治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

特定秘密の保護

2013-11-27 09:30:35 | 日記

さて、おそらくギョーカイ人で特定秘密保護法に反対された方はいないと思います。
だってギョーカイが元祖でしょ。

しかもギョーカイが隠そうとしたのは、安全保障とかそういうレベルの話じゃなく
たんに自分たちに都合が悪いから。
それを盾に堂々と「一般人の知る権利」を奪った。
そう。犯罪者に発達障害の診断がつくと「報道するな!」とみっともなく騒ぎ立てたあのことを言っています。

「偏見が広まる」っていうけどさ
私はニキさんやちゅん平さんや大地君を知っているから「アスペルガー=良き市民たち」って思ってるよ。
なぜそういう教育をせずに報道規制にばっかり走ってるのかそこが理解できないわけで。

さて、「自閉っ子と未来への希望」から引用しましょう。

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私自身は、たとえある障害の人が事件を起こしても、だからといって同じ障害の人が全部事件を起こすとは考えません。ですから、率直に言って支援者の人たちの動きは過剰反応に思えました。
「自閉症について知ってもらいたい」というのなら、いいところも悪いところも含めて情報開示して支援を訴えるべきであり、ネガティブな情報だけを隠すのはフェアではないし、効果のあるやり方ではない。そもそも自閉症支援の名のもとに「国民の知る権利」を侵害しているように思えました。本当に健常者と共存を臨むのなら、一般人の権利を侵害してはいけないのではないか、という疑問を抱きました。
それに加害者に回ったケースもきちんと報道しないと、本当に役に立つ支援策は出てこないのではないでしょうか。

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私が自閉症者の迷惑行為におおっぴらに触れるのは、私が「彼らは良き市民になれる」のに「支援がそっちに向いていない。むしろくさい物に蓋の方に力を入れている」ことに怒っているからですよ。
このときもギョーカイは、メディアに甘ったれた情報統制を上から目線で(自分たちは障害者支援という美しいことをやってるんだぞ~という)命じていて、片方で暴れ回り健常者社会に迷惑をかけまわる障害者たちには「死んだふり」だったのですからね。

いや、YTの場合には「死んだふり」をはるかに飛び越していたかも。
むしろ助長していた。
「自分は障害者だから」を言い訳に、よこはま発達クリニックからは無料の診断(しかも数ヶ月かけたという21万円払った人より相当きめの細かい診断)を勝ち取り、それいゆでは数万円する講座をただにしてもらったのです(しかも主治医内山医師の分まで無料)。こんな特別扱いを許されていたからこそ「パスポート見せろ~」「ニキ・リンコの夫の身分証明書を見せろ~」に発展していったのですから。

そこまでの迷惑行為じゃなくても、変な世の中に対するルサンチマンメールとか送ってくる人もいました。CCにはギョーカイメジャーがずらり。誰も手を打ちません。唯一答えていた北国の某先生の答えも「死んだふり」の域でしたね。

本当にギョーカイの感覚ってわからないなあと思い出したのが、昨日言及した千葉東金事件。

あの事件で加害者である知的障害の青年に最大の人権侵害をしたのは検察ではありません。
メディアです。
はっきり書くとTBSです。弱者の味方のはずの毎日新聞系列ですね。

捜査線上に知的障害者が浮かび上がっていることを知った若い女性記者が
ハニートラップのような取材を現受刑囚にかけました。
若いきれいな女性が自分に近づいてきてくれて、メールをひんぱんにくれて、カラオケまでつきあってくれるのですから、現受刑囚は彼女ができたと思ったそうです。

そして逮捕。
そのあとTBS、カラオケ画像一斉に放映。
スクープです。

認知上の特性につけ込んで近づき、喜ばせ、撮影して逮捕後それを放映する。
実に「マスゴミ」の名にふさわしい鬼畜の所業です。

私は当時、この取材方法に憤りを覚えました。
当時はギョーカイとも縁を切っていなかったので何人かのメジャーに言いましたが

みんな全然腹を立てないのね、これ。
「ああそう」っていう感じ。

ギョーカイとの人権感覚の隔たりを感じた出来事でした。


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2 コメント

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思い切って言うのですが……。 (まさ)
2013-11-28 18:28:03
実は過去に世間から大注目されたある事件に関心を持っているのですが、こちらの記事とこの前の記事の内容に、非常に興味がわきました。

もうずいぶんと以前から関心を持って見ているのですが、1年ほどまえ、虐待臨床にも関わっていらっしゃる杉山登志郎先生が良きライバル関係とおっしゃっているという西澤哲さんという専門家が心理鑑定をしていたことがわかり、その内容もわかり、よけいに関心を持つようになりました。

その裁判の弁護人は人権派の急先鋒として世間的には知られていて私もそう思っていたのですが、実は『人権派は邪魔』と講演で言っていたというのを聞いたことがありました。それを知ったときに、人権派のイメージがよくわからなくなりました。

また、こちらの記事なのですが、『女性記者が近づいて』というのも、この裁判にまつわり似たような話があったので、あっ、と思いました。すごく興味がわきました。

ちょっと混乱した内容になってしまいまして、すみません……。
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混乱と言えば (浅見淳子)
2013-11-29 09:22:06
まささん、ようこそ。
一連の佐藤幹夫さんの本は読んだことありますか。佐藤さんご自身は人権派なる集団に否定的な方ではありませんが、読むと人権派の混乱がわかあります。社会にうとまれ、被害者側には蛇蝎のごとく嫌われ、裁判をいたずらに長引かせ混乱させ、そしてしばしば被告人にすら感謝されていない。因果な人たちだと思います。よかったら読んでみてください。
ちなみに佐藤氏の本には、TBSの仕掛けたハニートラップのことは一行も触れられていませんでした。当時人権侵害だとギョーカイの外では結構騒がれたんですけど、やはりギョーカイはこの手の人権侵害には興味がないようですね。実に不思議な人たちです。
またお越しくださいませ。
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