「新型栄養失調」が増加中だそうです。
そこで、こんな記事をご紹介します。
記事(2020年5月9日 msnライフスタイル)によると
『◆カロリーは十分でも必要な栄養素が不足
「いま、栄養失調の人が増えています」と言うのは、医療関係者や一般女性に栄養指導を行っている、栄養カウンセラーの定真理子さん。この飽食の時代に栄養失調とは、にわかに信じがたい話です。
「かつては栄養失調というと、満足に食事が摂れず、カロリー不足でやせ細っている状態を指していました。しかし現代は、カロリーは十分でも健康維持に必要な栄養素が不足している『新型栄養失調』が問題視されているのです」(定さん。以下同)
現代人に不足している栄養素は、タンパク質や鉄分をはじめとするミネラル類、ビタミンだと言います。
「タンパク質は、筋肉や骨、内臓、血管・血液、髪の毛や皮膚をつくるのはもちろん、感情や感覚を司る脳の神経伝達物質の材料にもなる重要な栄養素。そのため、不足すると細胞の代謝が悪くなり、さまざまな不調が起こるのです」
具体的な症状としては、疲れやすくなる、皮膚のツヤがなくなる、髪の毛が細くなるなど。つまり、老化が一気に加速することに。
「タンパク質不足の状態が続くと、筋肉量や骨量が落ち、立つ・歩くなどの機能が低下する『ロコモティブシンドローム』の状態を招き、寝たきりのリスクを高めてしまいます」
◆コレステロール値を気にしすぎないで
では、なぜ新型栄養失調に陥るのでしょうか。主な原因として、インスタント食品やおにぎり、惣菜パンなどの加工品で空腹を満たすことが多くなったことによる、ビタミンやミネラルの不足が挙げられます。さらに、「50代以降の女性の場合、間違った知識に基づいた食生活を続けていることも原因」と、定さんは指摘します。
「女性は閉経前後にコレステロールや血圧、中性脂肪の数値が高くなるため、コレステロールを多く含む肉や卵を控える傾向があります。けれど、コレステロールは細胞を守る細胞膜をつくる成分で、疲労回復や代謝促進の働きをするホルモンの材料でもあります。ストレスを受けた時には抗ストレスホルモンとしても働くので、特に持病がなければ、コレステロール値を気にせず、肉も卵も魚もしっかり摂ってほしいですね」
成人女性の1日に必要なタンパク質量は平均約50グラム(具体的な摂り方は◆効率よく栄養を摂るための食事術参照)。「タンパク質は絶えず分解・合成を繰り返しているため、常に補給する必要があります。意識して摂るようにしましょう」。
加えて、50代以降の女性に必要なのが鉄分だそう。
「鉄欠乏の症状は、疲れやすい、立ちくらみやめまい、イライラ、動悸・息切れ、むくみなど、更年期症状と似ています。ですから、鉄欠乏のまま更年期を迎えると、ダブルパンチで苦しむことになるのです」
タンパク質と鉄を効率よく摂るには、「『肉食』がベスト」と定さん。
「タンパク質には、大豆製品などに含まれる植物性のものもありますが、体に吸収されやすいのは、肉や卵などの動物性タンパク質です。また、肉には鉄分、しかも吸収効率の高いヘム鉄が豊富。肉食こそが、50代以降の健康維持の秘訣です」
いつまでも若々しく元気でいるためには、何をどのくらい食べればいいのでしょうか。その方法を、次ページから紹介します。
◆あなたの栄養は足りている?
◎新型栄養失調のリスクをチェック
□ 甘いものを食べるとイライラや不安感が収まる気がする
□ 夕方に強い眠気を感じたり、集中力が落ちたりする
□ 若い頃より脚が細くなってきた
□ 健康のために、野菜中心の食事をしている
□ 加工食品をよく食べる
□ ささいなことでクヨクヨしがち
□ 常にストレスにさらされている
□ ダイエット&リバウンドを繰り返している
□ シミやシワが目立つようになった
□ めまいや立ちくらみをよく起こす
1つでも当てはまるものがあれば、新型栄養失調の疑いが。食生活を見直してみましょう
◆効率よく栄養を摂るための食事術
日々の食事でタンパク質、ビタミン、鉄分をしっかりチャージして、心身の不調とサヨナラしましょう!
【ポイント1】
◎脂肪の少ない赤身肉を選ぶ
「肉を選ぶときは、赤身肉を。脂身の多い肉より、タンパク質や鉄分、ビタミンB群が豊富です。牛、豚、鶏肉をバランスよく食べるよう心がけてください」(定さん。以下同)
調理法は、糖質やカロリーの摂りすぎを防ぐためにも、焼く、ゆでるなど、シンプルな方法で。
「味つけも、塩コショウにレモン、大根おろしと醤油、からし醤油などがベスト。素材の味も生きてきますよ」
なお、肉だけでは栄養が偏るので、魚介類や卵、大豆製品などもまんべんなく食べること。
「1回の食事で、肉+そのほかのタンパク質源をセットで摂るようにするとよいでしょう」
基本は、肉を手のひら1枚分(約100グラム)。プラス、もう1種類のタンパク質源100グラム程度で、合計200グラムになるように
【ポイント2】
◎野菜は“箸休め”の感覚で
タンパク質同様、健康維持のためにはビタミンやミネラル、食物繊維も毎日補う必要があります。1日に必要な野菜の量は350グラム。目安としては小皿5皿分です。
「野菜を先に食べると、満腹になって肉が食べられなくなってしまうことも。野菜は“箸休め”の感覚で摂るといいでしょう」
【ポイント3】
◎食べられない場合は小分けにして食べる
肉や魚を一度にたくさん食べられない場合もあるでしょう。
「朝昼晩の食事に加え、夕方と寝る前の“ちょこっと食べ”がおすすめ。小分け食のほうがより効率よくタンパク質を消化吸収できます」1回の量は100キロカロリー程度。牛乳や無糖ヨーグルト、チーズなどの乳製品がおすすめです。
【ポイント4】
◎植物性タンパク質は動物性と一緒に摂って吸収率をアップ
豆腐や納豆などの植物性タンパク質は、動物性タンパク質と合わせて摂りましょう。
「体に吸収されるタンパク質の量が、格段に増えます。たとえば、健康ドリンクとして人気の豆乳きなこドリンクは、大豆が原料のためプロテインスコアが低く、効果的ではありません。豆乳を牛乳に置き換えれば、植物性・動物性いずれのタンパク質もしっかり摂ることができます」
【大豆製品の食べ方】
豆腐には、カツオ節やしらすをトッピング。納豆には生卵をプラスしたり、マグロの刺身と合わせて「マグロ納豆」に。麻婆豆腐や肉豆腐、納豆オムレツなど、豆腐や納豆に肉や卵を合わせた料理もおすすめ
【ポイント5】
◎良質なサプリで栄養を補う
栄養素の中には、サプリメントで摂ったほうが効率的なものもあります。
「肉をたくさん食べられない人は、アミノ酸サプリやプロテインを。健康維持にはカルシウムやマグネシウム、ヘム鉄、グルコサミンなどもおすすめです。医薬品同様に安全性の高い”GMP基準”でつくられたサプリなら安心でしょう」』