goo blog サービス終了のお知らせ 

花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

ザゼンソウからの種の採取

2016-04-02 17:37:45 | Weblog

 2015-7-8にアップロードしたブログ『ミズバショウの種』ではミズバショウから種を採取して播いて殖す試みについて書きましたが、今回は昨年採取に失敗したザゼンソウからも種を採取して播いてみようと再挑戦していますので書いてみます。
 
 種は仏炎苞の中の肉穂花序に形成されるものですから、肉穂花序の発育経過をお示しします。
 肉穂花序が仏炎苞に包まれて地上に出たばかりのものを苞を開いて見るとあだかもマッチの先端の頭薬に似ていますが、翌日には苞が開き、中の肉穂花序の表面には多数の雌蕊(花柱)が見え、更に時間が経過したものでは花柱の先端に細繊維束が出てきます。
     
  次いで、花柱の脇から4個の雄蕊(葯)が出てきます(右はその拡大)。
  
 葯が破れて花粉が出てきます(右はその拡大)。
 
 花粉をスライドグラスに載せて顕微鏡で覗いたものです。紡錘形をしていますが、水を垂らすと球形になります。
 
 この時の肉穂花序上の温度をデジタル温度計で測定してみると、大気温度が20.3℃
なのに対して29.2℃と著しく上昇していました(温度1;大気温、温度2;肉穂花序上)。

 花粉放出が終わると葯は萎縮します(右はその拡大)。
  
             ...................  今回の試み ..................
授粉 
 綿棒に花粉を付け、まだ雄蕊が出ていない肉穂花序に授粉しました。
野ネズミによる補食防止 
 野ネズミ忌避剤を花の周辺に散布しました。

 以上の処置をした上で5月から6月までの間に種を得て播種してみたいと考えております。 


水生植物(追加)

2016-01-03 19:53:30 | Weblog

 2015.12.57に載せた同題のブログの記事に誤りと漏れのあることに気付き、追加
と訂正を試みたのですが失敗しましたので、追加の形で付記します。

 10. キンポウゲ科 (漏れ)   31. トクサ科(追加)
 ツルキツネノボタン(湿)イヌスギナ(湿)   ミズドクサ(湿)
    

   32. ドクダミ科(追加)33. タコノアシ科(追加)
   ハンゲショウ(湿)                    タコノアシ(湿)
               

   

  ところで、お願いですが 、
     私の拙いブログをご覧下さっておられる方の中で、既に投稿してしまった記事
   の内容を変更する際にどのようしたら良いのかをご存知の方が居られましたら
   お教えて戴けないでしょうか。 


水生植物

2015-12-27 13:25:30 | Weblog

水辺または湿地、更には水中で生育する植物を水生植物と総称するが、その様式によって以下の
4グループに分けられます。
   1. 湿地性植物(または湿生植物)・・・・・根元だけが水中浸っている。
   2. 抽水性植物(または抽水植物)・・・・・根が水面下、茎、葉が水面上に伸びる。
   3. 浮葉性植物(および浮遊植物)・・・・・葉が水面に浮かび、その表面が空気み触れる。
   4. 沈水植物 ・・・・・・・・・・・・・・全体が水中にあるが、花は空気中で咲く。

  
 秋田で見られる水生植物(山野草)68種を供覧します。
1. アゼナ科
アゼナ(湿)        アメリカアゼナ(湿)
   
2. アヤメ科
カキツバタ(抽)      キショウブ(抽)     ノハナショウブ(抽)       ヒオウギアヤメ(抽)
    
3. イネ科
チジミザサ(湿)
    
4. オトギリソウ科
コケオトギリ(湿)     サワオトギリ(湿)    ミズオトギリ(湿)
   
5. オモダカ科
アギナシ(抽)       オモダカ(抽)      ヘラオモダカ(抽)     サジオモダカ(抽)
   

マルバオモダカ(抽)
   
6. ガマ科
ガマ(抽)       ミクリ(抽)
   
7. カヤツリグサ科
ウキヤガラ(抽)      カヤツリグサ(抽)      ホタルイ(抽)      タマカヤツリ(抽)
     
8. キキョウ科
ミゾカクシ(湿)
  
  
9. キク科 
アメリカタカサブロウ(湿) タカサブロウ(湿)      
 

   
10. キンポウゲ科

エゾノリュウキンカ(湿)  エンコウソウ(湿)    キツネノボタン(湿)    タガラシ(湿)
   

11. ゴマノハグサ科

サワトウガラシ(湿)
    
12. サトイモ科
ザゼンソウ(湿)     ミズバショウ(湿)
    
13. シソ科
エゾシロネ(湿)      コシロネ(湿)      シロネ(湿)       ヒメシロネ(湿)
 
