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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

地下横断歩道

2013-06-13 23:06:34 | 秋田のいろいろ
秋田市内にある、歩行者用が道路を横断するための地下道について。正式には「地下横断歩道」と呼ぶらしい。
秋田市にある歩行者用地下道といえば、昔は秋田駅前(西口)の今のぽぽろーどの下にあったのも代表的だったし、茨島交差点の大規模な「バラロード」もインパクトがあるけれど、ここは歴史・まとまった数・通行者数からすれば竿燈大通りの地下道たちでしょう。
(再掲)大町東地下道
1971年(当時は山王大通りの一部だった)に、「H(変則的な形のもある)」型4か所(大町東・大町西・旭北寺町・山王の各地下橋)、「I」型の二丁目橋地下橋の計5つが造られた。
当時のここは、歩行者が道路上を横断することが禁止(自転車専用信号機・横断帯のみだった)されていて、地下道は不可欠な存在だった。
老朽化や汚れに伴い、1995年の竿燈まつり直前に地上の出入口や内部のリニューアルが行われて現在の姿になり、それと前後して自転車横断帯の一部が歩行者も渡れるものに変えられた。2007年の秋田中央道路の地下トンネル開通に伴い、H型の1つ「旭北寺町地下道」が廃止(トンネル避難口に転用)された。
(再掲)内部
現在は同じ交差点で地上の横断と地下道での横断の両方ができる地点もあり、多少信号待ちがあっても地上を渡る人が多い。昔ほど、地下道は重要でなくなっている。
地下道出入口が歩道を狭めていて自転車とぶつかりそうな場所もあるし、漏水(?)も発生している。酔っぱらいなどによって汚されることもあるし、さらに、千秋トンネルなんかよりよっぽど幽霊が出るんじゃないかと思えてしまうような痛ましいことが、内部や周辺で何度か発生してしまっている。
この記事後半も参照

上の地上部と内部の写真はリニューアル後の姿なわけですが、1995年以前はもっと古臭いものだった。
2月ほど前、大町東地下道を通ると、
右側に何か落ちている?

壁が剥がれていた!(工事のため剥がしていた?)
剥がれたところを覗くと…
これって!!
クリーム色の細かい正方形のタイル。これは、リニューアル前の地下道の壁だ。
つまり、以前の壁はそのままで、そこに新しい壁を貼りつけたのだった。
リニューアル前と比べて、内部はきゅうくつになった感じがしていたが、実際にわずかながら以前より狭くなっていたのだ。
地上の出入口部分はまったく別物に建て直したので、以前の面影はない。
※この後の竿燈大通りの地下道関連(タイルや横断可能箇所)についてはこちら
【2014年10月22日追記】
産経新聞によれば、2014年10月17日、この地下道(のどれか)で、壁面下部のパネルのすき間に子猫が挟まっているのが発見された。
秋田中央警察署の署員5名が1時間かけて救出し、ネコは第一発見者の知人が引き取ったとのこと。
ほのぼのとした話題ではあるが、地下道の構造や管理体制の不備が招いた事態と言えなくもない。(以上追記)


ところが、竿燈大通りの地下道のリニューアル前の雰囲気を、内外ともほぼそのまま今に残す地下道が、比較的近くに現存する。
楢山登町の県道28号線(通称「南有楽町通り」)の「刈穂橋東」交差点にある、「登町地下道」。かつてはここに「いとく」があった。
近隣には地下道が一切ない“孤高の存在”であるためか、リニューアルされずにいる。
「H」型。やはり現在は地上も横断できるようになった

出入口。竿燈大通りも昔はこんな感じだったはず
地上部はコンクリートが汚れているし、地震でもあったら若干不安な気もする。
竿燈大通りもこんな表示だったっけ?

いざ中へ
竿燈大通りのより、やや「深い」のか、天井の高さや通路幅などのスケール感が竿燈大通りのとは違うし、タイルの色はピンク~肌色がかっている。
でも、中の雰囲気は以前の竿燈大通りのによく似ていると思う。
階段を下りてから道路横断部へのアプローチ(=「H」の縦棒)が長い箇所もある

道路横断部分は幅が広い
竿燈大通りより通行者数が少なく、酔っぱらいなどマナーの悪い人はいないためか、内部は古いけれどまあまあきれい。
「火災報知機 消火栓連動」とある非常ボタンがあるけど、作動するのかな。竿燈大通りのにはない


秋田市内にある、このほかの地下横断歩道は、牛島~仁井田の国道13号線や四ツ小屋の空港道路のが思い浮かぶ。これらは、昭和50年代にできたもので、外観は茶色系統で、階段の傾斜が緩く(途中で向きが変わるのが多い)・自転車用スロープがあり、時代の変化を感じさせる。
それと同じ設計思想なのが、秋田駅からいちばん近い地下道であろう「千秋地下道」。
(再掲)千秋トンネルを背にして。奥左が手形陸橋
千秋トンネル通り(市道)が県道28号線(脳研・手形陸橋の通り)にぶつかる丁字路交差点「千秋城下町」にある。
出入口は「H」型に配置されているものの、千秋トンネル側にしかないので、市道を横断することしかできない。(その市道には地上の横断歩道がない)県道を渡るには以前から信号機がある。
2010年には秋田市によって冠水警報装置が設置されている。
奥が千秋トンネル

