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メゲメゲルンバ

2023-10-08 20:12:59 | 昔のこと
NHK「みんなのうた」の2023年10月・11月の再放送曲。※昨年時点では、NHKプラスでの見逃し配信はされていなかったはずだが、現在はされるようになった。
「メゲメゲルンバ(メゲメゲ・ルンバ)」がついに放送。

初回放送は1981年10・11月。
Wikipediaでは、今回のテレビでの再放送は、1982年以来35年ぶりとか書いてあるけれど、違うと思う。1980年代後半にも再放送されているはず。僕は初回放送とその翌年の記憶はなく、1980年代後半の再放送枠でこの歌を知って、好きになったから。
また、ステレオ音声に聞き覚えもあったので、21世紀に入ってからも、1回限りなどで放送されているかもしれない。※みんなのうたは1981年度新作からステレオ音声。

作詞:藤田詩織、作曲:古田喜昭、編曲:松井忠重、歌:詩織、アニメーション:倉橋達治。
作詞者が歌っているのかな。
作曲者は、1980年代に、みんなのうたのほか、アイドルやアニメの歌を多く作っている。作詞もしたり、テレビ朝日「パーマン」のエンディング「パーマンはそこにいる」は歌唱も。

歌詞も、曲も、歌い方も、アニメーションも、どれも楽しい。
テンポよく、ちょっとスリリングな展開でもあり、いちおうハッピーエンド。子どもの(大人でも?)歌はこうでなくちゃ。ただ、後述のように、今、歌詞をかみしめてみると、考えさせられるものもなくはない。
再放送の少なさのせいか、明るすぎる曲調のせい(トラウマ曲として記憶に残る人などいまい)か、当時子どもだった世代でも知らない・覚えていない人が多いと思われるが、みんなのうたの名曲の1つとしていい。
なお、ヒット曲「コーヒールンバ」にどことなく通じる点もあるけれど、約20年の時差があり、曲調などはだいぶ違うと思う。

久々に見たアニメーションは、全体にくっきりしていて、色鮮やかに感じた。
この年代の再放送曲では、基本的に保存映像をそのまま放送しているのか、フイルムの質感やノイズがあるのに、本作はそれが少ないように見えた。デジタルリマスターしたのか?【8日追記・でもノイズも残っていて、一般的なデジタルリマスター後の映像ともまた違う感じがする。】

名曲メゲメゲルンバには、“汚点”があった。
歌詞の字幕に間違いが3か所もあったのだ。
みんなのうたに限らず、昔のテレビの字幕は現在ほど容易に訂正はできなかったはずで、手書きで修正される場合もあった。本作は間違いに気付けなかったのか、気付いたけれど、もう手直しできない状態だったのか。1980年代の再放送では未修正で、うち1つは、子どもの頃に気付いていた。

今回の再放送。
「事件を次々解決してたよ」は、
「次々 解決」

「シェイアップした」は、
「シェイプアップした」

「昔ばなしする」は、
「昔ばなしする」
すべて修正されていた。

1983年の「オナカの大きな王子さま(岸部シロー版)」では、「(空飛ぶ)じゅうたん」が「じゅたん」と誤植されていたが、2000年代以降の再放送では修正されていた。
そちらは、元の字幕にボカシのようなものをかけ、異なるフォント(名称不明)で「じゅうたん」を上書きしていた。背景のアニメが白っぽいので目立たなかった。

ところが本作では、修正後も、オリジナルのモリサワ「テレビ太ゴシック体BT1」のまま。BT1はデジタルフォント化はされていない。
「シェイプアップ~」のフレーズは、字幕全体が若干傾いている(昔はたまにあった)のだが、傾いたまま修正されている。
ボカシなどなく、背景のアニメは色も動きもあるのに、ボカシ、にじみ、ゆがみのような不自然さはない。間違いがなかったかのよう。

リマスターついでに【8日追記・リマスターではなく、誤字部分に限定した】誤植修正を行って、これが現在のデジタル画像処理技術の威力ということなのだろうか。
「次々 解決」は、他の箇所には見られない、全角1文字分の空白ができているので、「に」を消したのか?
「プ」は、後の「プ」から切り貼りしたのか?
「昔ばなし」は、「を」を消して、右へ移動したのか?(文字の大きさや線の太さが若干違う気もする)

初回放送の雰囲気そのままに、汚点がなくなって良かった。


ところで、「メゲメゲ」って?
曲中では、歌詞には出てこず、「メゲメゲメゲルンバ」の合いの手が入るのみ。
主人公は、2度、ピンチに陥り、どちらもいちおう立ち直る。メゲないということだろうか。

主人公は、誰にも乗れない空飛ぶじゅうたんを乗りこなすスーパーヒーローだったのが、空飛ぶじゅうたんが一般に普及したことで「ただの人」になり、それを受け入れる。
空飛ぶじゅうたんを、ワープロ、パソコン、インターネットに置き換えて、我々世代に当てはめてみれば、なんだか身につまされるものがある。【11月2日追記・新美南吉「おぢいさんのランプ」とちょっと通ずる点がある。】

今回気付いたが、アニメーションでは、一般人が乗る空飛ぶじゅうたんには、自動車と同じハンドルが付いてるのに対し、(元)スーパーヒーローとおまわりさんが乗る空飛ぶじゅうたんには、それがない。
したがって、スーパーヒーローは、標準以上の空飛ぶじゅうたん操縦能力を持っていると考えられる。それを活かす道もあるかもしれないが、「ただの人」を選んだというのも…


ところで、今回の再放送でセットになる曲は「勇気一つを友にして」(勇気一つを→メゲメゲの順)。1975年10・11月初回放送。
メゲメゲルンバとは、初回放送月が一致するのと、歌い出しが「昔ギリシャの」「昔ペルシャに」であることくらい【9日追記・それに「主人公が空を飛ぶ」こと】が共通点。こちらは嫌いな曲である。続く

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