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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

三丁目橋の精霊流し/二丁目橋の地下道

2014-08-17 20:51:11 | 秋田の季節・風景
秋田市中心部の旭川に架かる2つの橋周辺から2題。

お盆が終わって供え物を処分するために、秋田市では「精霊流し」という名のごみ収集が行われる。
本来は川に流して(≒捨てて)いたものを、環境汚染対策のために、市内各所の橋のたもとに置いたむしろの上に出させて収集する事業。例年、15日にむしろ設置、16日に回収。※以前の時期

2012年に家庭ごみの収集が有料化された後も、精霊流しは従前のまま無料で継続されている。
したがって、精霊流しが実質的には「分別なし&無料でゴミを出せる機会」になってしまっているのだが、目に余るようなルール・マナー違反行為はなさそう。
ただし、秋田市側は「透明な袋に入れて(指定袋とは言っていない)」搬出するように告知しているのに、実際には中が見えない袋で出す人が多く、それでも回収されてしまっているのが実情。
今年は、お供えのバナナをカラスが見つけて食い散らかし、見かねた近所の住民が、通常のごみ収集時に使うネットをかけていた場所もあった。
やり方に一考の余地があるようにも思える。

そんな中で、ぜひとも改善してほしいと思っていたことがあった。
2011年の旭川・三丁目橋左岸(東側)の状況
点字ブロックの上にむしろが設置されてしまっていた。ここは白杖の歩行者をよくお見かけする道路であり、これでは通行を妨げて危険。
さらに、ここは歩道が比較的狭く、自転車も通行する。歩行者がむしろを避けようとして進路を変えて、自転車と衝突するなど事故になる危険性も考えられた。
歩行者の安全な通行を妨げてまで精霊流しが必要だとは思えないし、「エイジフレンドリーシティー」とやらを目指す秋田市がこんなことをするのは、ちぐはぐ。
そんなことを、たしか2012年に秋田市役所に伝えさせてもらった。

2013年は現地を見ていなかったが、今年2014年は、
こうなっていた
橋のたもとにはむしろがなく、代わりに橋の中央部の歩道が外側に膨らんだバルコニー状の部分にむしろが置かれていた。これなら安全。
左右4か所にむしろ
近隣の他の橋は、従来通り橋のたもとにむしろがあったが、いずれも歩行者を妨げないように配慮していたようだ。秋田市の対応に感謝。

これなら安全上文句はまったくないが、橋の真ん中にむしろを置くとは、その手があったのかと意表を突かれた。三丁目橋のデザインが功を奏したとも言える。1990年の架け替え以来、普段はほぼまったく役に立っていないバルコニーが、初めて役立ったかも。
精霊流しのやり方としては、元々は川に流していたのだから、人によっては橋の上から捨てていた人もいたのだろう(竿燈の「御幣」は刈穂橋の上から流す)。おかしくはないのかも。

ただ、三丁目橋に4枚もむしろがあるのは、少々多すぎる気がする。
他の橋でも、右岸と左岸の計2か所が原則だし、三丁目橋は周りに民家が少ないし、二丁目橋と四丁目橋がすぐそば。あえてここに持ってくる人はかなり少ない。今年も、
この程度の量
もうちょっと効率化できそうじゃないでしょうか。


それにしても、秋田だけなのかは分からないけれど、残念なことに点字ブロックがないがしろにされるケースが、官民問わず見られる。
視覚障害者(弱視も含む)にとって、点字ブロックは命綱。物を置くとか駐車するとか、その程度の理由で気安く点字ブロックを塞いだことが、重大な結果を引き起こしてしまうかもしれない。
積雪地では、冬は点字ブロックが使いものにならないという側面もあるけれど、せめて雪のない時ぐらい、安心して歩いてもらえるよう、すべての人が配慮できるようになってほしい。



