田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

辞めて正解だった・・個別指導塾でブラックバイトが横行

2015年07月07日 | 仕事
 塾講師を辞めて正解だった。辞めてしばらく経つ。近頃は、私が教えていた国家資格を受験しようとする者が激減しているそうだ。資格は得ても、就職がままならねば、若者の心は離れるばかりである。辞める直前の塾は、受講生獲得のために営業は走り回り、ツバつけた応募者に食らいつき、消費者センターから何度もお叱りを受ける有り様だった。塾の立ち上げ時を知っているからこそ、悲しい限りであった。
 
 バブル期、民間活力を利用する一環から、受講費用の8割を国が負担する政策が実施され、社会人向けの塾は大躍進した。これを受け、主要都市の主だった駅前に、語学塾にならうかのように校舎を展開した。当然のごとく、講師は不足し、資格を有した者なら誰でも良い、という安直な考えが経営陣に広がった。
 
 しばらくすると、力不足の講師が受け持つ受講生から不満が聞こえるようになった。ベテラン講師が若い講師を指導するシステムが考えられたが、このシステムは利益を生まない。教える講師、教わる講師それぞれに給与を支払わねばならず、当然のように失速した。
 
 次に経営陣が考えたことは、授業料の大幅アップと講師の給与削減、さらに合格率による賞与と懲罰方式で講師の尻をたたいた。営業も過酷なノルマが課せられ、ピラニア営業と悪評が広まった。当然このような経営を続ければ受講生は集まらなくなる。このような事態に陥った最大の原因は、経営がワンマンであったことに尽きる。幾度と無く『合格率こそ、最大の営業』と言い続けたが、目先の収入に惑わされたことが失敗の原因である。
 
 さらに、経営者トップが、いかに教育に優れた人物であるかを示すために、いくつかのTV番組に出演したことだ。一般人が番組を見れば、理想の塾経営であるかのように見えてしまうが、あくまでも宣伝番組である。真実がたくみに隠されていることがことが、とても恐ろしかった。経営者にしてみれば、これだけ手を打っても改善しない状況から逃れるためには、弱い講師をブラック化する以外の方法を思いつかなかったのであろう。
 
 最後の雇用契約書を見れば「遅刻した授業の給与は無給」「後任者が決まる前に退職すれば、損害賠償を請求する」とあり更に「契約終了後2年間は、○○○の内容を口外してはならない。それによって○○○が損害を・・・損害賠償を請求する」とあった。2年を過ぎたから縛りはなくなったと思って書いた。
 
 社会人は大人だから、授業料支払いの契約書には簡単に印を押すなよ。余った時間に講師などを片手間にやってみようと思う人には、安易な道を選ぶなよ、と言っておきます。