秋田市北部、JR奥羽本線・土崎駅から、秋田港のほうへ分岐する鉄道がある。
多くの秋田市民は、土崎駅から先をすべて「(秋田)臨海鉄道」と認識しているが、正しくはない。秋田市ポートタワーセリオンの下付近にある、秋田港駅を境に、2つの会社(路線)に分かれている。土崎駅~秋田港駅は、JR奥羽本線の「秋田港支線」。その先が、第3セクターの秋田臨海鉄道。※秋田港支線は、JR東日本ではなく、JR貨物が所有・管理する路線。
開通は、秋田港支線は1907年、臨海鉄道は1971年。歴史が支線のほうの存在感が薄かった。
支線も臨海鉄道も、貨物専用鉄道だが、1986年にはイベント「秋田博」に合わせて旅客列車が走ったことがあった。この時は、貨物支線と臨海鉄道をまたいでの運行。
さらに、2017年からは秋田港に入るクルーズ船の乗客専用の列車が、JR区間である秋田港駅~秋田駅間で運行されるようになった。
以上、少し前までの状況。
その後、新型コロナウイルス感染症流行により、クルーズ船が来ない年があった。リゾートしらかみの初代・ブナ編成を塗装変更した専用車両は、その間に老朽化もあって廃車された。
さらに、2021年3月をもって秋田臨海鉄道が廃止。会社も解散し、線路も撤去された。
JRの支線区間は廃止されずに残ったが、臨海鉄道がなくなったことにより、貨物列車が走らなくなって休業同然。
そして、コロナが落ち着いて、クルーズ船も再開。クルーズ船客輸送はどうなるのかと思ったら、再開された【将来については末尾追記参照】。
JR東日本公式サイト内「秋田港クルーズ列車ご案内(https://www.jreast.co.jp/akita/topics/cruise-train/)」で、運行日やダイヤが公表されている。船が入るのは冬以外だが、全入港日に運行されるわけではない。2024年は4~11月に0~5回/月。1日当たり、港→秋田が3本、秋田→港が5本。
5月。狙ったわけではなく、旧国道の「相染新田踏切」を通りかかると、警報機が鳴り出してびっくり。港のほうから列車が来た!
奥の橋は国道7号「相染跨線橋」
普段は五能線などで普通列車として使われる、GV-E400系気動車。クルーズ列車のダイヤ上、2本が運用されているはず。
この時来たのは、片運転台のGV-E402-22とGV-E401-22の2両編成で「回送」。港行きの第1便の戻りで、14時20分頃。
連絡先は秋田貨物駅。今なおJR貨物が管轄しているようだ
独特のエンジン音とともに、ゆっくりと通過。
秋田博の列車は、ものすごくゆっくり走っていたような記憶だったが、それよりは速い【20日補足・客車と気動車の性能の違いによるものなのか、美化(?)された記憶の間違いか】。普通の速さの自転車では、列車に追い抜かれそう。
と思っていたら、踏切を過ぎて、民家の軒先や庭先をかすめる辺りで減速。早足で追いかけたら、追いついた。
そして停止。
カーブの先には、遮断器も警報機もない「港船ヶ沢踏切」があり、その先で、奥羽本線の本線に合流し、土崎駅構内へ。
※「港船ヶ沢」って、土崎のほかの場面では聞かない名称だと思う。由来は何だろう?