   
14. スイレン科
オゼコウホネ(抽)      コウホネ(抽)              ネムロコウホネ(抽)      ヒツジグサ(浮)
   
15. タデ科
イシミカワ(湿)         イヌタデ(湿)           サデクサ(湿)               ヤナギタデ(湿)
   
16. タヌキモ科
タヌキモ(沈)          ミミカキグサ(沈)
   
17. キョウチクトウ科
チョウジソウ(湿)


18. ツツジ科
ツルコケモモ(湿)
   
19. ツユクサ科
イボクサ(湿)         ムラサキツユクサ(湿)
   
20. トチカガミ科
ミズオオバコ[沈)
   
21. ハゴロモモ科
ジュンサイ(浮)        ハゴロモモ(沈)
    
22. ハマウツボ科
オニシオガマ(湿)
   
23. ヒルムシロ科
ヒルムシロ(浮)
   
24. ホシクサ科
イヌノヒゲ(湿)
   
25. ミズアオイ科
コナギ(抽)                  ミズアオイ(抽)
   
26. ミソハギ科 
キカシグサ(湿)               ヒシ(浮)             ミソハギ(湿)

   
27. ミツガシワ科
アサザ(浮)                     ミツガシワ(抽)
  
28. モウセンケ科
モウセンゴケ(抽)
  
29. ユキノシタ科
ツルネコノメソウ(湿)   ネコノメソウ(湿)
   
30. ラン科 
サギソウ(湿)                  サワラン(湿)              ミズチドリ(湿)             ミズトンボ(湿)
   


 

 

   


マムシグサの果実

2015-12-03 14:26:35 | Weblog

 初雪が降った11月29日の寒い朝、我が家のほど近くのほの暗い杉林に普段にはあまり
注意したことのないマムシグサの橙色の果実だけが際立っていたので切り取って観察して
みました。

5月中旬に咲いていた花

初秋には花弁が委縮して中から育った果実が出てきて、やがて橙色に熟します。




花序を開いてみると中は空洞で白い繊維は錯綜しています。 繊維の先は果実の付着して
いた所に集まっているので果実に栄養を補給する導管と思われます。


果実は大小まちまち。 果皮の一部を切り取り、果肉を除くと種子が出てきます。
  

一個の果実の中には0から5個の種子が入っています。

 種子の発芽も試みています。



混生する近縁種

2015-11-17 20:20:15 | Weblog

 第29回秋田花の会写真展(平成28年2月20~23日)の企画展に出展のために集めた材料を供覧します。
  内容は表題にも示したように、近縁または品種の2種が偶然にも同一画面に写っているという珍しさだけで実は何ら評価すべき価値も無いお遊びでしかありません。 

 最初に、科の違う比較的稀な山野草3種がたまたま1枚の画像の中に収まっている珍しい画像を載せてみます。
|キヌガサソウ (ユリ科)         | この3種は亜高山の湿地を好むことでは共通して 
|サンカヨウ (メギ科)              | いますが、同じ場所で、しかも同時に見るという
|ズダヤクシュ (ユキノシタ科) | 機会はめったに無いはずです。
 

スミレ科
 スミレ ー アリアケスミレ 両者の群生する所であだかも両種が一つの株のようになっていた。
 
 タチツボスミレ ー ヒカゲスミレ
 
 タチツボスミレ ー シロバナタチツボスミレ 両者は同種で白花は品種とされる。



ケシ科 
 ムラサキケマン ー ミヤマキケマン


キク科
 ジシバリ(左半)オオジシバリ(右半) 水田の畦などで通常は別々に繁茂し、その境界で両種が混生。 

シソ科
 ヒメジソ ー イヌコウジュ  良く似た両種は花の色、数、葉の形で区別が容易。

ゴマノハグサ科
 サギゴケ ー ムラサキサギゴケ 花色の違いで別名で呼ぶが、本来は同種。 

ムラサキ科
 ノハラムラサキ ー キュウリグサ

ツリフネソウ科
 ツりフネソウ ー キツリフネ  花色で別名で呼ぶが本来は同種。 赤花が多い。

スイカズラ科
 タニウツギ ー ウゴツクバネウツギ 

 その他、カラスノエンドウ・スズメノエンドウ・カスマグサの3種、イヌハギ・ネコハギ・メドハギ の3種を一緒に映した画像などはそれぞれ別のブログに載せています。


落ち葉の中に咲くカキツバタ

2015-11-14 20:08:31 | Weblog

 10日午前6時のNHK秋田のローカルニュースで秋田市の千秋公園(久保田城址)で
今年2度目のカキツバタが開花したと伝えているのを聴いて,摂ってい朝食の箸を一瞬
停めて映像に看入りました。
 カキツバタには狂い咲きがしばしば看られることは知っていましたが実際には看たこ
とがありませんし、偶々、10月31日のブログで『ユキヤナギの狂い咲き』について書
いたばかりでしたので大変興味深く感じ、早速、今朝(14日)早朝から出かけて撮影
して来ました。 
 公園の入り口から丁度裏側にある【あやめ園】の湿地に植えられたアヤメ、ハナショ
ウブは褐色に枯れ花はなくなっていましたがカキツバタだけは落ち葉の中で茎、葉 とも
奇麗な緑色に保たれていて沢山の花を付けていました。
   