昭和50年代らしいデザイン
この地下道も、カーブのある歩道を塞ぐように出入口が設置されているので歩道は狭くて見通しが悪く、さらに冬は近隣の屋根からの落雪で雪山ができてしまう箇所がある。

ほかに、以前は千秋トンネルから県道へ右左折(特に手形陸橋へ左折)する車から見ると、地下道出入口によって遮られて、県道の横断歩道を横断する歩行者に気づきにくい欠点があった。この点は、手形陸橋側の出入口の車道側の壁を透明板に替えて見通しを良くしたことと、信号機を歩車分離式にして、車の右左折と歩行者の横断を同時にできなくすることでおおむね解決できているようだ。
※ただし、右左折車側の青→歩行者の青というサイクルのため、右左折車が黄~赤信号で無理に突っ込んでくれば、歩行者が危険な状況にさらされることになる。横断する人は充分に注意するとともに、運転者には法を守った自覚ある運転をしていただきたい。
 透明板化に伴い「千秋地下道」の表示も違うものになった


そんな千秋地下道だが、今年度後半(一説には今年12月?)から撤去されるという。
既に近隣・周辺の町内会などには伝えられているらしいし、(秋田市ではなく)県が撤去に関する業務の入札を行なっている。
交差点が歩車分離信号になったこともあり、地下道をなくして市道側にも横断歩道を設けたほうが合理的だ。県道の拡張工事の計画(拡幅用地は地下道と反対側に取られているけれど)とも関連するようだ。

かつては「交通戦争」対策として、歩行者が空中の歩道橋や地下道に追いやられた。
次にバリアフリー対策や老朽化で、歩道橋の撤去がだいぶ進んだが、それが地下道にも及びつつあるということだろうか。歩行者が歩きやすい道・街になってほしい。

【2014年1月17日追記】その後、撤去工事の入札は行われた模様(結果は不明)。しかし、2014年1月17日現在では、工事が始まる気配はない。
【2014年3月28日追記】年度末になっても、地下道はそのまま。
【2014年4月7日追記】2014年度になって早々、改めて撤去工事の入札が公告された。
2014年6月2日から工事が始まることになった。
【2014年6月5日追記】撤去の報道によれば、この地下道は1978年の市道開通時に県が設置したものとのこと。維持管理(冠水警報装置設置や清掃作業)は、秋田市が行っていた。

※秋田市内の別の地下横断歩道

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24 コメント

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地下道 (FMEN)
2013-06-13 23:18:16
R7の茨島~川尻の地下道も登町方式です。
前も書きましたが山王十字路地下道を夜23時前後に何回か歩きましたがやはり雰囲気は…
亡くなった地下道といえば秋田駅BT~IYまでの地下道も。
真ん中に名刺サイズのセンターラインが引かれてましたね。

仁井田、牛島方式のは飯島にもありますが、通行に差し障りや渋滞の多い分離式より地下道や歩道橋の見直しも考えるべきかと。
特に下新橋とか通町二区は分離式は逆効果。
歩道橋も最近減らしてますよね。
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Unknown (聞茶)
2013-06-13 23:39:37
千秋地下道が撤去されるという話があるのですか!?
確かに自転車で通る時もわざわざ地下道を使わずに、交差点を2回通る事が多かったのですが…
茨島や広面(城東十字路)、下北手と言った幹線道路の大きな地下道はこれからも役割を果たしていくのでしょうが(広面のもやや汚れてきた感はありますが)、
昔ながらの歩行者専用地下道は役目を終えていくのかも知れませんね。
狭い、暗い、時間がかかる等の問題が大きいですし。
歩車分離型の交差点は概ね歓迎なのですが、待ち時間の目盛り表示をつけて欲しい所です。
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Unknown (もんも)
2013-06-14 00:43:58
昨日ちょうど千秋トンネル通りました 明徳小に通学していましたが、トンネル地下道坂道とハードな道のりですね 自転車をトンネルで走るだけでへろへろです

