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花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

イヌハギ(開花~結実)

2015-10-18 16:32:47 | Weblog

 イヌハギは環境省カテゴリーでは絶滅危惧種II類に分類された稀少植物ですが私の職場近くの数カ所で見ることが出来ます。
 開花から果実(豆果)形成まで観察しましたので経時的に画像を並べてみます。

 8月16日(日)
 下の画像はいづれも道端(2カ所)で撮影したものです。
  

 ハギ属特有の白色の蝶形花で旗弁には紅紫色の斑紋があるがあります。
萼は5深裂し、黄褐色の毛が密生しています。 

9月23日(水)
 茎頂と葉腋にはいが栗に似た球形の果実を形成していました。




10月12日(月)
 全体が褐色に枯れ、実はあだかも毛玉の様に見えました。


 果実(豆果)の豆皮(莢)は縦3~4mm、幅2.5mmの卵形で先端が尖り、上半には毛が密生しており、
鮮やかな血管様の紋様がみられます。
 この豆皮を破ると縦2mm、幅1.5mmの楕円形で、うずら豆の様な紋様のある種子が出てきます。


 近縁種の果実との比較
 
 イヌハギとは近縁のネコハギとメドハギの果実は極めて類似していて殆ど区別できません。

 

 

 


ヒメジソとイヌコウジュ

2015-09-26 21:47:52 | Weblog

 シソ科イヌコウジュ属イヌコウジュとヒメジソが各所で観られますが、両者はかなり類似
しているためしばしば見分けるのが 困難な場合があります。
 私の職場の近くの荒れ地には両者が混じって生えているため同じ画面に撮影して比較して
みました(両わきの緑色のがヒメジソ、中央の褐色調の濃いのがイヌコウジュ)
 
一部分を拡大してみると(左はヒメジソ、右はイヌコウジュ)
 
花の比較   ヒメジソ              イヌコウジュ
 
葉の比較    ヒメジソ              イヌコウジュ
 

 両者の違いを表にしてみました。
 


シオガマギク属の3種

2015-09-23 06:49:46 | Weblog

 今年の5連休は好天に恵まれ車を駆って走り回り各種の秋の山野草を撮影してきましたが、
その中のゴマノハグサ科シオガマギク属オニシオガマコシオガマに、7月30日に撮影した
ヨツバシオガマとを並べて供覧します。

  ヨツバシオガマ   八幡平にて撮影 (7月30日)


 

   オニシオガマ   鳥海山百宅登山口にて撮影 (9月21日)
 
 

   コシオガマ   三種町石倉山にて撮影 (9月22日)


 

 


ハギの名の植物

2015-09-07 09:02:16 | Weblog

 初秋の野には多くのハギ属の植物が開花しています。
マメ科ハギ属(6)、マメ科でもハギ属には属さない植物(5)、更にはマメ科にも属さない
がハギの名が付けられた稙物(2)など13種の花を供覧してみます。
 なお、同意のタイトルの記事を平成8年1月にも載せていますが、今回はその後に見られた
植物を追加したものです。
マメ科
 ハギ属
  ヤマハギ(山萩)   ミヤギノハギ(宮城野萩)   シロハギ(白萩) 
  イヌハギ(犬萩)  ネコハギ(猫萩)  メドハギ(筮萩)
 ソラマメ属
  ナンテンハギ(南天萩)
 センダイハギ属
  センダイハギ(千代萩)
 シナガワハギ属
   シナガワハギ(品川萩)
 ヌスビトハギ属
  ヌスビトハギ(盗人萩)
  イタチハギ属
    イタチハギ(鼬萩)
ミソハギ科
 ミソハギ属
  ミソハギ(禊萩)
ヒメハギ科
 ヒメハギ属
  ヒメハギ(姫萩)

ヤマハギ ー ミヤギノハギ ー シロハギ
 山野で普通に見れれるヤマハギと稙栽されたミヤギノハギ(その変種シロハギ)とを区別する
ことは必ずしも容易ではない。
 分枝した茎(幹)はヤマハギでは立ち上がっているのにミヤギノハギでは垂れ下がるとされる
がヤマハギでも垂れ下がったものもある。
 3出羽状複葉の小葉の形は両者で類似しておるがミヤギノハギでは先端が尖るという僅かな違
いのみである。花弁の色は変化が多く、ほとんど差がないが、ミヤギノハギでは竜骨弁が長く突
き出しているものが多く、萼歯が萼筒より長いという特徴的な差と見られる。

