ネットが普及したことにより、格段に便利になったものの1つが、地図。(似たような文を過去に何度も使っていますが)
紙の地図を探して買わなくとも、目的の所在地や名称を入力すれば、すぐにたいていの場所の地図が「Googleマップ」などで見られるようになった。(その分、人々の地図を読んだり作ったりする“能力”は衰えることにもなってしまいそう)
昨2015年春頃、Googleマップ上に、本来は存在しない施設名などが表示されることが日本で問題になった。海外でも同種のトラブルが起きているとのこと。
例えば、存在しない宗教団体っぽい名称が皇居などに表示されたり、秋田空港の滑走路に「びっくりドンキー」ができたりした。
その後、一部は警察により立件され、3名が書類送検されたとのこと。
僕はそれまで、Googleマップに表示されるデータは、ストリートビューのように自社で調査したり、ゼンリンなど専門企業から提供を受けているもの、つまり信頼性があるものだと思っていた。(マピオンなど専門地図サイトはそうなんだろう)
Googleマップにも「ZENRIN」の表記はあるが、それは施設名ではなく、道路や地形など地図データをもらっているということなんでしょう。
Googleマップで表示される施設等の名称は、ユーザーからの情報を元にしたデータが使われているのだそうだ。
本来は、ユーザーからの情報をGoogle側で審査を行ってから掲載するのだが、そのチェックが甘くて発生した事態ということになる。
意図的な改ざんは別としても、それ以外にもGoogleマップには、ミスなのか不自然な表記も散見される。
秋田市中通にある、林野庁の東北森林管理局。検索窓に「東北森林管理局」と入力すれば、
すぐに場所が分かる
ところが、文字を入れずに地図を動かして現地にたどり着くと、
「東北森林管理局総務課課長」
倍率を変えても、「東北森林管理局」は表示されずに「東北森林管理局総務課課長」という役職名だけが表示される。
たしかにそこにそういう人はいるだろうから、間違いではない。でも、もっと偉い人もいるのに、それを差し置いて課長とは。そもそも地図上に表示するのは不自然。電話帳のデータから拾ってきたのだろうか。
現在は修正されているが、山王の秋田県庁だったか裏の合同庁舎だったかにも、「なんとか部長」みたいなのが表示されていたことがあった。
ほかにも、おかしなものがいくつか。
「聖霊女子短期大学 付属中学校」
間違いじゃない。(「附属」でなく「“付”属」表示なのも、同校では正当)
ただ、ここには「付属高等学校」も併設され、そっちのほうが有名。というか中学校は2013年度から募集を停止していて、開店休業状態。
なお、検索窓に「聖霊高校」などと入れた場合、この場所が表示される。ただし、森林管理局と違って地図上の表示は中学校だけのまま。
まだまだあります。
「シリツアキタソウゴウビョウイン」
って「市立秋田総合病院」でしょ。
「アキタシリツチュウオウトショカンメイトクカン」
って「秋田市立中央図書館明徳館」でしょ。
駅前のフォンテ内の出先は正しい表記だけど。
どちらも、聖霊高校と同様に検索でたどり着くことは可能。
訂正させることはできないのか。
名称をクリックすると、施設についての情報が地図左側に表示される。そこに「編集を提案する」というのがあり、そこからGoogleへ情報を送ることができる。Googleのアカウント(Androidを使っている人はだいたい持っているでしょう)が必要みたいだ。「ライトモード」のマップからはできない。
市立病院と明徳館を指摘しました
審査を行い、結果がメールで送られてくるそうだ。
さらにちょっと違うのがほかにもあって、
「大森山動物園」だけど「閉鎖」?!
