田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

闇の中の発光現象

2014年10月21日 | 日記
 朝刊のキッヅコーナーで、氷砂糖の圧縮破壊で起こる発光現象を読みました。広く知れ渡ったことで、私だけが知らなかったかもしれませんが、長年の謎が解けましたデス。スッキリ。

 
 故郷の近くに温泉町があります。湯治客がお土産に買う「○○豆」なる豆菓子がありました。大豆を砂糖でくるみ、10個に1個くらいの割合で、海苔でくるんだのもありました。私は海苔でくるまれたのが好きで、そればかりを食べ、母から「そんな贅沢な食べ方をしてはだめだ。これを食べられずに死んだ人も多くいる。バチが当たる」と、よく叱られました。

 
 その砂糖でくるんだ豆菓子を闇夜で割ると、炎が出ると言われていました。私は何度も何度も試しましたが、一度も炎を見たことはありませんでした。もしかしたら、食べるより多くつぶしたかも知れません。

 
 ある夏の日の夜に近い夕刻でした。単線だった鉄道は、衝突を防ぐために、駅にある複線区間ですれ違いをしなければなりません。その場合は、上り線と下り線の利用客で駅が賑わいます。毎日午後7時半を過ぎた頃にすれ違いがありました。夏の遅い日没でも、辺りは街灯の裸電球だけだったと思います。汽車に乗る人、汽車から降りた多くの人が『青い火の玉』を見たそうです。火の玉はユラユラ漂い、駅から坂を上った、二軒ある商人旅館の一軒の大屋根の棟を確かめるようにとどまり、消えたそうです。

 
 汽車から降りた人は家路へと自転車や最終バスで帰るのでした。そして夕食で、旅館の大爺さんが午前中に亡くなったことを知ったのでした。村人の話をまとめるとこのようでした。

 
 私は火の玉を見ていませんので、想像が恐怖を呼びました。もしかしたら、豆菓子の中に、菓子を食べられなかった人々の怨念が封じ込められているのではなかろうかと思うようになりました。それ以来、豆菓子の缶の蓋を開けたことはありませんでした。そしてすっかりそのことを忘れてしまいました。必ずしも食べたいお菓子ではなかったかもしれません。
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『暗くした部屋で、氷砂糖をペンチではさんでつぶしてみましょう。うまくいけば、氷砂糖がつぶれる瞬間に光が見えます。これは、氷砂糖の結晶が強い力で壊され、元の状態に戻ろうとするときに見られる現象です。むずかしい言葉で、摩擦ルミネッセンスと呼ばれています。摩擦ルミネッセンスは400年も前に、フランシス・ベーコンという人が、砂糖のかたまりを爪でひっかくと光ることを発見しました。』だそうです。

 ちなみに、このお菓子は現在でも販売され、ホームページでは炎が出ると、今でも書かれています。姉にお願いして買ってきてもらおうなんて思う今日この頃。田神六兎グッチがお知らせしました。おしまい。