のバックハンドブローの奇襲を受けてもびくともしない。焦れたセフォーがボディブローから左右フック、左ハイなど見事なコンビネーションを繰り出すが、微塵も揺るがない。むしろ体格差を利した膝でセフォーの動きを止めたり、ミドルや打ち下ろすストレートでポイントを稼ぎ、そのリードを広げながら3R終了のゴングを聞いた。

○パトリック・バリーVSリカルド・ノードストランド×(2R2分)
 「ミスターパーフェクト」アーネスト・ホーストの弟子バリーと、北欧の貴公子(ってほどイケメンでもないような)リカルド。
 想像の範囲を越えないリカルドの「並み」ぶりはどうでもいいが、バリーの強さは特筆すべき。開始数秒左ハイでリカルドからダウンを奪うと、ホーストの弟子とは思えぬような気迫を前面に押し出した荒っぽいファイトを展開する。フック系のパンチと股関節の柔らかさを利した見えないハイに加え、ホースト直伝の鉈のようなロー。一撃一撃が重い。カウンターがうまいということもあり、とにかく力の乗った打撃がリカルドの体にダメージを刻んでいく。途中、熱くなった両者のローブローの応酬、という醜い場面もあったものの(偶然に非ず)、最後は順当にローキックでなぎ倒した。

○ザビット・サメドフVSエスチャダー×(2R1分05秒)
 サメドフ速い、手数が多い。フリッカーや飛び技、パンチフェイントにキックフェイントと多彩な攻め手をフルに使って一方的にエスチャダーを攻め倒す。1R終わりにはコーナーに追い詰められたところをくるりと体勢を入れ替えて逆にエスチャダーを追い詰め、ボディとアッパーでガードに隙を作り、空いたこめかみに左フックを叩き込んでダウンを奪う。
 2Rも同様の展開。1分05秒に右フックのフェイントから強烈なバックスピンキックをボディに決める芸術的な勝利を納めた。

○アレキサンダー・ピチュクノフVS中迫強×(3R判定)
 将来を嘱望されるロシアの極真王者対、将来を嘱望されていた中迫。2度目のダウンをスリップとごまかすも、結局中迫の判定負け。テレビ放送分だけでは実にくだらない試合に見えた。

○ステファン・ブリッツ・レコVSマイティ・モー×(3R判定)
 インファイターのモーが翻弄される典型的な試合。レコ、昔ほどの輝きはないものの、ローやストレート系パンチなどの直線打撃が走っている。出入りもうまく、自分は当たるが相手は当たらぬ理想距離を保ったまま普通に勝利。

○アリエル・マストフVSピーター・ボンドラチェック×(3RKO)
 開始早々右ストレートでダウンを奪ったマストフ。バックスピンが得意技というだけあって蹴り技が多彩。だが詰めが甘く、「効いてる」ボンドラチェックを攻めきれない。線の細さとガードの甘さもあって一抹の不安を覚えていると、案の定復活したボンドラチェックに逆襲をくらう。重戦車のような突進と、ガードの上からでもお構いなしに叩きまくる強引さに圧倒され、2Rにダウンを取り返される。
 3R。疲れからかガードが下がり出したボンドラチェック。マストフはその隙を見逃さず、テンプルに右フックを放り込んで「かぎりなくダウンに近い」スリップをさせる。もちろん効いているためグロッキーなボンドラチェック。マストフはパンチ、キック、膝と攻めに攻め、有効打の山を築き上げる。最後は右のバックスピンでとどめ。

○ザビット・サメドフVSパトリック・バリー×(3R判定2-1)
 今大会屈指の好カード。どちらもアグレッシブで、しかもかなりの実力者同士。サメドフは左ハイ、バリーは左フックと互いに得意技から始め、ばきばきの死闘を繰り広げた。スピードと手数ではサメドフ。ローの効かせではバリー。長所と長所がぶつかり合い、しかも相殺することなく昇華し合い、素晴らしい試合となった。それは試合中のサメドフの楽しそうな表情からもうかがえる。漢は漢を知る、といったところか。それだけに、結果が残念でならない。途中からバリー優勢が明らかになったのにも関わらずジャッジはサメドフ。キックよりもパンチを優遇するラスベガスの土地柄らしいが、観客のブーイングと、サメドフの納得いかなそうな顔がすべてを物語っていた。

○ダグ・ウィニーVSアレクサンダー・ピチュクノフ×(3R判定)
 リザーバーから勝ち上がったダグ対ピチュクノフ……の試合は大幅な放送時間カット。パンチを上下に打ち分けたダグの勝利。

○ダグ・ウィニーVSザビット・サメドフ×(3R判定)
 ラッキーボーイ・ダグはいまいちどんな選手かわからない。ストレート系のパンチが得意なところを見るとボクシング出身か?
 一方サメドフは、不本意かつ熱闘だったバリー戦の疲れが抜けていない。殴り合いでは負け、蹴りでリズムを掴もうとするも、カウンターでパンチを合わされ八方塞がり。出入りも少なく精彩を欠き、そのままなす術なく試合終了のゴングを聞いた。ワンデイトーナメントはやっぱり嫌いだ。

