「お麩」
最近はあまり見かける事がなくなりましたが
何でも、良質のたんぱく質と食感を楽しむ食材だそうですね。
そこで、こんな記事をご紹介します。
記事(2020年2月2日 tenki.jp)によると
『お麩は、中国から仏教の伝来とともに精進料理の素材として伝わったといわれています。
小麦粉に水を加え良く練ったものを、水の中で洗うと、澱粉がながれ、小麦たんぱく(グルテン)が残ります。さらに水で洗ったのが湿麩(しっふ)。これに強力粉や米粉を加えたのが「生麩」、生麩を焼いたものが乾物として扱われている「焼き麩」です。
主成分は良質なたんぱく質で消化によく、肉を食べず大豆たんぱく中心の僧侶達にとって、お麩は貴重なたんぱく質源でした。寺から門外不出であった麩が全国に広まっていくこととなるのは江戸時代。
◆宮中と寺院でしか食べられない高級食材だったお麩
国産小麦の作付け数が少なく、小麦が高価だったこともあり、お麩は宮中や寺院の特別な日の食べ物でした。このため寺社や御所のある京都でお麩の文化は発展しました。
桃山時代に入ると、「ふのやき」と呼ばれるお菓子が文献に登場します。豊臣秀吉と千利休が催した「天正茶会百席」では、珍菓としてこの「ふのやき」がよく登場し、利休が好んだと「茶会記」に記されています。現在、茶菓子で使われる「ふのやき」は、クレープのようにくるりと巻かれたもの、ラスクのような形をしたものなどがありますが、当時はどのようなものだったのでしょうね。
江戸時代になると、開港後には西洋の小麦の生産方法を入手し、輸入も始まり、お麩は一般の食卓にのぼるようになっていきました。
現代では、お吸い物などで小鞠や扇や桜などのモチーフの飾り麩をよくいただきますね。汁物の具材のほかに、すき焼きや卵とじ、チャンプルなど炒め物や煮物の具材として食されます。栄養価が高く消化のよい食材として、離乳食や病人食、美容食にもよいと見直されています。
◆あなたの食べているお麩は何麩?「車麩」「観世麩」「小町麩」「庄内麩」いろいろなお麩!
【生麩】
「生麩」はもちもちした食感がたまりません。季節の法事などの煮物にあしらわれたモミジや桜のモチーフの生麩をみかけませんか? 棒状のものは、焼き田楽にしても楽しめます。揚げてパラリとお塩をかけていただくのもおいしいですよ。
笹などでくるまれた生麩に餡をつつんだ「麩饅頭」も有名です。つるりとしたのど越しがたまらないですね。
関東のおでんの材料「ちくわぶ」は生麩の手前の状態の「湿麩」を竹に巻き、蒸して加工したものといわれています。
【焼き麩】
乾物として扱われる「焼き麩」には以下のものがあります。
・小町麩:棒状のものをカットしたような一口サイズの、市販でよくみられる麩で、お味噌汁や煮物の定番です。
・飾り麩:細工が施された「飾り麩」はお祝いのお吸い物でよくみかけます。
・庄内麩:山形県や岩手県の庄内麩は、板のようにたたまれたものです。水でもどしても、そのままでもなかなかうまく切れません。ポイントは利用の前に、濡れ布巾で包んで20分ほどでしっとりやわらかくなったところを切るとうまく切れます。汁ものに使うことが多いです。
・車麩:中心が空洞でふわっと大きく丸い新潟県の車麩は、煮物や炒めものにむいています。
・丁子麩:箱型の金属型に湿麩を入れて焼き上げた滋賀県・彦根の特産で、なめらかな食感です。すき焼きに合います。
・観世麩:生麩を棒状に巻いて、小口に食べやすいサイズにカットした渦巻き模様のお麩です。渦巻き模様が観世といわれるのは、観世太夫の紋の模様だったことが由来です。
◆おつまみに良し?子どもも喜ぶ麩を使ったお菓子「お麩スナック」の作り方
こんがり炒めてサクサクに。まるでラスクのような味わいです。
●材料
【お麩スナック青のり味】
麩 30g
油 大匙1
塩 ひとつまみ
青のり 小匙1/2杯
【お麩スナックハニー味】
麩 30g
油 大匙1
塩 ひとつまみ
はちみつ 大匙1~2杯
●作り方
1、フライパンに油と塩を入れて中火で熱します。麩をいれて、全体にうっすらと焼き色がつくまで炒めます。
2、青のり味は火をとめて、青のりをふり混ぜあわせます。ハニー味は、はちみつを回しかけ、からめてから火をとめます。』