紅葉シーズンがやってきました。
紅葉は、葉を紅く染める最高の気象条件と葉の中にある色素が深く関わっているそうです。
その関係を知ると紅葉を楽しむ時期を自分で予想をすることもできるそうですよ。
記事(2020年10月15日 tenki.jp)によると
『◆日光を浴び、葉を紅く染めるアントシアニン
今年も紅葉シーズンがやってきました。
紅葉は早いところでは9月初旬から色づき始め、遅いところでは12月をすぎてもキレイに色づいていますが、このような地域差が存在するのは、紅葉が気温や日照時間などの気象条件と深く結びついているからです。
その1つとして「最低気温が8度を下回る」と紅葉が進むというのはご存知ですか?聞いたことのある方もいるかもしれませんが、なぜ「8℃」なのでしょうか。今回はその理由を探っていくとともに、紅葉が進んでいくにはどんな天候が適しているのかを説明していきます!
葉が紅く染まる現象には、アントシアニンという成分が深く関わっています。
アントシアニンはブルーベリーなどにも含まれる赤い色素で、葉の中に含まれていますが、夏の間はクロロフィルという緑色の色素がたくさん作られるため、葉は緑色をしています。それが秋から冬にかけて、クロロフィルが減って徐々にアントシアニンの割合が増えてくることでだんだん葉が紅く染まっていくのです。
このアントシアニンは日光を浴びることで合成が促進されるため、紅葉にとって日光浴はとても重要です!
◆晴れてばかりでは枯れてしまうので・・・
紅葉が進んでいくには、葉を紅く染めるアントシアニンを作るため、日光をたくさん浴びることが重要です。ですが毎日晴れてばかりでは、木も植物なので水分がないと枯れてしまいます。紅葉に限った話ではありませんが適度な量の雨が、適度な間隔で降ることが大切です。
◆クロロフィルが残っているとキレイな紅葉にならない!
「1日の最低気温が8℃を下回ると紅葉が進む」
なぜ「8℃」なのでしょうか。その理由の1つに、「1日の寒暖差が大きいとクロロフィルが分解されやすい」というものがあります。夏場、大量に作られたクロロフィルは秋になり気温が下がってくると分解され始めますが、このとき1日の寒暖差が大きいと分解が良く進み、葉の中でアントシアニンの純度が高くなることで、よりキレイに紅く色づきます。また寒暖差が大きいことは重要ですが、最低気温が10℃を下回らず暖かいとクロロフィルが分解されないため綺麗に紅くならず、逆に最低気温が0℃以下になるなど寒くなりすぎると、葉は黒くなってしまうため「適度な寒さ」が必要です。その「適度な寒さ」の目安となるのが「最低気温8度」なのです!
◆紅葉の予想は自分でもできる!?
最低気温が8℃を下回ると紅葉が進み、8℃を下回るようになって約3週間でキレイに色づくといわれています。紅葉の名所と呼ばれるような場所は、一般的に標高の高い場所に位置していることが多く、例えば東京の紅葉の名所の高尾山の標高は599mです。ふもとの八王子市(標高123m)との標高差は約500mです。気温は100m上昇する毎に、約0.6℃低くなります(気温減率といいます)ので、単純に計算すれば市街地との気温差は、500×0.6=約3℃になります。
紅葉が進む条件は「最低気温が8℃を下回る」日が続くこと、ですので八王子市の最低気温が11℃前後になると、高尾山で紅葉が進み始めるという風に計算することができます。
また、八王子市の最低気温が11℃前後になるのは例年10月第3週頃なので、この時期頃から高尾山では紅葉が始まり、約3週間後の11月中旬頃にキレイに色づくという風に計算することができます。
このように、「8℃」「3週間」「約0.6℃/100m」の3つを使って簡単な紅葉色づき予想を行うことができます(図①)。』