花好きじじい

花を求めて山野を歩き回っています。
花好きの皆さん花にまつわる話をお聞かせください。

秋田で見られる寄生植物

2022-01-14 13:16:59 | Weblog

 

 寄生植物とは他の植物に寄生して栄養分を吸収して生育する植物せあって、寄生根と呼ばれる特殊化した根で相手植物(宿主)の組織に結合して栄養分を吸収する。
 葉緑素を持たず光合成によって炭水化物を自からでは合成しない全寄生植物群と、葉緑素を持ち光合成もする半寄生植物群とに分けられる。
 全寄生植物には寄生根と花以外の部分は退化したものが多く、葉は鱗片化して茎に密着したものが多いが、半寄生植物の多くは葉の退化は顯らかではなく、殊に、根に寄生したものでは寄生植物には見えないものもある。

 寄生植物は多くあるが、ここには秋田で見られるものにのみに限定して揚げる:

① ヤドリギ科:木の幹・枝の上で発芽して生育。 
  ヤドリギ  (半寄生)
  ホザキノヤドリギ  (半寄生)

② ヒルガオ科:池面で発芽、発根し、つるで他の植物に絡みついて寄生根を挿入。
  ネナシカズラ (全寄生)
  アメリカネナシカズラ (全寄生)

③ ビャクダン科:  
  カナビキソウ (半寄生)

④ ハマウツボ科:ほとんどが程度の差はあるも寄生性。
  ハマウツボ  (全寄生)
  オオナンバンギセル  (全寄生)
  コシオガマ (半寄生)
  エゾシオガマ  (半寄生)
  ヒキヨモギ  (半寄生)
  ミヤマママコナ (半寄生)  

ヤドリギ・ホザキヤドリ
               
                 ヤドリギ            田沢湖岸 




ホザキノヤドリギ

   ヤドリギ と ホザキノヤドリギ とが同じ木に寄生した珍しい情景



ネナシカズラ・アメリカネナシカズラ
             
            ネナシカズラ          三種町

              アメリカネナシカズラ       三種町


                 カナビキソウ            三種町

               エゾシオガマ           八幡平

            コシオガマ           三種町


                 ヒキヨモギ            男鹿

             ミヤマママコナ           岩谷山

                ハマウツボ            男鹿

               オオナンバンギセル          男鹿


秋田で見られる腐生植物

2022-01-11 19:09:23 | Weblog

 腐生植物とは葉緑体を持たず腐葉土の栄養を菌類を通して吸収する菌従属栄養植物である。以下の植物がその範疇に属する。
 
   ① ギンリョウソウ(ツツジ科) 直接菌類に寄生するか、間接に菌と樹木に寄
                生し 樹木が光合成で作った有機物を菌経由で
                      吸収する。

   ② アキノギンリョウソウ(ツツジ科)同じく菌従属栄養植物。

 ③ シャクジョウソウ(ツツジ科) キシメジ菌と菌根を形成して有機物を吸収する。

 ④ ツチアケビ(ラン科) ナラタケ菌と菌塊を形成して栄養物を吸収する。

 ⑤ オニノヤガラ(ラン科) ナラタケ菌から栄養物を吸収する。

 ⑥ ショウキラン(ラン科) 菌根を形成して栄養物を吸収する。

 ⑦ イチヤクソウ(ツツジ科)菌類を通して有機物を得る、腐生性の傾向がある。

   ギンリョウソウ           森吉山

  アキノギンリョウソウ         仁別

    シャクジョウソウ         象潟  

   ツチアケビ        房住山

  オニノヤガラ       八幡平

    ショウキラン         田代岱


秋田の金梅

2022-01-02 21:17:51 | Weblog

 



 秋田で金梅の名の付いた山野草はキンポウゲシナノキンバホームページをご覧ください)の他にバラ科キジムシロ属7種とダイコンソウ属1種がありますが、ここではこのバラ科8種の特徴について記載します。

        山地に生育        低地に生育
        ミヤマキンバイ       キジムシロ
        イワキンバイ        ヘビイチゴ
        エチゴキジムシロ      ミツバツチグリ
        コキンバイ         エゾツルキンバイ

 

・・・・・山地に生育・・・・・

ミヤマキンバイ

                                       秋田駒ケ岳

イワキンバイ

                                                  森吉山

エチゴキジムシロ

                                                  真昼岳

コキンバイ

                                                 御所の台

・・・・・低地に生育・・・・・

キジムシロ

                                                   森岳

ヘビイチゴ

                                                   森岳

ミツバツチグリ

                                                   森岳

エゾツルキンバイ

                                                 男鹿半島

花の比較
 バラ科キジムシロ属(コキンバイはダイコンソウ属)の花は全て酷似しており花弁は5枚、黄色い倒卵状円形で、先端がやや凹形でおり(コキンバイは尖る)、萼片も5枚、卵状披針形、先端が尖り、副萼片も広披針形で先端が尖るというのが基本的な形であって、種により若干の色ならびに形の違いは見られます。
                   

ぞの他
 葉の形と植物の全体像とが最終的な識別の決め手となってきます。