治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

「自閉っ子のための努力と手抜き入門」目次

2012-07-17 07:44:55 | 日記
そして、花風社としては全く消化試合だとは考えていないわけで
自閉っ子も人の道を覚えられるということで「自閉っ子のための道徳入門」を出したし

今度は、自閉っ子も努力できるよということで
「自閉っ子のための努力と手抜き入門」を出しますよ。


目次発表です。

=====


第一部

長い前座
特別支援教育に携わる先生たちへの、一民間人からのお願い。

「障害児の未来は、消化試合ではない」

浅見淳子


第二部

第二部 第一章
努力と手抜き その大前提――脳みそに、違いがあるのは当たり前

 ところで老眼始まった?
 社会がいくら理解しても
 体感と世界観のずれ
 名前がついてた
 おばさん的対応とおねえさん的対応
 手抜きのための努力をしよう
「初期投資」という考え方
 鍛えるというより老化を遅らせる
 仕事と趣味の両立にも体力は必要
 趣味の見つけ方
 自閉おばあさんになる準備
 女優ごっこと大リーグ養成ギブス(古っ!)
 認知方面のモンダイ
 俺ルールがもたらすキョーフ
 スルーするのも支援
 学校よ、ネタバレしておくれ
 社会とネタバレ
 なまはげ
 コネ入社は悪くない
 現実を教えることは残酷なことではない
 学校にどうあってほしいか
「もう一度自閉っ子に生まれたい」という言葉の真意
 自分オタクになろう
 ナルシストと呼ばないで
「私は世界の中心ではない」と知ってほっとする
 支援されているんだよ
 
第二部 第二章
努力と手抜きの現場報告

 自閉症オタクでないからアセスメントが上手
 不適切な対応と無駄な争いを避けるためのアセスメント
 定型発達者が有利なのは
 自分の好き嫌い、得意不得意を知る
 運動・身体づくりへのモチベーションを育てる
 得意なことをやめるのには大変な努力が必要
 苦しまないと効果がない?
 誤学習を防ぐために
「やったら楽しいよ」とは言わないで
「気が変わる」が難しい
 世の中への恨みの解き方
 独裁者になりたいけど、独裁者はしんどい
 努力が報われないとき
 陰謀論に陥らないために
 努力の必要性 まとめ
 
☆☆☆☆☆☆☆

昨日は結局一日お相撲を見ていた。
午前中は録画相撲部。
七日目の敗戦について、八日目の解説秀ノ山親方がこう言っていた。
「張られてかっとなって攻め急いだ」

他人とは思えない。
息子だけど。

今場所は二敗しちゃったけど
最初の三日とか、勝っている取組を見ると
今は亡き先代鳴戸親方の言葉がよみがえる。

「稀勢の里の相撲に自信を持て」

それでいいんだなと思いました。

私も花風社の本に自信を持ちます。
ギョーカイのお祭りに行って、むしろ自信を深めてきた。
誰と戦う必要もない。
うちはうちでいいんだと(専守防衛はするけどね)。

「自閉っ子の未来は消化試合ではない」
こう伝えるために
今度の「自閉っ子のための努力と手抜き入門」も
自信を持って出しますよ。

消化試合だと思う人がいるのはなぜ?

2012-07-17 07:27:11 | 日記
さて、出稽古先で言葉尻症候群の場面を目撃したと書いたけれど
どういうことかというと、
どうも重度の自分の子どもには、心理治療の対象となる心などないと思っているらしき協会員からの質問があったわけです。

その質問に対する長沼先生のお言葉を、ここにはっきり書くのは避けるけど

でも、岩永先生のやっていらっしゃるお仕事は
「もっと笑顔が見たいから」でしょ。



重度の自閉症のお子さん、自分のお母さんを後追いしないお子さんに
お母さんを後追いしてもらいたい。
それを目標に岩永先生は臨床に取り組まれてきたわけですね。

そこに心があるから。

ああいう質問が飛び出してくる人が
世間に向かって「自閉症を差別しないで、理解して」っていうのは
私には矛盾に見えるんですけどね。

まずは自分が理解し、差別しないことを始めればいいのではないかしら。

どうして消化試合だと思う人がいるんだろうなあと思っていたら
やすさんがいいエントリを書いてくれてました。
大地君と「家事をする引きこもり」を治療目的とする医者と、conventional

なるほどなあ。
conventionalだわね。
一つは、自分が成功例を出したことがないから。
そしてもう一つは、医療業界の利益を考えてのことなのかもしれないね。