どこにでもあるごく普通の山野草として紹介される花の一つにノコンギクがあります。しかしそれが曲者で、意外に正確には判別できないで違う種をそう思い込んでいる場合が多い気がします。概てキク科の花は紛らわしくて難しいグループですね。例えば花だけ見ている限りユウガギクと区別できる人はいないかもしれません。日常生活では両種を区別する必要はありませんから自分の思いで花を見ていればいいと思います。少しマニアックになって物事の「違い」に興味を持たれるならその先に進めばいいのです。確かに、遺伝的にはユウガギクとノコンギクは異なる種ですからその違いが見えてくると面白さはより大きくなることは確かです。
ノコンギクの確実な見分け方は実の毛の状態が最も簡便でしょう。私もこの部分で最終確認をしないと葉の毛の尾さや葉の形状では心もとない状態です。結構個体差があってユウガギクでも葉の強いものもあるので手触りだけでは怪しいのです。ちなみに丘陵公園には確実にノコンギクと自信をもって説明できる個体は見当たりませんから、「どこにでもある」というのもまゆつばものになりますね。