J's日誌

中小企業診断士、経営管理修士(MBA)、事業再生士補、AFP。某NPO法人フットサル連盟副理事長。

「フットサル・ラボ!」パネルディスカッション1

2010-03-16 20:00:00 | Weblog


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先週土曜夜に参加してきた、標記ディスカッション。

何回かに分けて、その議論を紹介してみたいと思う。
自分のような立場にとっても、非常に刺激的な内容だった。

まず1回目は、業界で噂されているスローイン導入?について。

 ※ ※ ※

【司会】
大変長らくお待たせしました、それではこれから本日最後の
セッションである、パネルディスカッションを始めていきたいと思います。

目安としては1時間半程度を予定していますが、盛り上がるようで
あればもう少しプレーオンで(笑)いきたいと思いますので、
皆さんの積極的なご参加をお願いしたいと思います。

本日、前には講師いただいたプルピスさん、今日の午後のミゲルさん、
明日の朝のGKトレーニングをしていただくセサルさん、それに、
今日実際に審判もしていただきましたけど、ロベルトさんにも
加わっていただいて、いろいろな角度からのご意見や経験談などを
もとに、皆さんのご質問に対してご回答させていただきたいと思います。



どちらかというと、Q&Aというよりはディスカッションにしていきたい
と思いますので、いろいろなお話をさせていただければと思います。

では早速始めさせていただきたいと思いますが、我こそは
まずこれを聞いておきたいんだ、というのがあれば。。。

(質問用紙がフロアから届く)

まず、一つ質問をいただいておりますので、
ここから始めさせていただきます。


【質問】
「ルール改正で、キックインがスローインに変更される
 可能性が高まっていると思いますが、スローインの戦術や
 トレーニング方法について提案をしていただきたいと思います。」



【司会】
ルール改正は、まあルールということですので、審判で
いらっしゃっているロベルトさんから、お考えをお聞きしたいと思います。





【ロベルト・グラシア審判】
実は、今FIFAの中でその話し合いがなされてきた中で、最近、
本当にごく最近になって、「変更自体はしましょう」ということが
内々では決まっている。

ただ、実際に実行段階、試行されるまでにはいくつかのプロセスで
承認というか、3つ4つの会議、ミーティングでの承認を経なければ
いけないので、早ければ次のシーズン、2011年9月からのシーズンが
ルール改正が実行されることになるのではないか、と言われている。

ただ、もしかしたらずれ込むということはあるかもしれないが、
早ければその時期から、ということがFIFAの中では話し合われています。


【司会】
ロベルトさんからは、審判の立場からお話いただいたが、
指導者の立場から影響を受ける部分として、ミゲル監督からも。


【ミゲル・ロドリゴ フットサル日本代表監督】
3年前までは、スペインリーグの独自ルールとして、
今のキックインではなくサイドはスローインでやっていた。

スペインでは、FIFAルールに合わせようとした3年前を
境に、その次のシーズンからリーグの総ゴール数が半減した。

旧ルール(スペインルール)では、得点王は1シーズンで
60~70点取っていた。それがFIFAルールに変わってから30点
ちょっとの選手が得点王になる、というように、だいぶ様変わりした。



スローインの方法、すなわち手でやることによって非常に
精度の高いボールが出る。それによってセットプレーの
バリエーションが非常に豊かになる。ブロックであったり、
ボレーであったり、ヘディングシュートなどだ。

それによって、ディフェンダーが引いて引いてがっちり
ゴール前を固めるというようなスタイルを許さなくなる。

何故かというと、それだけ距離をとって、ある程度の
距離からフリーでボレーを打たせるのは怖いので。

コーナーキックだったり近い距離からのスローインの
シーンを、絶対ディフェンス側としては作りたくない。だから
もっともっと前で、前からプレッシャーをかけるようになる。



スローインに変わることでもう1つ、非常に重要なポイントが
あるのだけれども、それはカウンターアタックのきっかけに
有効だということ。

スペインの旧ルールでは、ボールがタッチラインを出たら、
走っていって拾ったらすぐに投げるからカウンターがしやすかった。

今のルールでは、ボールが出てしまって、キックインをしようと
ボールを置くと、相手ディフェンダーが陣形を整えるためにボールの
前に立つ。そうすると、リスタートする前に審判がディフェンダーを
5m離し、その間に他の選手は守備陣形を整えてしまう。

そうして攻撃側は組み立て直しをしなければならない。
キックインによって全てがスローダウンしてしまうのだ。
つまらない。タッチラインを出たからといって、カウンター
アタックのチャンスは生まれなくなってしまった。



審判にとっても大変だ。ボールに対してディフェンダーが
距離を十分取っていなかったら壁を下げなければいけない。
「2回目だったらカードを出すぞ」とか。こんなつまらないことの
ために、審判はケアしなければならなくて、試合をつまらなくしてしまう。

(現行FIFAルールは)攻撃有利のエキサイティングなものに反する、
アンチ・攻撃的な、ディフェンス優位なルールになってしまっている。

ゆっくりしたゲーム展開で、いつもポジションががっちりと整った
ところから攻撃を開始することになる。もしルールが変わったら、
すぐに攻撃を始められるので、カウンターアタックの数は確実に増える。

そこはがらっとゲームの印象を変えるので、注目しておいてほしい。



言葉は悪いが、弱小チームが強豪チームと対戦するとき、
どういうことをやるか。例えば、エルポソ(スペインの強豪
チーム)と戦うとき、どこでも引いて守りたいと思うだろう。

ところがエルポソのようなチームに、このスローインルールを
適用したら、いろいろなバリエーションを持つチーム、能力ある
選手がボレーだヘディングだと何でも出来るようなチームと対戦
した時に、もし引いて守ったら、絶対に勝てない。

弱小チームであっても、前からプレスをかけていかなければ、相手に
スローインを自由にやらせるシーンがあったら、大量失点するだろう。

こういう変化はすぐに気づいてもらえると思うし、フットサルが
魅力的にプレーされるということに対して有意義な材料だろう。



恐らく、ルール変更はサイドはスローイン、コーナーはキックに
なっていきそうだ。これは、ある意味でフットサルに対する信頼、
価値を置いていないから(単にサッカーと同じにしただけ)。

ただそれでも、フットサルを支えている、フットサルの世界の人間
からすれば、それでもスローインになる方がましなので、全然問題ない。

今、ロベルトさんがおっしゃったような変更が
早く訪れてほしいと、私も思っています。

 ※ ※ ※

(続く)





なかのひと


突然新企画で始めてみました(-_-;
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