田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

震災後の東電株

2017年10月19日 | 日記
 株はやらない私だ。理由は、数字は弱くないが、経済の数字は弱い。個人事業主になって、帳簿を勉強したが、基本の「貸し方借り方」がわからない。もっとも私の商売は仕入れが無いから、小遣い帳で済む。そんな私、株は恐ろしくてできない。「遊ぶ余裕は無い」と妻も言う。株は遊びかギャンブルと思っている。
 
 少し前にこんな記事が目に焼き付いている。『大震災から6年 あの時、東電株を買ったらどうなっていたのか?』
 
 これを現実に買った知人がいる。団地に移り住んで知り合った人、私より年長である。地元電力会社を定年まで勤め上げた筋金入りのサラリーマン。サラリーマン特有の「長いものには巻かれろ」理論を屈託なく話す人だから好感が持てた。私の考えとは水と油だが、彼は彼なりに私の生き方を認めてくれた。
 
 声が大きくワガママな団地老人達への憂さ晴らしで、団地内の懇話会が年に二回ほどあった。その席で彼が妻に「事故が起こる直前に、退職金全てを東電株に変えちゃって・・」と妻に愚痴った。相当落ち込んでいたそうだ。妻からその話を聴き、彼を慰めるのも気が引けるし、彼の信条「長いものには巻かれろ」も時としては危険、誰があのような災害を予見できたであろうか。

 とっくり酒を持ち、彼が来て「私らのような地方電力会社の者にとって、東電は憧れだった。いつか東電の株主になろうと思っていた」と語った。
 
 一生の代価である退職金が目減りしたことは辛かろう。だが憧れの社の株主になり、支配の真似事をしようとしたのは確かだ。彼はマンションを処分し、妻の実家の老いた母親を、妻とともに介護している生活だそうだ。近年、少しは株価を戻しているのが救いだ。
 
 明日は、退職金をマイホームにつぎ込んだ高齢者について書きたい。