秋田ではシオデを山菜「ひでこ」と呼んで食べられています(秋田民謡ひでこ節は若い男女がシオデ採りに野山に出かけた時の唄だそうです)。
私も秋田に勤務するようになってから地元の人から教わり近辺の原野や杉林の数か所から毎年5~6月にシオデの新芽を採集してきて食べていますが、シオデとタチシオデとの2種のあることを知らずに過ごしてきました(つまり、味には全く差がないというわけです)。
昨年からこの2種の違いを比較してみようと撮影してみました。
芽
早春に「ひでこ」として採集する芽の頃にはシオデもタチシオデとも真っ直ぐに立ち上がり殆ど差がありません。タチシオデの特徴として立ち上がること記載されたものが多いのですが、この段階で見分けるのは大変難しいと思います。
また、傍に他の植物なり木があれば葉腋より出した髭蔓で絡みつき這い上がるが、何も無ければ地表を這って拡がる点でも両種で差がありません。
シオデ タチシオデ
茎
シオデでは茎に浅い稜が数条あり、ざらつくのに対して、タチシオデは滑らかです。
シオデ タチシオデ
葉
卵状長楕円形から披針状形など形に開きがあり、大きさにもばらつきがあってそれだけで両種 を区別するのは難しいのですが、タチシオデの葉の裏面は粉白色なので明瞭に区別できます。
シオデ タチシオデ
花
開花期はシオデでは7月で、タチシオデではそれよりやや早く5~6月です。
両種とも雌雄異株で、
シオデでは雌雄花とも花披片は反り返り タチシオデの花被片は反り返らない
雄蕊の葯は線形で長く、先が巻いている 雄蕊の葯は長楕円形、点状
実
未熟の時期ではタチシオデでは白味かかっていてシオデとは区別できますが、熟したものでは 殆ど差がなくなってしまいます。
シオデ タチシオデ
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2012-4-9 「ヤドリギの花が見られた」 との表題のブログは、それを書いた2日前の4月7日に目的も無く車を走らせていた田沢湖湖畔で、その2日前に吹いた強風によって倒されたヤナギ類の巨木の梢にヤドリギが多数寄生しており、長いこと近ずけななかった雌花、雄花、それに前年の実までもを間近で観察する幸運に恵まれたとを書いたものでした。
今回は、同じ湖畔に立つミズナラの巨木の高い枝先に寄生したホザキノヤドリギを見かけ、何とかしてこの花の撮影をもと挑戦したのですが、二匹目のドジョウは容易には捕まえきれなかったという顛末について書いてみたいと思います。
山野草同好の友人からの情報を得て、昨年11月24日肌寒い日に玉川ダム上流のプレイパーク戸瀬にホザキノヤドリギを探しに行ってきました。この時期になると落葉樹は葉を落としてしまっているため果実をつけたヤドリギ類は容易に見つかるとのことだったからです。
しかし、戸瀬の林の高木の梢には夥しい数の球状のヤドリギが見られたばかりでホザキノヤドリギと思しき枝は全く見つからず落胆しました。
帰途、昼食を摂るために田沢湖畔のレストランORAEに立ち寄りました。
窓辺の席に着いて何気なく湖面を眺めていたら湖岸道路の傍に立ったミズナラの巨大な古木
(樹齢250年)の枝の先端の数ヶ所に異状に枝の混み合った部分(⇨)があるのに気が付き、食事もそこそこに望遠レンズを付けたカメラを携えて樹下に行き望いてみたらこれまでに探していた
ホザキノヤドリギだったのです。
その後、2年前この場所でヤドリギの花の撮影に成功した時のような幸運に遭遇しはしないかと早春から幾度となく訪れているのですが、いまだに花の撮影には成功しておりません。
4月29日にはまだ芽が出たばかりで宿主木ミズナラとの区別は明瞭ではありません。
5月31日にはミズナラの葉とは区別できるようになっていますが、まだ花穂は付いていま
せん。
6月30日花穂に多数の花を付けていますが100mm望遠レンズで撮影出来る限度はここまででした。
同好者によると、秋田にはホザキノヤドリギの生育する地は数ヶ所あるとのことですから、これからも諦めずに花を間近に観察できる場所を探し続けるつもりです。
(追記)
昨日(2015.7.5)200mmの望遠レンズを持って再度花の撮影に臨みましたが、期待する
ほどの写真が撮れませんでした。