先方の架線が奥羽本線の本線、右方が土崎駅
貨物列車が走っていた頃は、特に停止していなかったと思う。踏切の念のための安全確認なのか、本線へ入るためのシステム的な都合なのか。
数秒後、警笛を鳴らし(黄色に×の汽笛吹鳴標識がある)、GV-E400系発車時特有の爆音とともに、走り去っていった。
後続の普通列車で秋田へ行って、手形陸橋の下を歩くと、第二手形谷地町踏切が鳴っていた。
さっきの編成が第3便として港へ
秋田港クルーズ列車は6月19日も運行された。次は間が空いて8月1日。
【9月27日追記】9月になって、2026年度以降、クルーズ列車の、というか秋田港支線の存続が危ういことが報道された。
JR貨物による管理が2025年度で終わることになっているそうで、翌年度以降、運行を継続するには、秋田県が主体となって、秋田市、JR東日本秋田支社が約8億円で取得し、毎年7000万円の維持管理費用が必要になるという。どうするか県が検討中とのこと。
多くの秋田市民は、土崎駅から先をすべて「(秋田)臨海鉄道」と認識しているが、正しくはない。秋田市ポートタワーセリオンの下付近にある、秋田港駅を境に、2つの会社(路線)に分かれている。土崎駅~秋田港駅は、JR奥羽本線の「秋田港支線」。その先が、第3セクターの秋田臨海鉄道。※秋田港支線は、JR東日本ではなく、JR貨物が所有・管理する路線。
開通は、秋田港支線は1907年、臨海鉄道は1971年。歴史が支線のほうの存在感が薄かった。
支線も臨海鉄道も、貨物専用鉄道だが、1986年にはイベント「秋田博」に合わせて旅客列車が走ったことがあった。この時は、貨物支線と臨海鉄道をまたいでの運行。
さらに、2017年からは秋田港に入るクルーズ船の乗客専用の列車が、JR区間である秋田港駅~秋田駅間で運行されるようになった。
以上、少し前までの状況。
その後、新型コロナウイルス感染症流行により、クルーズ船が来ない年があった。リゾートしらかみの初代・ブナ編成を塗装変更した専用車両は、その間に老朽化もあって廃車された。
さらに、2021年3月をもって秋田臨海鉄道が廃止。会社も解散し、線路も撤去された。
JRの支線区間は廃止されずに残ったが、臨海鉄道がなくなったことにより、貨物列車が走らなくなって休業同然。
そして、コロナが落ち着いて、クルーズ船も再開。クルーズ船客輸送はどうなるのかと思ったら、再開された【将来については末尾追記参照】。
JR東日本公式サイト内「秋田港クルーズ列車ご案内(https://www.jreast.co.jp/akita/topics/cruise-train/)」で、運行日やダイヤが公表されている。船が入るのは冬以外だが、全入港日に運行されるわけではない。2024年は4~11月に0~5回/月。1日当たり、港→秋田が3本、秋田→港が5本。
5月。狙ったわけではなく、旧国道の「相染新田踏切」を通りかかると、警報機が鳴り出してびっくり。港のほうから列車が来た!
奥の橋は国道7号「相染跨線橋」
普段は五能線などで普通列車として使われる、GV-E400系気動車。クルーズ列車のダイヤ上、2本が運用されているはず。
この時来たのは、片運転台のGV-E402-22とGV-E401-22の2両編成で「回送」。港行きの第1便の戻りで、14時20分頃。
連絡先は秋田貨物駅。今なおJR貨物が管轄しているようだ
独特のエンジン音とともに、ゆっくりと通過。
秋田博の列車は、ものすごくゆっくり走っていたような記憶だったが、それよりは速い【20日補足・客車と気動車の性能の違いによるものなのか、美化(?)された記憶の間違いか】。普通の速さの自転車では、列車に追い抜かれそう。
と思っていたら、踏切を過ぎて、民家の軒先や庭先をかすめる辺りで減速。早足で追いかけたら、追いついた。
そして停止。
カーブの先には、遮断器も警報機もない「港船ヶ沢踏切」があり、その先で、奥羽本線の本線に合流し、土崎駅構内へ。
※「港船ヶ沢」って、土崎のほかの場面では聞かない名称だと思う。由来は何だろう?
先方の架線が奥羽本線の本線、右方が土崎駅
貨物列車が走っていた頃は、特に停止していなかったと思う。踏切の念のための安全確認なのか、本線へ入るためのシステム的な都合なのか。
数秒後、警笛を鳴らし(黄色に×の汽笛吹鳴標識がある)、GV-E400系発車時特有の爆音とともに、走り去っていった。
後続の普通列車で秋田へ行って、手形陸橋の下を歩くと、第二手形谷地町踏切が鳴っていた。
さっきの編成が第3便として港へ
秋田港クルーズ列車は6月19日も運行された。次は間が空いて8月1日。
【9月27日追記】9月になって、2026年度以降、クルーズ列車の、というか秋田港支線の存続が危ういことが報道された。
JR貨物による管理が2025年度で終わることになっているそうで、翌年度以降、運行を継続するには、秋田県が主体となって、秋田市、JR東日本秋田支社が約8億円で取得し、毎年7000万円の維持管理費用が必要になるという。どうするか県が検討中とのこと。