施設の詳細画面を開くと、「閉業」とある。Googleマップでは「閉鎖」と「閉業」を同じ意味で用いているようだ。
大森山動物園は現時点では冬期の縮小営業中で、平日は入園できない。
「閉業」という言葉自体、あまり使わないけれど、「廃業」と同義の「もう2度と開業することはない」というニュアンスがあるように感じるから、そぐわないのではないか。
Googleホームページ内「マイビジネスヘルプ」「ビジネスに閉業または移転のマークを付ける」には、「ビジネスがその場所に存在しなくなった場合は、Google マップ上で閉業や移転としてマークを付けることができます。」とある。
また、盛岡市動物公園は、冬期間は一切営業しないが閉鎖・閉業扱いにはなっていない。スキー場が全部、夏の間は閉鎖・閉業と表示されるわけでもないだろう。
以上から、大森山動物園を「閉業」とするのは誤りだ。これも報告しておいた。
【27日画像追加・追記】
Googleで「大森山動物園」をWeb検索した結果画面(グレー枠は拡大したものを合成)
Web検索しても「閉業」「閉店済みとして登録されています」となる。ここからも報告できる。
ついでに、建物すらなくなった秋田銀行秋田支店がまだ営業していることになっていたので、それは「閉業」と報告。
【修正状況を追記】
・1月28日夜の時点で、市立病院が漢字表記に変わっていた(ただし変更した旨の通知メールはなし)。明徳館、大森山、秋田支店はそのまま。
・2月2日に秋田銀行秋田支店を閉店扱いにした旨のメールが届き、地図にも反映されていた。
・2月14日に大森山動物園がやっと“開業”。明徳館は未更新。
「閉業」の表示が消えた
ネット検索と一体化し、検索結果からすぐに地図に切り替えられ、そこからさらにストリートビューにも移動できるという意味では、Googleマップはとても使いやすい。
しかし、以上のような問題もあることを理解して使うべきだ。また、各団体や施設・店舗等が、自分の名前が適切に掲載されているか、自分自身で日頃からチェックすることも必要だろう。
また、Googleマップは西洋の「通り」を基準にした住居表示がベースのためか、日本の「番地」基準では、町・丁目や番地の境界が分かりづらい。「マピオン」など日本の地図サイトのほうがしっくり来る。
ほかに「地理院地図」も捨てがたい。上手に使い分けが必要です。
紙の地図を探して買わなくとも、目的の所在地や名称を入力すれば、すぐにたいていの場所の地図が「Googleマップ」などで見られるようになった。(その分、人々の地図を読んだり作ったりする“能力”は衰えることにもなってしまいそう)
昨2015年春頃、Googleマップ上に、本来は存在しない施設名などが表示されることが日本で問題になった。海外でも同種のトラブルが起きているとのこと。
例えば、存在しない宗教団体っぽい名称が皇居などに表示されたり、秋田空港の滑走路に「びっくりドンキー」ができたりした。
その後、一部は警察により立件され、3名が書類送検されたとのこと。
僕はそれまで、Googleマップに表示されるデータは、ストリートビューのように自社で調査したり、ゼンリンなど専門企業から提供を受けているもの、つまり信頼性があるものだと思っていた。(マピオンなど専門地図サイトはそうなんだろう)
Googleマップにも「ZENRIN」の表記はあるが、それは施設名ではなく、道路や地形など地図データをもらっているということなんでしょう。
Googleマップで表示される施設等の名称は、ユーザーからの情報を元にしたデータが使われているのだそうだ。
本来は、ユーザーからの情報をGoogle側で審査を行ってから掲載するのだが、そのチェックが甘くて発生した事態ということになる。
意図的な改ざんは別としても、それ以外にもGoogleマップには、ミスなのか不自然な表記も散見される。
秋田市中通にある、林野庁の東北森林管理局。検索窓に「東北森林管理局」と入力すれば、
すぐに場所が分かる
ところが、文字を入れずに地図を動かして現地にたどり着くと、
「東北森林管理局総務課課長」
倍率を変えても、「東北森林管理局」は表示されずに「東北森林管理局総務課課長」という役職名だけが表示される。
