エジプト側「損失は1日あたり16億円」…スエズ運河の通航再開
読売新聞2021年03月30日12時25分
【カイロ=上地洋実】エジプトのスエズ運河で正栄汽船(愛媛県今治市)所有の大型コンテナ船「エバー・ギブン」が座礁した事故で、スエズ運河庁は29日、船の離礁に成功し、運河の通航を再開したと発表した。運河庁は、待機していた船舶が約3日半で運河をすべて通過するとの見方を示した。
29日に記者会見した運河庁のオサマ・ラビア長官によると、座礁船は29日午後3時頃、大型タグボートによる作業の結果、運河両岸の中央付近に戻った。船はその後、紅海側と地中海の中間あたりに位置するグレートビター湖に入った。燃料漏れやコンテナの損傷は確認されていない。
他の船舶の通航は29日午後6時に始まった。家畜を積んだ船が優先された。
紅海、地中海、グレートビター湖などで足止めされた船は422隻に上った。運河庁は24時間態勢で船舶を通過させる方針で、30日午前8時(日本時間30日午後3時)までに113隻の通過を終えたい意向だ。
スエズ運河は海運の大動脈で、世界の貿易量の約1割が通る。ラビア氏によると、事故による損失額は1日あたり1500万ドル(約16億円)とみられる。ラビア氏は「事故調査によって、誰が負担すべきか、明らかになる」と述べた。
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