花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

イボタノキ属の見分け方

2017-06-29 10:57:08 | Weblog

 6月に入ってから秋田では至る所でイボタノキ属の開花が見られます。
イボタノキ属の仲間には植栽されたものもありますが、ここでは山野に自生する3種(オオバ
イボタイボタノキミヤマイボタ)の見分け方について書いてみます。

オオバイボタ


イボタノキ


ミヤマイボタ


 
この3種は類似した低木で、自生する場所も全て里山の林縁や道端で、特異な環境というものはあ
りません。開花の時期も殆ど同時ですが、微妙に異なりで、イボタノキが最初、続いてミヤマイボタ、
最後にオオバイボタの順でした。

 3種の特徴について一覧表にしました。



 オオバイボタは灰緑色ですべすべしますが、イボタノキ、ミヤマイボタでは細毛が密生しているためざらつきます。
 


 3種の中ではオオバイボタの葉は大きく、厚く、光沢があり、裏面の葉脈も明瞭です。
イボタノキの葉は薄く、暗緑色調で伏毛があり、葉脈には細毛が密生していてざらつきます。

        オオバイボタ       イボタノキ            ミヤマイボタ


 オオバイボタの花弁は強くめくれこみ、雄蕊が突出していますが、ミヤマイボタでは殆どめくれず雄蕊も露出しません。 イボタノキの花は3種の中で最小です。 ミヤマイボタの萼にみ微毛が見られます。
 


 画像は昨年撮影した果実と実です。
 


アマドコロ・ナルコユリの違い

2017-06-10 11:02:40 | Weblog

 キジカクシ科アマドコロ属に分類されているアマドコロナルコユリとはよく似ているためしばしば混同されると言われますが、数日前、アマドコロ(ヤマアマドコロ)、ナルコユリ(オオナルコユリミヤマナルコユリ)の3者が開花している場に遭遇しましたので比較のための画像を供覧します。 

 4〜5月に開花するアマドコロと6月に開花するナルコユリとでは開花時期が違うため花を並べて比較するということは通常なら難しいのですが、秋田では予想外の現象が時々見られることがあります。
 
      墓地の土手の斜面に生えたヤマアマドコロミヤマナルコユリ
 
 上の墓地からあまり離れていない杉林には草丈150cmもあるオオナルコユリが生えていました。 
           切りとって大きさを比較してみました。
 

 
  オオナルコユリではすべすべしますがヤマアマドコロには襞があってざらざらします。
  また、ミヤマナルコユリでも少しざらつきます。
 
                 茎の横断面 
 

  (上:表面 下:裏面)
  3者のサイズには差がありますが形状には大きな違いは見られません。

   葉の裏面の顕微鏡拡大像ヤマアマドコロの裏面の小脈上には微突起があります)

 花 
  
よく似た鐘状花を葉腋から出た花柄の先に2〜4個下げていまる。
               オオナルコユリ

           ミヤマナルコユリ(葉ごとに左右に分かれて下げています)
 
                ヤマアマドコロ 
 

 拡大してみると花弁の基部と花柄との繋ぎ目がナルコユリでは細くなっています。