脳研の通りをひたすら走って広栄堂でかき氷を食べてイオン中央店に寄って、楢山地下道の横を走って帰りました

渡辺整形はなくなったけど(代替わりに失敗したらしいです)、通町の佐野薬局の裏手にある行きつけの稲見内科が建て増しをしていたので楽しみです 楽しみって病気にならないと行けないけど
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県立中央病院 (あんなか)
2013-06-14 01:16:16
脳研や病院のお話が出ていたので便乗します。
この界隈はやはり県立中央病院の思い出(あんまりいい思い出では無いのですが)ですね。
脳研北側隣の旧衛生看護院の建物が県立中央病院の病棟でした。
昭和40年代初期の頃は2階が第二外科病棟で心臓関係の手術や検査の病棟で手術を受けて集中治療室を出た子供は3階の病棟に移った後再び2階病棟に移ったと思います。
ちなみに成人病医療センターに使っている建物も県立中央病院病棟の建物ですがこちらは新たに増築したものです。
県立中央病院はとにかく暗い雰囲気でしたが1階の売店が何故かおもちゃやプラモデルが充実していて
市内の専門店でも見かけなかったシービュー号のプラモデルが売っていて買ってもらった記憶があります。
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Unknown (Unknown)
2013-06-15 22:47:01
下北手中学校の近くにも地下道がありますが、雰囲気が悪くてあまり通りたくないですね・・・
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コメントありがとうございます (taic02)
2013-06-16 21:10:59
>FMENさん
そうそう、あそこにもありましたね! 茨島交差点と若葉町交差点の間。
物心ついた時から古い地下道のままの気がしますが、工場地帯のひと気のなさもあって、独特な雰囲気が漂うような。
そういえば、7号線の旧土崎支所・消防署のそばにも同じタイプがあったはずです。これも最近撤去されました。
茶色いタイプは上飯島駅前とかですよね。地下道もけっこうあるものです。

歩車分離式は理論上は安全ですが、見切り横断・運転の可能性や渋滞誘発は問題です。斜め横断できないタイプは不便だし。

>聞茶さん
撤去は、いちおう確定事項のようです。もったいない気もしますが、現地を歩く者からすれば妥当で歓迎すべきことと思っています。車道の拡幅は必要性に疑問を感じますが…(近くに市道のアンダーパスもできるので)
地下道は人の目が届かないのと、上り下りを嫌って通るのをためらうのがネックです。新しいタイプは自転車に乗ったまま通る人がいるのも危険です。
歩車分離式は、可能な限り斜め横断ができるスクランブル式にしてほしいものです。

>もんもさん
秋田市中心部では有数の(唯一の?)アップダウンの激しいエリアですよね。車は渋滞気味、バス路線もなく、移動しづらいルートでもありそうです。
渡辺整形外科は、さっき見たら足場を組んでいたので、いよいよ壊すようです。
保戸野の稲見外科内科は、建物自体は残して玄関部分だけ造り直していました。「9月に小児科を新規オープン」とかいう看板が出ていたので、診療科目が増えるということでしょうかね。

>あんなかさん
僕は物心ついた時から「脳研」(正確には新たに脳研ができたという記憶はあるけれど、その前は知らない)でした。建物も以前から引き継いだものがあるんですね。
衛生看護学院跡は空き建物のようですが、脳研・成人病医療センターとともに県道拡張に合わせて動きがあるのでしょうか。
千秋トンネルができる前は堀だったという話も聞くし、ここ30年ちょっとで大きく変わった一帯と言えるでしょう。これからはどう変わるでしょうか。

>Unknownさん
あちらの方にもありましたね。
歩行者が少ない道路でしょうし、通りたくないのも納得です。
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Unknown (Unknown)
2013-06-16 23:44:16
小児科でしたかすっきりしました
稲見さんは20年以上お世話になっておりますので先生が元気なうちはお世話になります

医師会のHPを見ると70歳過ぎても現役の医師がたくさんいました

カジノ眼科が閉院して残念ですね
コンタクトのACLは先生が12月に病気で亡くなりましたが娘さんががんばっているみたいです

入院施設のある産婦人科がめちゃめちゃ少なくなっているのが心配ですね
返信する
ファミリークリニック (taic02)
2013-06-17 00:02:06
「ファミリークリニック」と書いていたような気がします。新しい先生を迎えて、ということでしょうか。
特に古い街では、住人が高齢化し、昔からの医者も高齢化して…となるわけですが。後継者も必ずいるわけではないし。
内科や整形外科は高齢化した地域にこそ必要でしょうから、がんばってほしいです。
新しい世代には、産婦人科や小児科が必要ですよね。
返信する
地下道と歩道橋 (FMEN)
2013-06-17 00:16:39
土崎にもあったんですか。
昔タイプは前も書きましたが山王は黄色字に筆文字で「自転車は通れません」の看板も印象深く。
楢山はさび付いた「火の用心」の看板でしたか。

この黄色地+筆文字は90年代の市内+和田の歩道橋にかかっていた交通標語が馴染み深いでしょうか。
急に見なくなったのは筆耕したお巡りさんが定年にでもなったのかと…
歩道橋は山王、鉄砲町、旭南が外されてます。
地下道にしろ歩道橋にしろ外されるなか、JRが橋上駅や渡りホームを増やしてるのは少し不可解。
返信する
秋田の地下道 (のりぽん)
2013-06-17 01:47:09
もう何年も秋田市内の地下横断歩道は通ってませんね~(汗)
そう、正式名称は「地下横断歩道」なんですよ。
昔のタイプは旧建設省が標準設計図集を作っており、現在も部分的にそれを参考に設計したりします。
ただ、上屋(屋根の部分)はコンクリート製ではなく、ポリカーボネートとか使用しますけど・・・
火災報知器は見たことないですが、通常、外から中が確認できないため、防犯ブザーや監視カメラを設置するのが多いです。
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