田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

それは、新たな詐欺の入り口だと思う

2014年01月15日 | 日記
 息子の嫁さんが、ひどく神経質になっていることがわかった。嫁さんは、現代の若者らしく、海外へも旅に行く娘である。その行動的な行いに、若干心配をしていたから、神経質になることは、良いことなのだが、そこまで疑わなくても良いのに、と苦笑してしまった。
 ことの起こりは、我が家の出した年賀状に「帰国したら連絡をしてね。」と一筆添えたことが発端であった。息子達の考えは、これが盗み見されたら、留守であることが分かってしまう、と思うらしい。もちろん郵便受けは施錠される、昨年竣工した防犯優良マンションである。「誰が盗み見するの?。」との私の問いに「配達員はアルバイトだから、見るに決まっている。」とアルバイトを疑うのであった。「なぜ、そう思うの?。」と問いただしたら、息子は郵便アルバイトの分類作業を経験し、その際盗み見しているのを、何度も目撃したと言うのであった。局内の分類作業を配達業務に結びつけるのは、あまりに唐突だと思うのだが、アルバイトを経験した者が、信書の秘密は守られていないことを言うのであった。なるほど、学校単位の校下で分けた、賀状分類業務には、地元の高校生をアルバイトで採用している。差出人に友人の名を見つけても不思議ではない。しかし、寒空の年賀状配達業務は、盗み見できるほど、時間の余裕はない。正月でも世間の目は無いとは言えない。途中で盗み見などできぬと思うが、こればかりは配達業務を経験させねば理解でないであろう。良しも悪しも経験が大切だ。
 嫁がなぜ神経質になったのか、次の話を聞いて理解できた。ある日の朝、通勤途中に、見知らぬ男から手紙を渡されたそうだ。手紙の内容は、『好意を寄せているから電話をしてくれ。』手紙には、恋焦がれる文章の後に、電話番号とアドレスが記載されていたそうだ。嫁は自分をみそめた男の存在を感じ、恐怖を覚え、それで神経質になった、と言うのであった。それを聞いた私は、新手のキャッチセールスの疑いを感じた。近頃の繁華街の多くは、キャッチが取り締まりの対象になっている。ティッシュ配りの要領で、目だたず手紙をばら撒けば、電話をしてくる娘もいるのではなかろうか。電話で、待ち合わせ場所に和装店の前などを指定すれば、今までのキャッチセールスと同様に、自ら歩いて行った店でのクーリングオフはできない。今までは、電話で呼び出した手法だ。しかし、電話番号の書かれた名簿は出回らなくなった。だから手紙に変えたのであろう。
 日頃から、少しだけ考えたり、唐突に何かを出されたら、身を反らすことだ。できねば「これは何?。」って、大きな声で聞けば、たじろぐと思う。ま、手渡されてしまったら、ゴミ箱を探す方が良い。どう考えても、元手が便箋と封筒だけの送りつけ詐欺だな。娘さんの心理を突いた巧妙な手段だと思う。
 ところで、葉書と言えども、目に入った文言を読んでも罪にはならぬが、文言を第三者に話せば罪になる、いわゆる信書の秘密を、二人とも知らないことに驚いた。「個人宛の手紙は開封しないだろ?。」と聞けば「仕事だったら開封します。そのように教えられています。」と聞いてビックリした。私の常識では、業務であっても、個人名が書かれている封書は、親展の言葉に関わらず、個人の机の上、もしくはレターボックスが鉄則であった。業務だから、中を見られても困らないのだが、ページを抜かれたり、逆に疑いを招くような物を入れられたら困るからであった。もちろん葉書はあて先を上にして置くのが常識だと教えられた。
 今の私は、詐欺的行動よりも、隣国の感情に恐れを感ずる。特に隣国の地方の民宿を、日本の民宿と同じように考えることの方が危険だと思う。何事も無かったのは幸運であった。これを旅慣れていると自負する息子の嫁には言えない。これは息子が考える仕事だ。
 今の日本は根本的な常識のタガが緩んでいると思うのである。怖いことだ。おいおい、教えたいが自分で学ぶことだとも思う今日この頃である。