J's日誌

中小企業診断士、経営管理修士(MBA)、事業再生士補、AFP。某NPO法人フットサル連盟副理事長。

ヒロ中田のビジネスモデル

2009-08-06 21:00:00 | Weblog


5位をキープ!!ありがとうございます。
本日も1クリック  ( ・∀・)つ〃Ω お願いします。
人気blogランキング



ヒロ中田という、リクルート社の雑誌、じゃらん
エグゼクティブエリアプロデューサーなる人物がいる。

#実は大学の先輩だったりするのだけど(;一_一)

彼はこの4月に本州に転勤するまで、北海道じゃらん
の編集長であり、新・ご当地グルメとして道内の各地で
様々な商品開発をしてきたので知っている人も多いだろう。



彼は各地の商工会や観光協会などとタイアップして
これまで例えば、以下のような商品を開発してきた。

十勝芽室コーン炒飯
日本海えびタコスープ餃子
根室さんまロール寿司
オホーツク北見塩やきそば
オホーツク網走ザンギ丼
天塩はシジミだけじゃないタコキムチ丼
別海ジャンボ牛乳&別海ジャンボホタテバーガー


ネーミングのセンスはちょっとどうかと思うが、
賛同する地域があるから商品が開発されたのも事実。

本州に転勤したその彼が、現在発売中の北海道じゃらん
8月号
で以下のような連載コラム「旅の玉手箱」を書いて
いるのだが、いかにも彼らしいというか、自分とのあまりの
相容れなさにぶっ飛んでしまったので、紹介しておこう。



>6月下旬、ぼくは神奈川県小田原市を訪れた。

>地元の方々が集まった懇親会の席上で、ある方から、
>「中田さん、小田原丼って知ってますか?」と聞かれた。


(中略)

>さっそくパンフレットを見せてもらった。
>「小田原丼」は「小田原どん」であった。

>ルールは3つ。
>①小田原の海と大地で育まれた新鮮な食材を
> 一つ以上用いること
>②伝統工芸品・小田原漆器の器に盛って饗すること
>③お客様に満足していただき、小田原がもっと好きに
> なるようにおもてなしすること

>パンフレットでは「小田原どん」を提供するお店を
>9軒紹介していた。料理名も料金もいろいろだ。

>たとえば「小田原・鯵のサクサク丼」「小田原
>武将茶漬け丼」「地魚の小田原バラちらし丼御膳」
>「小田原鯵天丼」・・・。料金は、900円~2,600円。

>観光客の立場で考えると、どれを食べればよいのか、
>正直迷った。そして、こう思ったのだった。

>「小田原どんはご当地グルメではない。
> ご当店グルメなのだ」と。


(中略)

>引っかかるのは、小田原ならではのご当地
>グルメがない現状では、まず新・ご当地グルメ
>を商品化すべきではなかったのか、ということだ。


(中略)

>「新・ご当地グルメは、その地域(=ご当地)の
> 特産物(素材)を有効利用した統一ブランド料理
> であり、コンセプトがはっきりと定められており、
> 守るべき定義・ルールが明文化されている」というもの。

>見た目も素材も調理法も価格も、ある程度統一
>された商品でなければ、なかなか定着しないのだ。


...と、今後小田原でじゃらん流の新・ご当地グルメ
開発し、ご当店グルメと連携していきたい、と結んでいる。



彼流にやるなら、どの素材を使い、どのように調理し、
どのように客に提供するかも全て明文化して、その
ルールに従うことの出来る店だけが、新・ご当地グルメ
「△△小田原××丼」
を提供できることになるのだろう。

だが、それが本当に観光客のためになるのか、ということだ。

彼は上記のコラムで、小田原にたくさんある小田原丼を
目の前にして「観光客の立場で考えると、どれを食べれば
よいのか、正直迷った。」
と書いている。

それは、彼の事前の勉強不足に過ぎないのではないか?



今どき、どこに旅行に行くとしたってネットで情報収集し
どの店の何が旨いか、ということはそれなりに調べてから
行く人が多いと思うし、だからこそ店の側も切磋琢磨する。

しかも、彼はただの観光客ではない。数ヶ月前まで、地域は
違えど旅行情報誌の編集長を務めていた、旅のプロなのだから。


彼のいう、細々したルールを決めた中での競争というのは、
ある意味、価格協定を結んだ海の家で売られるカレーライス
のようなもので、そこには決められたルールを超越するような
新たな素材の追加であるとか、調理方法の改良など創意工夫を
凝らした新商品の開発は難しくなってしまうのではないだろうか。



自ら商品開発を行うことが苦手な北海道の観光地店舗に
とって、彼にルールを決めてもらい「このルールに従って
作りなさいよ」
と言われるのは、正直いってラクだと思う。

だけど、そのルールに従って、その枠組みの中だけでやって
いる限り、新しい発想や努力をするインセンティブは湧きにくい。

それが、本当に北海道の観光地のためになるのか、ということだ。

もう一つ付け加えるなら、そうやって「観光地××では新・ご当地
グルメの△△がオススメ」
と記事にすれば、彼の本業である雑誌の
じゃらんも売れるし、更に各店舗から広告収入を得ることまで出来る。

結局、店側はそうやって、じゃらん商法にうまいこと
乗せられているだけなんじゃないのか、ということだ。





なかのひと


ま、上手いスキームを考えたものだ、とは思うけど(-_-;
Comment    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« くすぶるな | TOP | 時間切れ逃げ切り »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | Weblog