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先週土曜夜に参加してきた、標記ディスカッション。
第4回目は、ゴレイロの重要性について。
※ ※ ※
【質問】
今日の試合(注:準決勝)についてお聞きしたいのですが、
神戸と大阪の試合が1-0で大阪が勝ったじゃないですか。
大阪のGK(イゴール)が非常に良くて、神戸はシュートを
43本、大阪は13本しか打たなかったが、大阪が勝ちました。
ああいう試合の場合、もし神戸の監督だったとしたら
どのような指示を出して点を取りにいきますか。結構、
GKの正面から打っているシュートが多かったと思うので、
サイドからの突破やセグンドパウ(ファー詰め)などが
有効なのではないか、と個人的には思ったのですが。
【ミゲル・ロドリゴ フットサル日本代表監督】
自分だったら、ハーフタイムに契約をして、ケネディを
暗殺した暗殺者に頼んで、銃弾ではなく麻酔薬を塗った
針を打ち込んでもらい、イゴールを交代させます。
そうすれば、後半はイゴールなしの大阪と戦える。(笑)
まあ、実際にはそれは出来ないのですけど。(爆笑)
仰るとおり、自分も見ていて、1対1の、GKに非常に
近くまで接近するシーンがたくさんあったのに、ファー
ポストに誰もサポートで来ていないケースが多かった。
1回、非常に印象に残っているのは、神戸の須藤選手が
ファーポストに入っていったのに、外に流れてしまった。
○
もうひとつ気になったのは、GKとの1対1でいいパスを
もらったときに、皆ダイレクトでシュートにいっていたこと。
足裏でコントロールして、GKと駆け引きをする。あるいは
足裏で舐めてタイミングをずらすとか。イゴールはだいたい
そういう接近戦になると姿勢を固め、ブロックを作るが
例えばその上をループで抜こうという発想であるとか、
攻撃側のクリエイティビティが欠けていたように思う。
ゴールに迫った最後の最後で、まるで皆既日食にでも
あったかのように、何も見えなくなってしまっていた。
○
だいたい、あの大きなイゴール(1m86cm)に対して
みんな1mくらいの高さにシュートを打ち込んでいた。
人間にぶつけにいくようなシュートばかりだった。
比嘉リカルド監督にも「上だ、上」と話したし、リカルド
監督もそれを言っていたようなのだが、選手がその指示を
ピッチで実現出来るかというと、それはまた別の話だから。
もちろん、イゴールの素晴らしさはあったのだけどね。
試合中、11分間の間、大阪は枠にいくシュートを1本も
打てなかった。神戸としては後半は素晴らしいゲームをした。
リカルド監督としては、必要な指示はした。だからここから
何が出来るかといえば、トレーニングをするしかないのだ。
最終的にプレーをして、決断をしていくのは選手なのだから。
○
【ホセ・プルピス フットサルタイ代表監督】
ミゲル監督も言っていたとおり、イゴールは偉大なプレー、
違いを見せるプレーをしていたわけで、非常に良かったのは
事実なのだが、神戸としてはちょっと焦ってしまったと
いうか、辛抱強さを欠いた試合をしてしまった。
セカンドポストに出せるシーンも自分の記憶では4回から
5回はあったと思うし、イゴール選手をドリブルでかわして
からシュートを打とうとすれば出来たシーンも、いくつか
あったはずだ。
さらに重要な問題としては心理的な部分。イゴール選手が
後半に3回くらい止めたシーンがあって、その後神戸の
選手は「どんなにシュートを打っても入らないのでは?」
と思ってしまったように見えた。逆に、イゴール選手は
そういったプレーを続けたことで心理戦においても有利な
位置にいたようだ。
そういった、イゴール選手の放つ存在感というか、心理的な
プレッシャーに神戸の選手は萎縮してしまったのではないか。
何故なら、普段の神戸の選手だったら、普通にプレーして
いればミスしなかっただろうな、というシーンでもミスして
しまっていたからだ。もちろん、全体としては神戸の方が
押していたし、プレー自体は神戸の方が良かったと思うが。
○
【ミゲル・ロドリゴ フットサル日本代表監督】
今日のような感覚、こういうシチュエーションというのは
スペインでゲームを見ていればしょっちゅうあることだ。
何故かというと、スペインのGKは本当に優れていて、
本当にゴールを決めるのが難しいから。
例えば、ルイス・アマドに代表されるように、
大きくて優秀なトップレベルのGKがたくさんいる。
「あれだけ止められちゃったらどうしようもない」
という状況が、スペインではしょっちゅうある。
向こうでは、GKというのは、そういう存在なのだ。
○
残念ながら、日本のGKの現状をみると、
非常に大きな差があると感じざるを得ない。
スペインの感覚でいけば、
イゴール選手のレベルは「普通」です。
(注:会場がざわめく)
なので、今日のような感覚、「うわー、あのGKじゃ
入らないなぁ」という感覚は、スペインでは毎週
土曜日に皆さんが味わうことができるものなのです。
けれども、そういうGKの存在によって、攻撃側の
選手のゴール前でのクリエイティビティを刺激して
いく、養っていく、ということになるともいえます。
○
「誰が一番、決定的な仕事が出来る選手か?」と
いうことをよく聞かれる。「ファルカンですか」
「レニージオですか」「シュマイケルですか」
「キケですか」といろんな選手の名前が挙がる。
それらの選手は全然違っていて、誰かと
いうと、それは(GKの)ルイス・アマドなのだ。
最近のスペイン代表の国際大会での成績、
欧州選手権などいろいろ勝っているが、
それらは全てルイス・アマドのおかげなのだ。
※ ※ ※
(続く)
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イゴールが「普通」...(-_-;