 これまで、カキツバタの開花は6~8月が最盛期と考えておりその期間以外には看に行く
ことはなかったので、11月に咲いているとのニュースを聴いて即座に狂い咲き」と考え
ました。
 ところが、実際に目にしたのは予想しているような枯れかけた茎、葉に付く「狂い咲き 」
の花ではなく最盛期に看られるのと全く違わない花だったのには驚きました。

 そこで、別の場所に生育するカキツバタも11月に咲くのだろうかとの疑問が湧いてきま
したので、すぐそこから毎年の夏にカキツバタの撮影に行っている大仙市高屋敷と宇津野に
車を走らせました。
 高屋敷の林縁の土手は整地されていてカキツバタは残されていませんでしたが、宇津野の
群生地では茎、葉は枯れかけて咲き遅れの花がわずかに看られるのみで大部分は果実になっ
て千秋公園のものとはまるで違った状態でした。
 

 カキツバタには四季咲または晩生種というのがあるとのことですので千秋公園で看られ
るのはそうしたものである可能性があると考えました。来年は夏から秋にかけて何度か出か
けて観察してみたいと考えております。

 


シオデ、アマチャズルの種子採取

2015-11-07 20:23:28 | Weblog

 数年前から自生する山野草の種からの繁殖に興味を持ちこれまでにも数種の植物につい
ての試みを続けてきておりますが、今回は更にシオデアマチャズルの種子を採取し播種
してみました。
 
シオデ 
 初夏の林床に生えたシオデに開花していた雌花


 やがて果実になっていました

 晩秋に過熟して果実は萎縮



 水中で果実を潰してルビー様な種子を取り出します

 

アマチャズル 
 盛夏に咲いた雄花(雌雄異株)


 晩秋には雌株に付けた果実が黒緑色に熟します(花冠の付いていた跡のリングが特徴的)

 
 果実を潰すと3個の種子が出てきます(粗い襞のあるオニグルミに似た種子)

 


ユキヤナギ紅葉と花

2015-10-31 17:10:58 | Weblog

 我が家の庭に植えてあるユキヤナギ株立ちの紅葉した1株に白色の花を付けているのが
見られました。
 インタネットで検索したところ、『ユキヤナギの狂い咲き』とした記載も幾つかあり稀な
ものではないようですが、紅葉と白花のコントラストが面白いので画像を載せてみました。 
 
 





オクトリカブトの種子

2015-10-24 17:42:58 | Weblog

 秋田の山野で普通に見られるオクトリカブトを10年ほど前から鉢に植え我が家の半日陰の裏庭に置いて育てておりましたが 、最初10株程度だったものに種が地面に落ちて育ったものも加わって現在45株にも殖え毎年奇麗な花を付けています(左下の株は種が落ちて育ったもの)。
 9月15日




 トリカブトの仲間の種の発芽率は概して低いとされますが、その事を確かめるため種子から育ててみようと考え種子の採取をはじめました。
 
 10月14日 花は殆ど散り果実とまりました。


 

 10月24日 果実は熟しました。
 

 中から縮んだフレアの付いた皮に包まれた黒色の種子が沢山出てきました。

 
 

 播種方法は先にミズバショウで試みられたのと同じく発芽まで湿った培養土の上に種子を播き発芽したら薄く培養土で覆うもので、播種時期は採種直後(取り蒔き)と来春3月の2回に分けて行い比較することにしています。
 
 結果については後日書きたいと思います。
 



シロネ属の見分け方(紅葉)

2015-10-22 11:12:37 | Weblog

 2015.8.16「シロネ属の見分け方」ではシソ科シロネ属シロネヒメシロネコシロネ
エゾシロネの4種の区別点について書きましたが、10月に入ってからの葉の変色にも種
による違いが見られるようになりました。
 紅葉は最初に黄色調の変色を経て黄褐色となるもの(シロネ、エゾシロネ)と暗紅調に
変色してから暗褐色になるもの(ヒメシロネ、コシロネ)とがあります。
 
  かなり類似していて区別困難なコシロネとエゾシロネでも紅葉期にはその違いが歴然とな
ります。