2015-7-8にアップロードしたブログ『ミズバショウの種』ではミズバショウから種を採取して播いて殖す試みについて書きましたが、今回は昨年採取に失敗したザゼンソウからも種を採取して播いてみようと再挑戦していますので書いてみます。
種は仏炎苞の中の肉穂花序に形成されるものですから、肉穂花序の発育経過をお示しします。
肉穂花序が仏炎苞に包まれて地上に出たばかりのものを苞を開いて見るとあだかもマッチの先端の頭薬に似ていますが、翌日には苞が開き、中の肉穂花序の表面には多数の雌蕊(花柱)が見え、更に時間が経過したものでは花柱の先端に細繊維束が出てきます。
次いで、花柱の脇から4個の雄蕊(葯)が出てきます(右はその拡大)。
葯が破れて花粉が出てきます(右はその拡大)。
花粉をスライドグラスに載せて顕微鏡で覗いたものです。紡錘形をしていますが、水を垂らすと球形になります。
この時の肉穂花序上の温度をデジタル温度計で測定してみると、大気温度が20.3℃
なのに対して29.2℃と著しく上昇していました(温度1;大気温、温度2;肉穂花序上)。
花粉放出が終わると葯は萎縮します(右はその拡大)。
................... 今回の試み ..................
授粉
綿棒に花粉を付け、まだ雄蕊が出ていない肉穂花序に授粉しました。
野ネズミによる補食防止
野ネズミ忌避剤を花の周辺に散布しました。
以上の処置をした上で5月から6月までの間に種を得て播種してみたいと考えております。