田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

巨大~だけじゃ無くって

2013年12月12日 | 仕事
 今日書きたいことの全部をタイトルに入れると、検索でヒットしちゃいそうですので、あえて~にしました。今、旬の話題かと思います。
 まずその前に、私の知人と食事をしたときに、「T電力の株を買っちゃってねぇ~、女房には叱られるし、踏んだり蹴ったりです。」と焼酎をあおりながら知人が言いました。その知人とは、数年前に電力系の会社を定年退職され、悠々自適な老後が保証された恵まれた人です。知人は、退職金のほとんどで、T電力株を買ったそうです。あの事故の半年ほど前にだそうです。知人は「T電力は親会社であったこと以上に、私にとっては憧れの企業でした。ですからせめて株主ぐらいにはなりたくて買ってしまいました。」と私に同意を求めるような話しぶりでした。

 私は、若杉冽氏の小説『原発ホワイトアウト』を買おうか迷っています。書評や文芸広告を読み、その内容が私の興味をそそるのです。今朝なにげなく見たYOU TUBEで、本人(もちろん顔は伏せて)が語っているのを見ることができました。原発産業、稼動、点検作業には多額のお金が動きます。動くお金の適正価格は比べるものがありませんので、元請によって示された金額が適正になってしまいます。氏によれば、動く金額の数パーセントが隠匿され、密かに有力者達に配られるそうです。でも、私達はそのようなことを薄々噂で聞いたりして、目新しいことではありません。腹立たしいことですが、噂を根拠に発言すれば、噂ごときで戦いを挑む者と足元をすくわれるでしょう。
 T電力のみならず、国内電力企業は、押し述べて原発再稼動に熱心です。それを後押しする企業、団体、政府を含む政治家達は目白押しです。あげく、電気料金の値上げは国民の首を絞めるとか、景気を後退させるとか、あたかも私達のためを思って発言をしてくれているような風潮が大勢を占めています。震災後、野田前総理が再稼動させた大飯原発のみで乗り切れ、今現在は稼動0(ゼロ)で生活できているのに、何をいまさらと疑いを抱くのは私だけでしょうか。
 私の知人の悲しみは、憧れた企業が、汚染除去などとうてい不可能な汚れを撒き散らした悲しみよりも、株価の下落を悲しんでいるようにしか見えませんでした。人は金の魅力には勝てません。私だって金の魅力からは逃れられません。大金を見れば、魂を悪魔に売るでしょう。このような世界では『君子危うきに近寄らず』の例えに倣うしかありません。これからもそうでしょう。そんな己を反省して、若杉冽さんを尊敬します。さすが東大卒の官僚です。
 ですが、このような醜聞は国内いたるところにあります。過去、談合疑惑で談合が叩かれ、いくつかの改善策が採用されました。しかし公共団体の事業計画及び発注の内容は一向に変わっていません。それよりまして、過去以上に巧みに隠され、隠される物は多くなりました。なぜこのようになってしまったかと言えば、欲しがる人達が湧くように増えたからです。歳費では満足な仕事ができないと言い、せっせと献金を集め、仕事に精を出します。その仕事とは、隣の市と同じか、少し大きな文化的な施設を作ることです。当初は文化的な施設として出発しますが、数年もたたずにカラオケ大会場になったり、かなり怪しげなセミナー会場になっています。セミナーも新聞広告と同じです。公共建物で開かれることによって騙される人もいるのです。
 私はとてもなげかわしく思います。私達一人一人が責任をとる姿勢を正さねばならぬと思います。原発稼動を良しとしないならば、電気料金の仕組みを知った上で、電気使用量を減らすしか手はありません。夏の暑さに耐え、冬の寒さをしのがねばなりません。再稼動を良しとする人達は、一人一人の考えを明らかにしなければなりません。その考えが、もし献金の多さで左右されたのならば、早急に明確な責任を取らねばなりません。武士道で言えば、打ち首獄門は武士の情けで避け、非業な天誅の餌食には断じてさせず、せめて切腹の道を選ばせたいと思う今日この頃です。なので『原発ホワイトアウト』はブックオフでしばらく待つことにしました。