スキー場はニッコウキスゲやヤナギランの絶好の生息地になります。亜高山帯では森を切り開いて明るくなった場所は陽性のヤナギランなどが好んで進出してきます。発芽には光が必要な陽性植物。一度発芽して生育すると多年草ですからやがて成長して花をつけますが、そのころには高径の草本でおおわれているため発芽もままならず明るい草原から森林に変化していくと次第に消失してしまうという生態を示します。一ノ瀬のスキー場は私の観察場所の一つで、時々草刈りを行うためか継続的に良好な群落を見ることができます。
ヤナギランの種子の様子を求めていたのですが、残念ながら少し早かったようです。花は見られませんが果実はまだ熟していなくて硬いまま。残念。果実は熟すとふわふわした綿毛につつまれた小さな種子をたくさん放出します。風に乗ってかなり遠くまで運ばれると思います。本当に軽い綿毛を身に着けた小さな種子です。