たしかにそこにそういう人はいるだろうから、間違いではない。でも、もっと偉い人もいるのに、それを差し置いて課長とは。そもそも地図上に表示するのは不自然。電話帳のデータから拾ってきたのだろうか。
現在は修正されているが、山王の秋田県庁だったか裏の合同庁舎だったかにも、「なんとか部長」みたいなのが表示されていたことがあった。
ほかにも、おかしなものがいくつか。
「聖霊女子短期大学 付属中学校」
間違いじゃない。(「附属」でなく「“付”属」表示なのも、同校では正当)
ただ、ここには「付属高等学校」も併設され、そっちのほうが有名。というか中学校は2013年度から募集を停止していて、開店休業状態。
なお、検索窓に「聖霊高校」などと入れた場合、この場所が表示される。ただし、森林管理局と違って地図上の表示は中学校だけのまま。
まだまだあります。
「シリツアキタソウゴウビョウイン」
って「市立秋田総合病院」でしょ。
「アキタシリツチュウオウトショカンメイトクカン」
って「秋田市立中央図書館明徳館」でしょ。
駅前のフォンテ内の出先は正しい表記だけど。
どちらも、聖霊高校と同様に検索でたどり着くことは可能。
訂正させることはできないのか。
名称をクリックすると、施設についての情報が地図左側に表示される。そこに「編集を提案する」というのがあり、そこからGoogleへ情報を送ることができる。Googleのアカウント(Androidを使っている人はだいたい持っているでしょう)が必要みたいだ。「ライトモード」のマップからはできない。
市立病院と明徳館を指摘しました
審査を行い、結果がメールで送られてくるそうだ。
さらにちょっと違うのがほかにもあって、
「大森山動物園」だけど「閉鎖」?!
施設の詳細画面を開くと、「閉業」とある。Googleマップでは「閉鎖」と「閉業」を同じ意味で用いているようだ。
大森山動物園は現時点では冬期の縮小営業中で、平日は入園できない。
「閉業」という言葉自体、あまり使わないけれど、「廃業」と同義の「もう2度と開業することはない」というニュアンスがあるように感じるから、そぐわないのではないか。
Googleホームページ内「マイビジネスヘルプ」「ビジネスに閉業または移転のマークを付ける」には、「ビジネスがその場所に存在しなくなった場合は、Google マップ上で閉業や移転としてマークを付けることができます。」とある。
また、盛岡市動物公園は、冬期間は一切営業しないが閉鎖・閉業扱いにはなっていない。スキー場が全部、夏の間は閉鎖・閉業と表示されるわけでもないだろう。
以上から、大森山動物園を「閉業」とするのは誤りだ。これも報告しておいた。
【27日画像追加・追記】
Googleで「大森山動物園」をWeb検索した結果画面(グレー枠は拡大したものを合成)
Web検索しても「閉業」「閉店済みとして登録されています」となる。ここからも報告できる。
ついでに、建物すらなくなった秋田銀行秋田支店がまだ営業していることになっていたので、それは「閉業」と報告。
【修正状況を追記】
・1月28日夜の時点で、市立病院が漢字表記に変わっていた(ただし変更した旨の通知メールはなし)。明徳館、大森山、秋田支店はそのまま。
・2月2日に秋田銀行秋田支店を閉店扱いにした旨のメールが届き、地図にも反映されていた。
・2月14日に大森山動物園がやっと“開業”。明徳館は未更新。
「閉業」の表示が消えた
ネット検索と一体化し、検索結果からすぐに地図に切り替えられ、そこからさらにストリートビューにも移動できるという意味では、Googleマップはとても使いやすい。
しかし、以上のような問題もあることを理解して使うべきだ。また、各団体や施設・店舗等が、自分の名前が適切に掲載されているか、自分自身で日頃からチェックすることも必要だろう。
また、Googleマップは西洋の「通り」を基準にした住居表示がベースのためか、日本の「番地」基準では、町・丁目や番地の境界が分かりづらい。「マピオン」など日本の地図サイトのほうがしっくり来る。
ほかに「地理院地図」も捨てがたい。上手に使い分けが必要です。