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ヒロ中田という、リクルート社の雑誌、
じゃらんの
エグゼクティブエリアプロデューサーなる人物がいる。
#実は大学の先輩だったりするのだけど(;一_一)
彼はこの4月に本州に転勤するまで、
北海道じゃらん
の編集長であり、
新・ご当地グルメとして道内の各地で
様々な商品開発をしてきたので知っている人も多いだろう。
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彼は各地の商工会や観光協会などとタイアップして
これまで例えば、以下のような商品を開発してきた。
十勝芽室コーン炒飯
日本海えびタコスープ餃子
根室さんまロール寿司
オホーツク北見塩やきそば
オホーツク網走ザンギ丼
天塩はシジミだけじゃないタコキムチ丼
別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー
ネーミングのセンスはちょっとどうかと思うが、
賛同する地域があるから商品が開発されたのも事実。
本州に転勤したその彼が、現在発売中の
北海道じゃらん
8月号で以下のような連載コラム
「旅の玉手箱」を書いて
いるのだが、いかにも彼らしいというか、自分とのあまりの
相容れなさにぶっ飛んでしまったので、紹介しておこう。
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>6月下旬、ぼくは神奈川県小田原市を訪れた。
>地元の方々が集まった懇親会の席上で、ある方から、
>「中田さん、小田原丼って知ってますか?」と聞かれた。
(中略)
>さっそくパンフレットを見せてもらった。
>「小田原丼」は「小田原どん」であった。
>ルールは3つ。
>①小田原の海と大地で育まれた新鮮な食材を
> 一つ以上用いること
>②伝統工芸品・小田原漆器の器に盛って饗すること
>③お客様に満足していただき、小田原がもっと好きに
> なるようにおもてなしすること
>パンフレットでは「小田原どん」を提供するお店を
>9軒紹介していた。料理名も料金もいろいろだ。
>たとえば「小田原・鯵のサクサク丼」「小田原
>武将茶漬け丼」「地魚の小田原バラちらし丼御膳」
>「小田原鯵天丼」・・・。料金は、900円~2,600円。
>観光客の立場で考えると、どれを食べればよいのか、
>正直迷った。そして、こう思ったのだった。
>「小田原どんはご当地グルメではない。
> ご当店グルメなのだ」と。
(中略)
>引っかかるのは、小田原ならではのご当地
>グルメがない現状では、まず新・ご当地グルメ
>を商品化すべきではなかったのか、ということだ。
(中略)
>「新・ご当地グルメは、その地域(=ご当地)の
> 特産物(素材)を有効利用した統一ブランド料理
> であり、コンセプトがはっきりと定められており、
> 守るべき定義・ルールが明文化されている」というもの。
>見た目も素材も調理法も価格も、ある程度統一
>された商品でなければ、なかなか定着しないのだ。
...と、今後小田原でじゃらん流の
新・ご当地グルメを
開発し、ご当店グルメと連携していきたい、と結んでいる。
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彼流にやるなら、どの素材を使い、どのように調理し、
どのように客に提供するかも全て明文化して、その
ルールに従うことの出来る店だけが、
新・ご当地グルメ
「△△小田原××丼」を提供できることになるのだろう。
だが、それが本当に観光客のためになるのか、ということだ。
彼は上記のコラムで、小田原にたくさんある小田原丼を
目の前にして
「観光客の立場で考えると、どれを食べれば
よいのか、正直迷った。」と書いている。
それは、彼の事前の勉強不足に過ぎないのではないか?
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今どき、どこに旅行に行くとしたってネットで情報収集し
どの店の何が旨いか、ということはそれなりに調べてから
行く人が多いと思うし、だからこそ店の側も切磋琢磨する。
しかも、彼はただの観光客ではない。数ヶ月前まで、地域は
違えど旅行情報誌の編集長を務めていた、旅のプロなのだから。
彼のいう、細々したルールを決めた中での競争というのは、
ある意味、価格協定を結んだ海の家で売られるカレーライス
のようなもので、そこには決められたルールを超越するような
新たな素材の追加であるとか、調理方法の改良など創意工夫を
凝らした新商品の開発は難しくなってしまうのではないだろうか。
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自ら商品開発を行うことが苦手な北海道の観光地店舗に
とって、彼にルールを決めてもらい
「このルールに従って
作りなさいよ」と言われるのは、正直いってラクだと思う。
だけど、そのルールに従って、その枠組みの中だけでやって
いる限り、新しい発想や努力をするインセンティブは湧きにくい。
それが、本当に北海道の観光地のためになるのか、ということだ。
もう一つ付け加えるなら、そうやって
「観光地××では新・ご当地
グルメの△△がオススメ」と記事にすれば、彼の本業である雑誌の
じゃらんも売れるし、更に各店舗から広告収入を得ることまで出来る。
結局、店側はそうやって、じゃらん商法にうまいこと
乗せられているだけなんじゃないのか、ということだ。
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ま、上手いスキームを考えたものだ、とは思うけど(-_-;