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先週土曜夜に参加してきた、標記ディスカッション。
第2回目は、スローインに関連して
若年層の育成への対応などについて。
(長文のため、途中に○を入れました)
※ ※ ※
【質問】
小学生とか、幼稚園児とかに対しても、同様の
スローインルールを適用した方が良いのでしょうか。
スペインでは、FIFAルールになったとき、ジュニアの
育成に関しても同じようなルール改正をしたのでしょうか。
【ミゲル・ロドリゴ フットサル日本代表監督】
私は、次の4つのルールを適用するのが良いと思う。
それによって、フットサルのゲームの印象はガラッと変わる。
1.キックイン・コーナーキックの代わりに
スローイン、コーナースローを採用
2.GKへのバックパスを全て禁止
3.GKスローのハーフライン越え禁止
4.GKがペナルティエリアを出るのを禁止
スペインでは、3年前にFIFAのルールに変えたが、
各地域において、子どもの育成年代においては
前のルールを活かして適用しようというところがある。
今のFIFAルールは、技術・戦術面という意味では
子ども達の育成につながらないと考えているからだ。
○
先日、バーモントカップ(全日本少年フットサル大会)
を見たが、GKからのキックで相手ゴールへとロングボール
が飛んでいき、また相手GKはそれをキャッチしてロング
キック、ひたすらその繰り返しだ。
こんな環境で、どうして中盤でつないだり相手を交わしたり
する技術が身につくだろうか。それはフットサル選手を
目指すにしても、サッカー選手の育成としても同じだ。
中盤でプレスをかけられたら、すぐにフリーのGKに
パスして返す。GKはコントロールしてハイボールを
入れる。それをヘディングで競って、GKが取って、
またロングボールを入れる。この繰り返しだ。
これでポゼッションというものを覚えるか。
フェイントというものを覚えるか。ボールを
キープするための身体の使い方を覚えるか。
○
多くのスペインの、地域の協会では、1年だけFIFA
ルールでやってみただけで、「これはダメだ」ということで
非常に多くの地域で、元のルールに戻したのだ。
一番ひどいのは、ハーフラインを越えてからであれば
何回でもGKにバックパスが出来ることだ。
想像していただきたい。もしも、GKには一切
ボールを返してはいけないルールだったとしたら。
絶対に前にしか出せない。プレスをかけられたら、味方が
フェイントをかけてサポートに入るための動きをしなければいけない。
あるいは、どうしようもなければプロテクト、つまりキープの
ために身体を使い、運んで行って良いスペースを見つけて
ボールを運び、相手を交わしながら次のパスを出そうとする。
後ろに逃げる、ということさえしなければ、
いろいろな技術を身につけることができるのだ。
○
そういうことがあったために、昔のルールでは、
いっぱいボールの奪い合いもあったし、カウンターも
いっぱいあった。そしてゴールもいっぱい生まれていた。
で、それを見て、面白い、楽しい、と思うからこそ
試合会場に足を運ぶ観客がたくさんいたし、スポンサー
もたくさんついていたし、テレビもいっぱいゲームを
放映してくれたのだ。
でも、今のルールでは、ゲームによっては
まるで子守歌のような眠気を誘うものすらある。
ハーフを越えて、ちょっとでもプレッシャーがかかったら
チームで一番足元のコントロールが苦手だと思われる
選手(=GK)にボールを渡すという現象が起きるのだ。
これが一番良くないことだ。
○
自分が、育成年代のトレーニングに対して提言があると
すれば、今申し上げた4つの部分だけは変えるべきではない。
ちなみに自分が日本代表チームのトレーニングをやる
ときは、この古い、前のスペインルールでトレーニングを
やるようにしている。
GKへのバックパスを認めてしまうと、みんな動かなくなる。
子ども達にそれをやると、すごく多くの問題が起きる。
子ども達は長いボールで一発勝負する方が楽だから、
そればかりやるようになって、工夫しなくなる。
○
バーモントカップで12歳以下の選手のフットサルを見て、
その後15歳以下の大会のフットサルを見たら全く同じ。
あれだけロングボールがバンバン飛び交うフットサルを
集中的に見たことがなかったので、すごく自分の脳味噌に
ダメージを受けてしまった。頭が痛かった。
その晩は飲まずにいられなかったよ。(笑)
しかも、どのチームの監督達もそれを認めている。
こういうゲームをやっていて、どうやって将来的に
いい選手が出てくると言うんだ。こんなことをやって
いてはいけない。非常に深刻な問題だ。
フットサルのゲームの特徴が出るように、フットサルをプレー
する状況が出来るように、ルールを整えてあげなければいけない。
○
育成年代への影響はもちろんだが、プロのトップリーグでも、
そういう(FIFAルールで)魅力的ではない試合が続くことに
よって観客数が半減するという現象が起きてしまった。
今のような状況だったら、チームのサラリーの
半分はGKに渡すべきだ、ということになる。現状で、
半分以上の攻撃は、GKからスタートして決まっている。
それならば、人件費の半分はGKに与えられるべきだ。
概して、GKはチームの中で最も足元が苦手なのにも関わらず、
そういう人たちによって攻撃の口火を切ってもらっている。
現行ルールが、そういう状況を許しているのだ。
※ ※ ※
(続く)
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文章にすると結構過激ですな(-_-;