2007/8/5 K-1GPin香港

2007-08-07 01:18:33 | 格闘技
2007/8/5 K-1GPin香港

 アジアGPのワンデイトーナメントとワンマッチ3試合の計10試合が行われた。うちテレビ放映されたのは武蔵VSパク・ヨンス、戦闘竜VS金泰泳、武蔵VSワン・チャング、藤本VSワン・チャングにワンデイトーナメント3試合のみ。残りの試合は結果のみが伝えられた。
 さてアジアGP。今回の主役は進退のかかった武蔵。ここのところ連敗中で、藤本に丸太のようなハイキックで敗れてからは日本人最強ですらなくなった男の泣きの一回。
 
武蔵VSパク・ヨンス(1回目)
 開始早々、テコンドー出身のパク・ヨンスのインローがサウスポーの武蔵の内股……ではなく股間にヒット。インターバルをとってすぐに再開するも、再びインロー。これが股間にクリーンヒット。吐き出すマウスピース。どよめく観客。ああ、いつもの武蔵だなーと変な感慨に浸っていると、1試合挟んでパク・ヨンス減点1の状態から再開するとのこと。

○金泰泳VS戦闘竜×
「相撲は…強いんだよう!」でおなじみ戦闘竜。圧力と大振りのフックのみでどうやったらK-1勝ち抜けるつもりなんだろうと思ってたらやっぱり悲惨な目に……。金に翻弄され、焦って前のめりに突っ込んだ戦闘竜の顔面に、最悪のタイミングで金のミドルが炸裂。有効打どころかパンチを満足に打つこともないまま、1R終盤に勝負はついた。

○武蔵VSパク・ヨンス×(2回目)
 挟んだ一試合がいかんせん1RKO決着では満足に休めなかった武蔵。半病人のような顔でリングに上がる。
 パク・ヨンスはさすがテコンドー選手だけあって蹴りが走っている。インローは控えるようになったものの、武蔵の奥足へのローや、開いた側へのミドルはかなり有効。だがボクシング技術に穴があり、そこを武蔵につかれる。蹴りのダメージを無視して突進されるとバランスが崩れてしまう。
 しかしこの日の武蔵は強かった。パンチ、キックともキレがよく、本人がキレていることもあって、いつものおとなしさはなりを潜めた荒々しいファイトでパク・ヨンスを追い詰める。2Rになり、右ハイ→左右のフックでダウンを奪うと、勝利の雄叫び。そんなにローブローは痛かったのか、それともこの日にかける思いが強かったのだろうか。

○ピーター・アーツVSニコラス・ペタス×
 再びかつての勢いを取り戻しつつある20世紀最強の暴君の相手は、三度の骨折で地獄を見せられた青い目のサムライ、懐かしのニコラス・ペタス。
 1R。蹴りを打ちたいペタス。しかし圧力の強いアーツに先に詰められ、蹴りの間合いが作れない。しかたなく打った左右のフックが大正解。アーツのガードの隙間からヒットし、たびたび追い詰める。そうなると殺されていた蹴りも打てるスペースが出てくるわけで……。ミドル、バックスピンキック、かかと落としなど元気に攻め立てる展開で、ジャッジはペタス。
 2R。またも似たような展開から始まるものの、さすがはアーツ、ずるずるとはいかせない。力任せに打ち下ろした右でダウンを奪うと、一気に畳み掛ける。パンチと膝で圧力をかけ、ローをさんざん効かせたところで右ハイ一閃。試合巧者ぶりをいかんなく発揮した。
 
○武蔵VSワン・チャング×
 投げもある謎の多い格闘技散打の王者。しかも18歳という年齢。さてどうなることかと思って見ていたら、いきなりワン・チャングの膝が武蔵の股間に。悶絶する武蔵。どよめく観客。セコンドからタオル投入。可哀想で見てられない。
 反則でのダウン後のタオルだから無効である。インターバル3分の後試合再開。という謎のジャッジング。しかも状況がわかっていない(つまり勝ったと思っている)ワン・チャングは控室に戻ってしまった。3分過ぎても戻らないので試合放棄と見なし、武蔵勝利……ええと……。

○バダ・ハリVSピーター・グラハム×
 会見の席での乱闘。胴回し回転蹴り(ローリングサンダー)で顎を砕かれるなど、かつてさんざんな目にあわされたグラハムに対してのリベンジマッチ。
 長い手足を生かしてアウトボクシングに徹し、コンビネーションもワンセットずつしか打たない(続きがない)バダ・ハリと、距離を詰めなきゃ勝機はないのに必死に距離をとろうとするグラハム。バダ・ハリの一撃一撃が恐ろしいほどキレているため見れることは見れるが、なんだかちぐはぐな印象。
 3R目にグラハムの開いた側へのバダ・ハリのミドルが腹に直撃。追い込みのボディブローでダウンを奪い勝利。

○藤本祐介VSワン・チャング×
 三位決定戦ではない。アジアGP決勝。股間のダメージが蓄積した武蔵と眼窩底骨折の疑いのある金泰泳。二人の勝者が棄権したため敗者復活の二人が決勝へ駒を進めるというわけのわからん展開。
 試合も大味。体幹の強さと馬力で攻めるワン・チャング。藤本を追い込むも、ぶんぶか振り回した左右のフックがクリーンヒット。1R後半に2度のダウンを奪い、藤本が優勝。
 詰めの甘さが気になっていた藤本だが、たなぼたとはいえきっちりKO勝利をおさめたところが偉い。実力的には大分武蔵に見劣りするものの、運の強さも含めて代表には適任かもしれない。