          ヤマハギ                    山路の至る所で極めて普通に見られる
 

    ミヤギノハギ              秋田市植物園にて撮影
 
     シロハギ               秋田市植物園にて撮影


    ヤマハギ(左)ミヤギノハギ(中)シロハギ(右)
 
 

イヌハギ ー ネコハギ ー メドハギ 
 この3種は比較的に乾いた道端の草むらなどに見られます。
下の画像は3種が仲良く開花しているのを撮影したものでです。白く、旗弁に紅紫色の筋のある蝶形
花は3種で良く類似していますが、小葉の違いで区別は容易です。 
                 三種町下岩川外の沢の町道傍の草むらで撮影
 

 
    イヌハギ(左)メドハギ(中)ネコハギ(右)

ナンテンハギ(フタバハギ)
 他のソラマメ属とは違って小葉は2枚で葉茎の先端から髭蔓は出ていない 。
                男鹿半島門前海岸の道端の草叢で撮影
 

 センダイハギ            能代市風の松原で撮影
 

 シナガワハギ           男鹿半島門前海岸の草叢で撮影

 
ヌスビトハギ           三種町石倉山の草叢で撮影
 

 イタチハギ            三種町鹿渡の水路の土手で撮影
 

 ミソハギ              各地の休耕田に群生

 
ヒメハギ           三種町石倉山の草叢で撮影
 

 

 

 


ボロギクの名の付いた3種

2015-08-30 20:56:22 | Weblog

 今、開花しているボロギクの名の付いたノボロギク、ダンドボロギク、ベニバナボロギクの3種のキク科の植物を供覧します。
 もともとのボロギク(襤褸菊)の名は6~8月に湿地で見られるサワギクの別名で、その名の由来についも牧野新日本植物図鑑の説明では「頭花が集まって開花しているようすがぼろ切れがあつまった状態を想像したもの」と書いてあります.


  しかし、このサワギクに似ていることから名付けられたとされるこれら3種の頭花はいずれも筒状花でサワギクの舌状-筒状の複合花とは似ておらず、頭花もかたまっていないなどから、果実期の冠毛が襤褸ギレのように見えることから付けられたとする説明の方が納得でききます。
 しかし、キク科の植物には他にも同じような冠毛を付けるものが多いことからこの説明も適切かどうかには疑問が残ります。
 またそれに、原産地の異なるこれら3種の帰化植物が異なる属に分類されているのもアマチュアの私には良く理解できません。

 ノボロギク キオン属
  ヨーロッパ原産 明治の初めに帰化したと思われる。畑の雑草






 ダンドボロギク  タケダグサ属
  北アメリカ原産 昭和8年に愛知県の段戸山で見られた。




 

 ベニバナボロギク ベニバナボロギク属
  アフリカ原産 昭和25年に福岡県で見つかる。 伐採跡などに多い。




 


白花ヒルガオ

2015-08-22 12:18:18 | Weblog

 私の職場近くの道端の草叢に毎年この時期になると白花のヒルガオが咲き出します。
花弁が淡紅色のヒルガオならどこでも見られますし、白花ハマヒルガオもこれまで幾度か見ていますが,白花ヒルガオはここでしか見ていないのでちょっと珍しいのかなと思いましたので画像を載せてみました。
 しかし、白花ヒルガオは固有種なのか変異種(アルビノ)なのかは分かりません。
   白花ハマヒルガオ(2003.7.26撮影)

 ヒルガオの名は朝に咲いて太陽が高く揚ると萎むアサガオに対して日中でも萎まないことから付けられたとされますが、白花ヒルガオでも同様で、早朝から開花していて午後3時を過ぎる頃になると萎みはじめます。
   白花ヒルガオ
  

 

 また、ヒルガオの結実は稀とされますが、この白花ヒルガオを注意深く観察していて種を収穫し、増やしてみたいとも考えています。

                 訂正  (付記)
   
その後、検索したところこの白花ヒルガオは戦前に観賞用に導入され、その後全国に広がった帰化植物の
    セイヨウヒルガオの可能性が高い思われました。

 


