広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

「本の三浦」消える

2020-12-18 00:05:49 | 秋田の季節・風景
ほとんど行かない場所とはいえ、こんなモノがまだあったのか! というのを教えていただいた。以下は11月下旬撮影で、現在はなくなってしまった。
秋田駅から真東へ1.5キロ、県道41号・横山金足線と交わる大きな交差点「城東十字路」、地下横断歩道は「広面ジョイパス」。
北側から城東十字路方向
幹線道路沿いだけに路面店【2023年5月10日訂正】ロードサイド店が多いのだが、今はないはずのものがあるかのような看板がある。
向かい側から十字路を背に北方向
吉野家の上に、やや色あせた赤と白の高い看板が上がっているのだが…
再び向かいから
「三浦の本」か「本の三浦」かどちらにも読める看板が、吉野家の建物から突き出ている。
平成中頃までの秋田市を知る人には「本」「三浦」といえば、ピンと来て懐かしくなるかもしれない。

たしかに、吉野家と同じ建物に、書店(というかDVD店・買取店?)は入っている。だけど「Starbook書店」という名で「三浦」ではない。
看板にネオンや配線が付いているのが分かるが、営業時間内に暗くなっても点灯しなかった。
脚の下にブルーシートが巻かれる。側面には「BOOKS」
Googleマップ ストリートビューでは、2015年8月撮影までは現状と同じ。脚のブルーシートはなかったけど。ところが、その前の2012年10月撮影では、
「本 DVD&ビデオ」でライト付き、側面は同じ「BOOKS」
もともと「三浦」だった看板の上に、「本 DVD&ビデオ」の看板と照明を重ねていたのが、2012~2015年の間になくなって、「三浦」が再び現れていたのだった。
少なくとも5年間は、存在しない店の看板が出ていたことになる。12月初めに足場が組まれ、現在では脚ごとなくなってしまった。


さて、「三浦」のこと。
かつて「三浦書店」というのがあった。加賀屋書店と並んで、秋田市を代表する本屋であった。
特に昭和末は、どちらも秋田市中心部・広小路に面して店を構えていた。うち、加賀屋書店は広小路の本店を2012年に閉店しているが、今は中心部以外の他店【18日補足・企業や役所相手の外商も】で存続。

三浦書店は、広小路の本店を、平成初めにできたアトリオンの仲小路側一角に移転(旧店舗跡が三浦書店所有のまま「YESそうご電機」になったそうだ)。
その後、1999年か2000年辺りに、経営破綻・廃業したようだ。
アトリオンの書店はその後も営業していた(2008年までらしい)が、経営者が秋田共同書籍【2023年10月16日訂正】秋田協同書籍に代わって「ブックス・シティ アトリオン店」だった。

意識していなかったが、三浦書店も市内各所に支店があったそうで、その1つが、ここ城東十字路近くの広面字樋ノ沖。
教えていただいた話によれば、昭和末~平成初期頃にでき、1999年に一部を吉野家とした。秋田県初の吉野家。
それからまもなく、三浦書店が廃業したことになる。
しばらくは書店部分は空き家で、2004年にスターブックスが入ったとのこと。

周りに他の看板が多く、信号待ちでなければ見過ごすかもしれないが、どれほどの人がこの看板に気付いていただろうか。
店(企業)がなくなって10年以上経った時、亡霊のごとく現れ、約5年間周りに溶けこみ、姿を消したのだった。あと、屋外広告物の届け出や手数料がどうなっていたかも、気になる。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (FMEN)
2020-12-18 13:20:15
てっきりこの店が三浦書店だとばかり。
古くからなくなっていたとは。
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看板に気付いた人は (taic02)
2020-12-18 19:36:54
看板を見つけてしまった人は、そう思ってしまうでしょう。昔の三浦書店と結びつけるかどうかは、また別で。
根本から撤去するのをためらった結果でしょうけど、悩ましい看板でした。
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Unknown (Unknown)
2021-04-12 23:55:07
三浦書店、経営者が今のカラオケバンバン駅前店のところにあった銀座ライオンと同じでした。四半世紀ほど前に今の快活クラブ広面店の2階に辛味噌ラーメンの店を出店しましたが長続きせず。三浦書店の手形店は中高生時代に寄り道の定番コースでした。跡地は古書店が短期間入居したあとにJAなまはげの支店になっています。
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書店だけでなく (taic02)
2021-04-13 00:30:45
飲食業界もいろいろ手掛けていたのですか。
銀座ライオンがなくなってからだいぶ立ちますが、書店閉店と同じ頃まであったでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2021-04-17 00:01:13
現在の、JA秋田なまはげライフサービス本社は、三浦書店広面店として使っていた建物ですね。

その後、JA新あきたの東支店→JA新あきたの営農センター→JA新あきたライフサービス→JA秋田なまはげライフサービス、となって現在に至ります。

それ以前の東支店(広山田支店)跡地は、コインランドリーとして新築しましたし、営農センターとライフサービスの本社は交換の形で同時移転しています。

東支店自体は、城東消防署近くに移転し、秋田なまはげ農業協同組合秋田駅東支店として、現在に至ります。

加賀屋書店も東通仲町と茨島にしか店舗がない状況なので、一時代が終わったのかな、と感じます。
小売よりも、外商がメインなので、一般の顧客にも自宅に本を届けてくれるとの頃ですが。
高桑書店も別会社にTSUTAYAを譲渡したらしいので、本屋さんにとっては、真冬の時代になりつつあります。

今の本屋さんは、どうしても大手と通販がメインなんだよね。
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三浦書店広面店跡 (taic02)
2021-04-17 20:17:08
今も、出入口の三角屋根風のひさしがあって、書店時代の名残りでしょうか。本屋としては悪くない場所だった気がします。

加賀屋書店は駅前から撤退してしまったものの、その後は目立った縮小はなさそうで、よくがんばっているのではないでしょうか。
これからの時代は外商が強みになるのかもしれません。でも、高齢者もネットを使うようになっていく時代ですから、また厳しくなるのか…
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