今度は二丁目橋へ。
竿燈大通り東端に架かる二丁目橋。橋の東側には交差点があるが、歩行者用横断歩道はない。
川に沿った南北方向は地下横断歩道の「二丁目橋地下道」を潜って渡らないといけないのだ。
(再掲)
二丁目橋地下道は、竿燈大通りの他の地下道と同様、1971年の大通り完成時に秋田県が設置したもの。(過去の記事
その後、地上部にも横断歩道が設けられ、地下道がなくても済むようになった交差点も多いが、二丁目橋は自転車専用横断帯だけ。おそらく、二丁目橋交差点は交わる両方の道路の交通量が多いため、歩行者が安全に横断できるだけの青信号の時間を確保できないのだろう。【2017年5月17日追記】ここは橋のたもとかつ地下道出入口があるため歩道が狭くなっていて、信号待ちの滞留スペースが確保できない。自転車専用にすることで歩行者を強制的に地下へ下ろして滞留させないという意図もあるのかもしれない。
歩行者の中には、自転車横断帯を渡ってしまう人が少なくない。東西方向は横断歩道橋もあるため、旅行客はどう動けばいいのか戸惑う人もいる。

7月初め、二丁目橋地下道がこうなっていた。
「通行止」っておっしゃいますが…
おそらく2日間くらいかと思うが、地下道が通行止めになっていた。迂回路などの指示はないが、これは自転車横断帯を横断せざるを得ないだろう。隣の交差点へ回れというのは、距離があって酷。

何が行われていたかは知らないが、前後してこんな変化が。
南側出入口
南側の出入口だけに、赤と白の縞の手すりというか柵が1つ設置された。
地上を通る歩行者や自転車と、地下道から出てきた人が錯綜するのを防止するためだろうか。(エスカレーターにも同じ目的と思われる柵が設置されていることがある)
中からの視点。右へ行こうとして自転車とぶつかるケースはあり得るから、多少は有効か?
でも、これだったら通行止めにする必要はない。

さらに、最近はよく雨が降ったので、
中に水たまりができたこともあった
かなり大量に雨が降った後だったから、不具合ではなくやむを得ないことかもしれないが、地下道のデメリット。【18日追記】上記通行止めより後にも水がたまっていたので、工事とは関係なさそう。たまった水は比較的短時間で引くようだ。
歓楽街が近いためか、心ない通行者によって汚されてしまうことが少なくないのも問題。県側も、もう少し積極的に見回りや清掃をやってもいいようにも感じる。


さらにさらに、最近、地下道内の配電盤に紙が挟まっていた。手書きで何か書いてある。
 「この地下通路は税金の無駄遣い」
うーん。ここにこんな紙を置かれたって…
文句があるなら、何が無駄遣いなのか具体的な理由を挙げて、管理者である秋田県のしかるべき窓口へ言ってほしい。
※といっても、現地には連絡先はおろか、これが県管理であることすら表示されていない。また、県は担当セクションの階層が入り組んでいて(地域振興局なんとか課第x班とか)素人には分かりにくい。

地下道を通った人が、地下道に対して何らかの文句があって、手持ちの紙に殴り書きして挟んだのだろう。
「わざわざ穴を掘って歩行者を上り下りさせず、地上に横断歩道を設けろ」とでも言いたかったのだろうか。たしかにその通りだが、それは21世紀の今の視点でのお話。
この地下道ができた昭和40年代は、「道路は車優先。歩行者は車と交わらないように横断する」という考え方で、地下道や歩道橋が全盛で、歩行者が追いやられていた頃。バリアフリーの概念などなかった。
そんな時に造られてしまったのだから、仕方がない。時代に合わなくなったとはいえ、撤去するにもカネはかかり、安易にやればそれこそ「税金の無駄遣い」になりかねない。(千秋地下道のように、撤去を前向きに検討することは必要かもしれない)
こんな紙では落書きと大して変わらないし、これでは何も変わらない。

【19日追記】8月18日に地下道を通ってみると、紙はなくなっていた。内部も少しきれいになった気がするので、清掃が入ったのだろうか。
2022年には、地下道内にカメラが設置された

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