ミズオトギリ

2015-08-19 06:50:13 | Weblog

 ジュンサイ国内生産の7割を占める三種町には自然、人造の池沼が無数にありますが、それらの中で最大の角助沼の岸の各所には7月下旬からシロネが開花します。
 8月14日の昼食後の休憩時間にシロネの写真を撮影しようと出かけたところ、この場所にはミズオトギリも群生しているのに気付きました。
 ここには毎年出かけていたのにミズオトギリの存在に気付いていなかったのは、いつもは昼休など午後の早い時間に出かけることが多かったので花も付けていないこの地味な植物に関心を払うことは無かったためと分かりました。
 その後の観察では、茎頂と葉腋に数個ずつ付けた蕾の1~2個が午後3~4時に開花して、6時以降には閉じてしまうことが分かりました。
    

 


シロネ属の見分け方

2015-08-16 15:29:10 | Weblog

 私の生活圏の湿地,湖沼の岸、耕作放棄田などにはシソ科シロネ属の開花が見られます。
シロネ属には4種有って(ヒメサルダヒコを別種と数えて5種とすることもありますが)、よく似ているため区別するのがとても難しいことがあります。
 
 ●見分け方の要旨を表示します


 ●各種の全体像






  ●花
 
 

 ●葉



 ●根


高速自動車道の落下物

2015-08-12 08:44:13 | Weblog

 話題を一転して、昨日(8月11日)の朝に経験した高速自動車道でのトラブル
について書いてみます。
毎朝、通勤に通る秋田自動車道の下り線を100キロ前後のスピードで走行してい
たところ昭和男鹿半島インターを過ぎたあたりの路面中央に何やら赤い落下物のあ
るのに気付きました。
 一般道なら停車して取り除くか、落下物を避けて通り過ぎことが出来るのですが、
高速道でしかも後続車も迫ってくる状況ではそれも出来ないのです。
 ままよ、とこの落下物を踏み越えて行こうとしたのが大変な誤算で、この落下物が
車体の下に挟まってしまいそれを引きずる大きな音響とスピードの低下で走行出来
なくなりましたが片側一車線の高速道では停車することもできず、そこから100メー
トルほどのそのまま徐行して駐車可能の場所まで引きずって行き車の下を覗いてみ
たら大きなポリタンクが挟まっていることが分かりました。
 

 傘の柄で突いてみたが全く動かないためこのままで引き出すことは困難と分かり
ましたので、次なる手段を考える間、頻繁に通る車に注意を促がすために警告三角
板を取り出して(10年も前に購入したが初めて使用)立てているところに通りかか
った道路管理パトロール車がやってきました。
 
 この職員もポリタンクの取り外しを試みたが結局断念し、JAFに依頼するよ
う勧めてくれ、連絡事務所経由でJAFに救助要請をしてくれました。 そこに、
更に高速パトロールの車が対向車線を通り過ぎて行った思ったらすぐUターンし
て戻って来ました。
  

 凡そ20分ほどで要請したJAFの車も到着し、前輪をジャッキアップしてポ
リタンクを難なく取り出してくれて一件落着。
 

 高速自動車道での落下物による事故のニュースをしばしば耳にしますが、自身で
経験するのが初めてです。
 今回は空のポリタンクであったから大事故には至らなかったが、もしガソリンな
どの入った容器だったら引きずった摩擦熱で引火して爆発するような危険性もあっ
たと考え、慄然ととします。


オオナンバンギセル

2015-08-08 17:49:51 | Weblog

 8月8日(土)猛暑の中、男鹿半島寒風山にオオナンバンギセルの撮影に行ってきました。
 寒風山の姫ヶ岳~蛇越長根~大火口近辺にはオオナンバンギセルが生えることは周知のことですが、今回は蛇越長根に登り撮影することができました。

 
 
   開花は例年より早かったようで落花、涸縮した花も多く見られました。 
 

 

 地上に長い花茎を伸ばして大きな花を付けるこの植物の地中には数枚の鱗片状の葉を付けた短い茎部があり、下端は塊状に膨隆して樹枝状の数本の根を出す。この根がイネ科植物に絡まり付き栄養物を奪取しているとのことであるが確認出来なかった。