田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

蕎麦屋

2017年10月02日 | 日記
 秋の遠足の昼食の出来事。二人共歳のせいで、脂っこいものは避けつつ、少食なのです。観光地で悩むのはお昼ご飯。ツアーだと旅行社が前もって予約してくれています。決して安くありませんから、もったいなくって贅沢ですが、お腹八分目を重視しますが、たいてい私は完食、後で後悔します。
 
 さて、今回の遠足。町並み配慮で民家風のハンバーガーショップもあるのですが、若者が行列。高級お肉も有名ですが、胃もたれしそう。結局、古い町並みが途切れたところにあった蕎麦屋さんへ。
 
 洗張したような、清潔な暖簾をくぐる。客は無し。一瞬嫌な予感が『観光地の蕎麦屋だからなぁ』奥から「いらっしゃませぇ」とお婆さんの声。テーブルに手をつかなければ歩けないほど足が不自由。水の入ったコップをゴンゴンとテーブルに。妻はざる蕎麦、オイラはエビ天ぷら蕎麦を注文。
 
 長い待ち時間。どんぶりを一見、蕎麦の量が少ない。黒っぽい田舎蕎麦、一本すする。蕎麦が柔らかい。ま、オイラは柔らかめが好み、五回ほどすすれば完食してしまいそう。味わって食べましたが、850円は高くね?。美味いけど。
 
 そのお婆さんが『志村けんのひーちゃん』そっくり。なんか損したような気分でお店を出た二人。その後、国分寺をゆっくり見学。腹ごなしどころか、まだ食べられそう。
 
 夕日は西に傾き、久しぶりに駅弁を買いました。電車の中でゆっくり味わいながら頂きました。米が美味しい。近頃の駅弁は実に美味しい。そして昼の蕎麦を妻と語りました。
「俺たち、本当の蕎麦の味って知らないよな」
『そうね、今日の昼の蕎麦が、昔ながらの蕎麦の味じゃない?』
「うん、今になって思うけど、不味くは無かった」
『私も、美味しいとは言えないけど、不味くなかった』
「俺たち、腹一杯にならないと満足しなくなったのかなぁ」
『そうよね、昔は蕎麦はオヤツだったらしい』
「だけど、あの店は繁盛しそうにないなぁ」・・・
『あの味、なんか癖になりそう、次に行くときは閉めてるね』

 グルメ番組が多い昨今、本当にうまい味を知らない私達。生まれ持った音痴な舌かもしれない。世の中それほど不味いものは多くない。お昼に食べた蕎麦の味、不思議と忘れられない味と舌触りと喉越し。もしかしたらあれが絶品かも・・・。おしまい。